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君はあたりまえじゃない

SEVENTEENは私の中で光のようなグループだ。
光といっても真っ暗闇にさすような一筋の光というよりは、やっと辿り着いた我が家に灯る玄関灯のような暖かな安心感のある光。その光がやっと日本にも帰ってきた。今日はその話を少ししたいと思う。

オープニングの舞い落ちる花びらを見ながら、理由もなく不安で眠れなかった夜たちを思い出した。辛かった受験勉強。勉強をしながら、ラジオで初公開されたこの曲を聴いて、その日は勉強が全く手につかなかったこと。たくさん聞く中で「いつかこの目で見れる日が来るんだろうか」とぼんやり考えた。その想像もつかなかった「いつか」は今日ちゃんと訪れた。わたしはそれを希望と呼びたい。

SEVENTEENは世界の中にたった1人取り残されたような夜に「ひとりじゃない」と手を差し伸べ、暖かな光であり続けてくれた。

今日もまた、SEVENTEENは私たちの光だった。大きな荷物を色んな人がちょっとずつ持ちながら、その配分を少しづつ変えながら前に進んでいた。ステージに立ったウォヌくんとその隣にそっとメンバーは立っていた。ペンライトで埋め尽くされた会場をじっと見つめる彼の横顔が今も脳裏にある。その覚悟と優しさを覚えていたい。そしてどうかこの決断が彼にとってポジティブな影響を与えるものでありますようにと願わずにはいられない。

SEVENTEENの楽曲の中で近年、言語を変えながらも何度も出てくる歌詞がある。

だから君をあたりまえだなんて思わない こんな僕を愛してくれたから
(舞い落ちる花びらより)

이 밤은 짧고 넌 당연하지 않아
この夜は短くて君はあたりまえじゃない
(Rock with youより)

Promise I won't take you for granted never
約束するよ絶対に君をあたりまえだなんて思わない
(Darlingより)

「君をあたりまえだと思わない」という意味の歌詞だ。いろんな解釈ができるけれど、きっとこれらの当たり前は「存在」のことを指している。自分たちを応援してくれるファンはあたりまえではないのだということを何度も伝え、彼ら自身にも言い聞かせているようにも思えてくる。同じようにアイドルもまた「あたりまえ」ではない。私たちが見つめられるのは今しかないと改めて実感させられた時間でもあったような気がする。

コロナウイルスの蔓延とともに不安で埋め尽くされた世の中に変わらないものがあったとすれば、それは私がアイドルが好きだということと、そのアイドルがSEVENTEENだったということくらいだ。
きっと世の中はこれからも目まぐるしく変わっていく。私が変わってしまうかもしれないし、SEVENTEENも変わっていくだろう。だからこそ、今日を忘れずにいようと思う。たくさんの暖かな思いを受け取った今日を。
私は確かに彼らが好きで、SEVENTEENが13人でステージに立った今日を。

それでも、アンコールで何度も戻ってきてスナシュを踊ってくれた彼らのように、もう少しこの時間が長く続くことを願わずにはいられない、そんな午前零時すぎ。



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