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34歳、「子宮体癌」になったので発見までの経緯などを書く
はじめまして。私は34歳バツイチ子なし独身女性で、2024年4月にステージⅣの子宮体癌と診断されました。
まさか自分が。なぜ自分が?
そんな気持ちでいっぱいでした。
ですがなってしまったものは仕方がありません。現実は変えようがないですから、何か自分ができることをしたいと考えnoteを書いてみようと思いました。
私自身ほとんど知識もなかったため、あのときに少しでも多くの情報を持っていたら、もっと早く見つけられたのかもしれないと思ったのです。
ここでは自分の経験・感じたことなどを書くことで、一人でも多くの方の助けになれば嬉しいです。
目が覚めるほどの下腹部痛
2024年2月、下腹部の痛みがあり鎮痛剤を服用しながら数日過ごしていました。
ある晩痛みで4回も目が覚め、さすがに普通ではないと思い内科を受診。
エコー、血液検査、尿検査を行いましたが異常は見つからず、「婦人科にいってみてほしい」とのこと。
3月になり、生理が終わっても痛みがあったため、急ぎかかりつけではない婦人科を探して受診。
エコー、血液検査、感染症検査で異常は見つからず、今度は「内科に行ってみてほしい」と言われ……。内科かい?婦人科かい?どっちなんだい???と途方に暮れる。
この頃、救急車を呼ぶか迷うほどの激しい痛みに襲われます。最初に痛みを感じてから約1ヶ月後でした。
どんな痛みかというと、「生理のときのお腹壊してるような痛み」の最強バージョンみたいな感じ。
お腹壊してるのかな?と思うから急いでトイレに行くけど結局何も出ない。そんな痛みが昼夜問わず不定期におきて、痛み止めを切らすことができなくなりました。特に就寝時に痛むことが多く、ここから10日ほどまとまった睡眠がとれずつらかったです。
内科、オールクリア(嬉しいけど嬉しくない)
あまりに痛いため救急外来へ。
婦人科のない総合病院で、約一週間かけて内科で調べられることはすべて調べてもらいました。
血液検査、エコー、検便、レントゲン、CT、胃カメラ、大腸カメラ。
しかし結果はすべて異常なし。
変わったことは、私があまりに痛みを訴えるため大腸カメラを30cm程度しか進められなかったこと。
その痛みを訴える位置からも、「婦人科系の疾患ではないか?例えば子宮筋腫など……」ということでした。
すでに婦人科でも異常なしと言われているし、なんなら2月上旬にも子宮頸がん検診(陰性でした)でエコー診察はしているし……健康であることがわかるのはいいことですが、いつまでも痛みの原因がわからず困りました。
大腸カメラ検査を受けたその日のうちにかかりつけの婦人科に連絡して、ありがたいことにすぐに診てもらえることに。
もともとPMS(月経前症候群)があり、ずっと低容量ピルを処方してもらっていた病院です。
エコーと血液検査、先日受けたものとは違う種類の感染症検査を行い丁寧に診てもらいました。
やはり特段問題はないように見えるとの結果でしたが、初めて血液検査で「CA125」という腫瘍マーカーが基準値をわずかに超えました。
ですがこの数値は子宮内膜症でも出るものらしく、下腹部痛はおそらく子宮内膜症が原因ではないかという診断でした。
ただ、その病院ではできる検査が限られているからと婦人科のある総合病院を紹介してもらい、数日後すぐに行きました。
歩くこともままならない「腹水」
最初に内科にかかってから実に5つ目の病院です。
内科ではやれることをやりつくした。婦人科でも同様に可能性を潰していくしかありません。
ここではエコー診察と、紹介状に添付されたかかりつけの婦人科での血液検査結果をもって「子宮内膜症」と診断されました。
子宮内膜症の薬を処方されましたが、連日10cm近いレバー状の血の塊が出るなど、これまでに経験したことのない出血が続きまたすぐに受診。
二度目のエコー診察の結果「子宮腺筋症」と診断され、今度は別の薬を処方されます。
この頃から明らかな異変がありました。異常にお腹が張り始めたのです。
お腹の張りは日ごとに大きくなり、3日後には妊婦さんのようなパンパンの状態に。まっすぐ立つこともできず、苦しくて5分と休憩なしには歩けません。
これは「腹水」という、いわゆる「お腹に水が溜まってる」状態。腹水の原因は様々ですが、私の場合はがんによる腹膜炎が原因でした。
ですが、これが大きな病気の可能性がある状態だとは思い至りませんでした。恥ずかしながら知識もなければ、自分がそんな大病をするなんて考えもしなかったのです。
「卵巣癌の疑い」でもエコーでは異常なく見える
そんな状態でなんとか病院へ行きましたが、そこからはあっという間でした。
血液検査、エコー診察。点滴をして車椅子に乗せられ、MRIを撮り、まともに動けないのでそのまま入院することに。
初めてのMRI。初めての入院。
ベッドで結果を待つ数時間が恐ろしかったです。
そんな時に限ってスマホの充電はほとんどなく、手元にある娯楽といえば「ノルウェイの森」上巻。なんで病室で死と向き合わなきゃいけないんだ、間が悪すぎるだろ。良い本ですがさすがに今じゃないなと途中でやめました。
夕方、MRIの写真を見ながら丁寧に説明をしてもらいました。
血液検査の結果でも腫瘍マーカーや炎症があることを示す数値がかなり上がっていることから、「卵巣癌の可能性が極めて高く、リンパ節への転移もありえる」ということでした。
そんな状態でもやはりエコーだけでは特に異常があるようには見えないというのが怖い。
2週間の間にかなり容体が変化していることから、癌の進行が早く、1日でも早く手術を受けた方が良いとのことで、翌日には退院してさらに大きな病院へと移りました。
下腹部の痛みを感じてから2ヶ月後のことでした。
「子宮体癌」の確定
「卵巣癌の疑い」として6つ目の病院を紹介され、ありがたいことにすぐに入院、入院から一週間後に手術をしてもらうことができました。
これも癌になるまで知らなかったことの一つなのですが、卵巣や子宮のがんは、手術でその組織を取り出して調べてみないと、どの程度まで広がっているか=ステージいくつなのかを正しく評価できないのです。
私の場合、手術前は「少なくともステージⅢ以上の卵巣癌であろう」ということでしたが、手術後に「子宮体癌」とわかります。
MRIで見つかった卵巣の腫瘍は子宮体癌が転移したものだったというわけです。
そして、リンパ節への転移や腹膜播種(がん細胞が散らばっていること)があるためステージⅣという評価でした。
ちなみにこの手術はあくまで癌の進行を評価するためのもので、癌を取り除く目的のものではありません。
私の場合、転移が多く今の状態では手術ができないため、現在は癌を減らしたうえでの手術をめざして抗がん剤治療を行っています。
原則、子どもは望めない
癌の治療法は原則手術による癌の除去です。
卵巣・卵管癌及び子宮癌の治療は、再発を予防するためにも、卵巣・子宮の摘出が基本のようです。
早期に発見できた場合は妊娠の可能性を残すために一部残すという選択肢を取れることもあるようですが、とくに卵巣・卵管癌は見つけることが難しく、発見されたときにはステージⅢ以上であることが多いそう。
もちろん、ステージⅣという生きるか死ぬかの話の私には、妊娠の可能性は望むべくもありません。無事手術ができることになった場合、卵巣・子宮はすべて摘出することになります。
これまで進んで子どもがほしいと思ったことはありませんでしたが、だからといって生涯持たないと覚悟を決めたわけでもありません。
まだ可能性がある年齢のうちに望みが絶たれることは衝撃でした。
しかし人間の適応力というのはすごいですね。数日はかなりエモーショナルになりましたが、そもそも子どもを持つとか持たないとかそんな未来の話すらできる状態じゃないという現実は、あっという間に私の中に浸透していきました。とにかく命優先。生きるためなら何でもやるしかない。
なんなら早く手術してくれと思い始めたし、あと腹も立ってきたりしました。癌とかいうやつ誰に許可取って勝手に増えてんだ?意味わからん、図々しすぎるが?まだ体内にいると思うとキショすぎ!
すみません、怒りとなるとつい筆が乗ってしまいますね。
そんなことはさておき、ここまでの流れで一つ心残りがあります。それは「MRI」です。
「MRI撮ってほしい」と言えばよかった
実は5つめの病院(婦人科)での最初の診察のときに、「MRIは撮らないんですか」と聞きました。
しかし医師からは、「エコーで異常がある場合に詳しく見るためにやるもの。異常がないのにMRIの必要はない」との回答。
まあ、そうなんだろうけども……。
内心、「本当にそれでいいのか?」と不満でした。
大腸カメラまでやった病院では、「痛みがあるのなら何かあると思って調べるのが原則。とにかく一つずつ見ていくしかないですね」とかなり丁寧に診察してくれた印象でした。
同じことを婦人科でも適用するならあとはMRIしかやることが思いつかなかったし、ここには小さな病院では調べられないことを調べに来ているのですから、当然やるものと考えていたのです。
また、医師から失礼な発言があったのも不満でした。
「こんなに痛みが続いているのに何もないことがあるんでしょうか」と言ったところ、「もしかしたら人より痛みに弱いのかもしれませんね」と言われたり(え!?)
「痛みが出ると動けないため、仕事も休んでいるのでなんとかしたい」に対しては、「うーん、仕事は復帰された方がいいと思いますけどね」と言われたり(なぜ痛くないあなたがそれを?)
正直これらの発言がなければここまで不満を引きずることもなかったと思います。本当に印象って大事ですね。
とにかくそれでも医師に不要だと言われれば信じるしかありません。
このときの私は不満を抱きつつ帰ってしまいましたが、今思えば「MRI撮ってほしい」ともっと言えばよかったというのが、自分に唯一できたこととして心残りになっています。
たとえうるさい患者だと思われたとしても、最初にここで調べられていればもっと早くに見つけられたのかもしれないのですから。
「性交痛」は婦人科系疾患の症状
子宮内膜症や癌の知識を集めていく中で、そういえばと思い当たる症状がもう一つありました。それが「性交痛」です。
今まで性交時の痛みというのは感じたことがなかったのですが、今年に入り初めて「痛み」を感じました。
これも自分の知識のなさゆえですが、そのときは病気が潜んでいるとは思い至りませんでした。
久しぶりだからなのかとか、いわゆる相性が悪いということなのだろうかとか、そんな風に考えていたのです。
約3年前に離婚して以来はじめてできた大切な恋人とのことですから、ネガティブになりたくもないし、深く考えないようにしていたかもしれません。
ですが、うるおいが足りないなどの理由からくる痛みとは違うものであることは、しっかりと向き合えていれば気づけたことだったと思います。
もし今までにない性交時の痛みを感じたときは、婦人科系疾患の症状の一つであることを思い出してみてください。
痛みは子宮体癌の症状でもありますが、感染症、子宮内膜症などの症状でもあります。何か病気が潜んでいるかもと注意するに越したことはないでしょう。
注意深くなること、要望を伝えること
子宮癌は比較的進行が遅いものらしいですが(がん細胞の悪性度が高い場合は進行が早い)、卵巣癌は進行が早いケースも多いようです。
それでいて見つけるのが難しいとなると、患者自身ができることはなんなのだろうと考えました。
私が自分の経験から思うできることは、注意深くなること、要望をきちんと伝えること。この2つに尽きるのではと思います。
様子がおかしいと思ったら病院に行く。病院に行ったらやってほしいことは伝える。
当たり前すぎて進次郎構文みたいになってしまいましたが、ほんとにこれしかない。
どれだけ気をつけていても病気になるときはなるし、こればかりは仕方がないと思います。
しかし癌は発見が遅いほど予後が悪くなりますから、とにかく早く見つけることが大事なのだと学びました。
今度は私の生活習慣などについてもお伝えできたらと思います。
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