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オノマトペピアノ

タヌキのポン太とポン子の住む山の麓には小さな小学校があります。
二匹はその学校に行き、ピアノに合わせて子供たちが歌っているのを
聞くのが好きです。
♪春の小川はさらさら行くよ~
歌声はちょっとばらばらですが、そこもまた可愛いのです。

「あんなピアノあったらいいなぁ・・・」
 ポン子はピアノが欲しくてたまりません。
「あったって弾けないだろう」
 ポン太は言うのですが
「弾けなくても弾けるの!」
 ポン子は譲りません。

ある日、ポン子は山の中腹にある日当たりのいい野原に
ピアノが置いてあるのを見つけました。
まあ、なんということ!
さっそく、キイを叩いてみました。
「ポン!」キャハ
「ポン!」ウフ
 あれ?なんか聞こえる!指を滑らせて思いっきり
「トルルルル!」ウワ、クスグッタイ
 ピアノからふわり尻尾が出、ポン太の姿が!

「え?化けてたの?」
「ごめん、化けきれないや」

「ばかね!」
 ポン太のお腹をつつくと
「ポン!」
 ピアノにも負けない澄んだ音がしました。

     おわり(411文字)

たらはかにさんの企画に参加させてください。
いつもお世話をおかけします。_(._.)_

今週のお題は「オノマトペピアノ」です。
ピアノの中に人が隠れていた、なんてのも考えましたが
春うららの今日この頃、ほのぼの路線が落ち着く、と
こんなお話になりました。読んでいただき嬉しさで
心、ふるふるです。😉

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