書くことの考察

文章は、結局は文字の組み合わせ。その点に着目した短編を読んだ。
それならば、人が文章を書く営みは、すでに文字の組み合わせとして存在するものを再発見することにすぎない。
本を読んでいる中で、その事実に狼狽した。

次に浮かんだのは、それでも人は書き続けるのだろうな、ということ。どれだけ人工知能が文章を巧みに書けるようになっても、人は言葉を紡ぎ続ける。それは、記録やビジネスのためではなく、もっと個人的なこと、自分の中にある思いを形にするために、書き続けるのだろう。だから、書く技術はビジネス的なスキルではなく、自分のために磨くものというところに収束していくのだろうな、と漠然と思い、それは当たり前のことだなとも思う。

でも、私は狼狽と達観の二つを行き来して、結果的には自分の心を強く持てないでいる。

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