ジャスコ林 QuizKnock卒業の動画を受けて(伊沢ファン目線から)

今日,ジャスコ林こと林輝幸さんがQuizKnockを卒業する,という動画がアップされた.
https://www.youtube.com/watch?v=zgaN574Kpdk

最初の驚きは,え,ジャスコってQuizKnockだったの?だ.多分社員ではなくて,自分の中では,田村さん,小林さん,鶴崎さん,水上さんと似たような「Extern」なのかと思っていた.もしもそうであれば,今後は外注を減らす/なくすというだけのことなので「卒業」という言葉はそぐわない.そもそもそこに就学していない.そもそも,「QuizKnockに所属している」或いは「QuizKnockである」ということは,ひとつの動画,記事などでQuizKnockに関わった個人全てのことなのだろうか.

勿論,彼らの契約関係がどうなっているかなんてことは私にとってはどうでもいい.興味深いのは,彼ら,特に伊沢さんにとって,誰かがQuizKnockである,とはどういうことなのか,という捉え方である.今までにもQuizKnockに関わったことがあって,立場の変化などがあって今後は関わりません(=QuizKnockを去る),となった人たちはいただろう.しかし特別に卒業報告動画が出たのはジャスコが初めてだ.その一番の理由は,ジャスコが今後独立してクイズ業界で一般向けの客商売をやっていく,ということがあるだろう.QuizKnockは太っ腹にも,最後にその宣伝をしてあげたということだ.ある意味競合他社になるかもしれない後輩への,盛大な餞.動画の中では軽いインタビューのような形式で,ジャスコのこれからについて伊沢さんが質問している.こんな風に同じ業界の先輩から丁寧に話を聞いてもらえて,自分のやりたいことを言語化する手伝いをしてもらえて,さらに後押しまでしてもらえるなんて,ジャスコはなんて恵まれているんだろう.そして動画の中で伊沢さんは的確に視聴者の疑問も言葉にしてくれている.「それは俺たちQKとやるんじゃだめなの?」これは,伊沢さんの本音なんじゃないかな.QK「で」ではなくQK「と」なところが,伊沢さんらしいなあと思う.QKだと「教育」という縛りが付いちゃうから,と伊沢さんは理由付けしていた.「楽しいから始まる学び」という企業理念に逆に縛られてしまう?でもきっと,本当はシンプルに「自分の力でやりたい」なのだ.それはQKが息苦しい,制約があるということではなくて,人が大人になるに従って育つ自然な独立心.伊沢さんはもしかしたら寂しいかもしれないけれど,QuizKnock が先端を必死に切り拓いて,クイズの裾野がひろがって,派生ができていくという,QuizKnock が齎す成果の一部である.QKはかなりフットワークの軽いフラットな組織に見えるけれど,それでもジェネレーションはあるし,できないことも出てくるだろう.より若い人を核に取り入れながら,どう成長していけるのか.カプリティオのように,仲良し精鋭だけの組織に留まっていくのか.
QuizKnock を卒業したと言えば,川上拓郎さんがいた.彼の場合もちゃんと話し合いはあったのだろうが,ファンに向けての発表がおざなりだったため,当時の川上ファンは複雑な気持ちになったようだ.その反省を踏まえて,オグラさん,高橋昴さんの卒業の時には朝それをやって送り出したし,今回は特別に動画も撮った.伊沢さんもQuizKnockも成長している.

ジャスコの「ここから先は後戻りできないな」という言葉.今まで直面しなかったような困難も出てくるだろう.伊沢さんは稀有なリーダーだし,そのことを今後痛感するだろう.伊沢さんの言う「クイズの暴力性」についても向き合わざるを得ないだろう.だけど,ジャスコ林さんにも愛される能力があるし,精悍な顔つきになっていつか,QKとコラボしたり,伊沢さんと対談できたり,するといいね.



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