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7.フロイスの京都見物

 「フロイス日本史」五畿内篇Ⅰ第19章では京都観光の記事が詳述される。見物で訪れるべき名所としてフロイスが取り上げたのは、三十三間堂、東福寺、紫野大徳寺、千本焔魔堂、金閣寺、百万遍など。大徳寺で禅宗の説法を日本人に混じり聞き、その話の上手さ賢さに敬服して書き残している。三十三間堂については芸術的価値を見出した観光名所として紹介した。文章を照らし合わせながら訪れればフロイスの鋭い観察眼を知ることができる。

 

❏三十三間堂
:東山区三十三間堂廻り657
通し矢の日(毎年1月15日に近い日曜日)は、無料で公開される。 後述の蒲鉾型墓碑のある国立博物館(大人520円大学260円高校以下無料)と合わせて。

❏東福寺
:東山区本町15丁目778 拝観料400円
 新緑か紅葉。紅葉は有名なので歩けないほど混む。

❏大徳寺瑞峯院
:北区紫野大徳寺町81 拝観料400円

後述の高桐院今宮神社と合わせて。 たくさんの塔頭のなかでも「瑞峯院」は(後にキリシタンに改宗した)大友宗麟にゆかりがある。庭に十字が隠されているというが、少し考えすぎでは?。

❏千本閻魔堂
:上京区閻魔前町34 無料
 千本今出川から千本通りを北に歩く。和菓子屋 「千本玉壽軒」を覗いたら、「千本釈迦堂」も合わせて訪ねる。 閻魔堂は、フロイスの記すとおり、確かに何だか良くわからない寺。千本釈迦堂では毎年12月7日と8日の2日間、 「大根だき」の行事が行われるので賑やか。この日に訪ねるのがお薦め。


 『「東の山」という山に近い平坦な原に三十三間堂という寺院がある。…仏の前に30体の神像があるが…それらはここで笑劇か演劇が演ぜられているように見え…これらの像の中でもっとも芸術的で、奇抜でもあり適合しているのは一人の乞食の像である。…きわめて迫真的に表しているので、鑑賞に値する。…この建物には幾多の人々が絶えず参詣するが、それは同所で祈るためというよりは、むしろ見物のためなのである。…』

『…都に入るすぐ手前に700年前に弘法大師という悪魔のような僧によって、建てられた一僧院がある。…その僧院の一隅に非常に高い塔が建っていた。…ヴィレラ師が市街に到着して2か月後...仏僧たちが反抗し始めた頃に突如天から稲妻が落下して…上から下まで火を放ち灰燼と化してしまった。』

五畿内篇Ⅰ第19章

 「都に入るすぐ手前にある高い塔」が何か言うまでもないが、その近隣からは、キリシタン墓碑(後述)が見つかっている。また、八条通から九条通の御土居関連の発掘調査で、アルファベット表記の木簡(2018年度市有形文化財)が出土したことなどから、キリシタンも多く居住していた場所であった可能性が高い。御土居の堀側はよろずのゴミ捨て場になっていたから今後も「何か」が発掘されることは期待できる。



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