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名詞のインパクト

コンビニの棚に【てまえどり】と書かれているのを見て、「うわぁ、そういう表現あるんだ」と妙に感心したのは、いつだったでしょう?調べてみると2021年6月からこういう表示が使われ始めたのだそうです。

食品ロスを減らすため、「手前にある賞味期限の迫った物から買いましょう」という意味です。今まで、少しでも新鮮なものを、と、棚の奥をのぞき込むようにして手を伸ばして取っていた私はちょっと胸が痛みました。

【手前どり】と名詞の形になっているとなんか新鮮で「なんのことだろう?」と関心が向きます。名詞はインパクトが大きいのだそうです。
この表現も貢献して、商品ロスは少しずつ減っているとか。
こういう私は商品によっては、未だに【奥どり】する場合も・・・
まとめ買いで2日後くらいに調理する予定の時は、【奥どり】させてもらっています。


駅構内にある「【声かけ】をお願いします」というポスターは「困っている人に声をかけて下さい」より、名詞にすることで印象的になります。
ヘルパーの研修では、車いすを移動させるときは、必ず【声かけ】をしてから、と、厳しく教えられました。いきなり動かすのではなく、必ず「動きますよ」と【声かけ】をする。

こんな場合も【声掛け】が必要ですね。


わがマンションのエレベーターの中には「玄関の共同ドアを入る時には
【共連れ】にならないよう気を付けましょう」とあります。共同ドアは
鍵で開けるか、暗証番号をおさないと開かないようになっているので、住民しか入れないのですが、ドアの開いたとき、すっと一緒に入ってくる人がたまにいます。外部の人でもその方法なら入って来れるのです。

エレベーター内の掲示

去年、精神を病んだ方が夜そのやり方で入って来て、ロビーで住民に乱暴をした、という事件が起こり大問題になりました。その方はすぐ入院になり事なきを得ましたが。【共連れ】は、要注意となったわけです。

住民は入れ替わりもあり、外部の人と見分けられないこともあるので、こんなことも【あり】でしょうね。


                おわり


参考 朝日新聞3月19日「町のB級言葉図鑑」


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