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「運用しながら取り崩す」で考えたこと

つみお)
積み立て投資のあとは、資産の取り崩しと管理だね。
資産寿命を伸ばそう、という話はよく聞くよ。

たて子)
運用しながら取り崩すほうが資産が長持ちする、という話ね。

つみお)
そうそう。運用益が加わる分、長持ちするというんだけど。

たて子)
例えば、こんなグラフを見たことない?
手元に1,000万円あるとして、運用せずに毎年100万円ずつ取り崩す場合と、運用して収益を得ながら100万円づつ取り崩す場合の比較。


つみお)
あるある。運用しないと10年で残高ゼロになるけど、4%で運用できると13年、7%で運用できれば18年持つ、ということだね。
確かにこれを見ていると、運用しない手はないと思うけど、運用にはリスクもあるからね。この通りにはならないということは理解しているつもり。

たて子)
そこでなんだけど、10年 の間に株価は上がったり下がったりするよね。積み立て投資のときにもそうだった(*)けど、途中の上がり下がりは  取り崩しに どんな影響があるんだろう?

参照*積み立て投資「目標額」との向き合い方

たてお)
う~ん、ぱっとは思い浮かばない。

つみ子)
そうね。ちょっと試算してみたものがあるわ。

<株価の動きの前提>
パターンはシンプルに次の3つ

①一直線に年率  7%  で上昇する場合
②前半は大きく上昇、後半は調整
③前半は下落、後半は大きく盛り返す

ただし、どのパターンも、10年後の株価は同じ水準。(10年間で2倍)

イメージ図

たて子)
この3つのパターンで、1000万円の資産を、毎年100万円づつ取り崩した場合の残高の推移を試算してみたのよ。

1.一直線に7%で運用できた場合

まず、10年間一直線で7%運用できた場合
現実には考えにくいけど、目安として試算してみると、毎年100万円づつ取り崩しても、10年後には586万円の残高が残ってる。

つみお)
10年目で、元本の半分以上の残高が残っているんだね。
確かに資産寿命は延びている。

2.前半大きく上昇・後半調整の場合

たて子)
次に、株価が大きく上がったあと調整して、一直線に7%上昇したときと同じ株価の水準に着地したとき。

つみお)
10年後の残高は846万円。こちらはもっと長持ちしているね。

たて子)
前半の上昇で大きく資産を増せたことが効いている。

3.前半下落・後半大きく盛り返しの場合

たて子)
この場合には9年目に資産が枯渇!

つみお)
えっ!後半大きく反転しているのに・・・なんで?

たて子)
前半、株価が下げているところに、毎年100万円の引き出しで、残高が少なくなって、後半の盛り返しでも回復できなくなったのね。
10年後の株価は、一直線に7%上昇したときと同じ水準に戻っているのにね。

つみお)
これだと、資産寿命を短くしてしまってる。

4.まとめると


たて子)
3つのパターンを並べてみるとこんな感じ。

つみお)
相場が下がっているときには、なるべく取り崩しを抑えるほうがいいんだ。

たて子)
そう。特に定額で取り崩していくプランは慎重に。上昇した分を取り崩すとか、定額ではなくて定率で崩すとか、工夫した方ほうがよさそう。

つみお)
相場の悪いときには取り崩ししなくてすむように、運用に回さないお金もあったほうがいいね。

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