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丁々発止・ランデブー飛行
丁々発止の小気味良いやり取り。
あなたなら何を思い浮かべますか?
ひとと人との掛け合い、人と楽器が織りなす掛け合い、季節とひとの奏でる掛け合い。
以前書店にてお年を召した二人組が流れるような丁々発止で会話をしていて、その長く練られたであろう絶妙な間合いに心撃たれました。
まーあ聞いてて気持ちがいい。
あまりの絶妙さに心をガッツリ奪われて振り返ると何ともお二人の距離感もよかったです。
近すぎず遠過ぎず何とも表しようのない塩梅の間合いでした。
そのランデブー飛行で書棚を軽快に移動するお二人。
二頭の蝶々のようでもあり、ベテランパイロットのようでもあり。
私の語彙では到底あらわせません。
蝶々の軽さとそよ風が作用し合う雰囲気に少し似ている気もするし、無重力っぽさもあるけれどやはりちゃんと土の香りのする風情。
こういうのってあなたならどう表現して伝えているのでしょうか。
きっとあなたもこんなシーンを人や音、色や季節、鼓動などで感じたり見かけたことがあると思います。
しかも聞き手と話し手に分かれているのがお決まりのようで、「へえ」「それで」「なるほど?」「ほう?」「ほうほう」のような一見誰でも出来そうでいて、しつこくならないような独自のトーンと発声。
話し手も軽やかに次から次へと新たな話題を放ちます。超短編、アンソロジー。
それが歩みの間合いや時折相手へと振り向き微笑みかける表情と相俟ってもうそれは最早文化財みたいな趣でした。
緩やかな動きの武道、師範代と師範代みたいな佇まい。
お互いに話し手のよさが光る丁々発止も軽快でグルーブ感が冴えますが、このようなポジションの掛け合いも唸るぐらい軽妙です。
こういった素敵な丁々発止はやはり日頃から余白を愉しめる域に達したひとが自然と生み出すのかしら、と思ってみたり。
「はー、素敵だったなあ」と時がどれだけ過ぎようともその余韻を感じさせてくれるところまでがその小気味良さなのかも?と感じてみたり。
何かと色々多い私。もっともっと余白や余韻を嗜もうと思う夕べです。
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