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見たことがないスポーツ

体育教師の桐生は悩んでいた。走るのが苦手の生徒から、運動会の徒競走が残酷だと苦情が来たからだ。確かに毎年ビリを走る生徒にとって運動会は悩みの種、怪我をして休みたいとさえ思うものだ。

そこで桐生は新しい徒競走を考えた。先頭の生徒がゴールする寸前にピストルを鳴らし、走っている生徒は全員ターンする。スタートラインがゴールラインに変わり、ビリだった生徒は一着になる、題してくるりんぱ競走。
意外性もあり最初の年は好評だったが、足の速い生徒がわざとゆっくり走る、という現象が起き一年限りで終わった。

国語教師の金子に相談したら彼女が言った。

それぞれが一番得意なものを見せながら走ったらどう?絵が得意な子は絵を持ち、数学が得意な子は難問を解きながら、ダンスが得意な子は踊りながら、歌が得意な子は歌いながら己のペースで走る。
みんな違ってみんないいんだから。

この金子競走はオリンピックでも採用され、世界平和に貢献することとなった。         

            めでたしめでたし(420文字)



たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさんお手数おかけしますがよろしくお願いします。

え~と、一着はどうやって決めるのかって?
金子先生に聴いて下さい。(≧▽≦)

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