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透明な朝


ヒヤリとした空気

キラリとした日差し

秋は

透明な朝が

舞い降りてくる


通りの銀杏は

秋のくす玉が

はじけたように

金色の破片を

ふりまいて


父は

私の選んだ

紅葉に輝く山を

紡いで織ったような

チェックのネルシャツを着て

マーラーを聞く

その

うしろ姿に

過ぎた日の輝きを探す


         

              おわり


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