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第111〜ワセダ恋しい〜

面白い人と出会いたい。魅力的な人間に出会いたい。それが生活の1番の充実だ。

早稲田に帰りたい。早稲田で生涯を閉じたい。それが人生の終わりの幸せだ。

雑談をしながら思い出したことがあった。中学生の頃からの私の最期の目標は、私のこの体に流れている血を私で終わりにすることだったのだ。こんな家系に生まれる不幸を味わうのは自分で最後にしよう。そのために両親も親類縁者も一切捨てて、独りで生きていくことを誓ったのであった。

どうせ私など、誰も知らないところで老いぼれて独り死んでいく。兄弟もいなければ両親とも半ば絶縁だから、無縁仏となって埋葬され、その後も誰も墓参りになど来ない。

私にとって人生とは、それを迎えるまでの間の、死を待つだけの無意味な時間の浪費として捉えていた。しかし今は、せっかくなら存分に愉しんでやろうかと思っている。というのは、何だか愉しませてもらえそうな気がしてきたからである。それはひとえに、教え子ができたということにある。教え子から頂戴する様々な声のおかげで、私のちっぽけな人生にも意味があるような気にしてもらえるのである。

孤独極まることを受け入れるべしと自閉していた人生が、やっと開かれていくだろうか。

もう、早稲田で生きて早稲田で死ぬことさえできれば何だっていい。どうせ終わるのだ。好き勝手やってみて愉しんではどうか。ここに来て、人生の新たな価値観を手にしそうである。

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