『侍タイムスリッパー』感想(ネタバレあり)


シネマ・ロサから上映が始まり、話題になって拡大上映が決まったので観てきました。
ネットの記事だとカメ止めのブームの再来とか書かれているので勘違いしやすいが、カメ止めのような仕掛けがあるわけではなくオーソドックスな物語だと思うので、肩透かしにならないように観る前に注意が必要かもしれない。

物語としては、幕末の侍である高坂が現代にタイムスリップしてきて生活するというもの。舞台はガラケーなどを使っているので2000年初頭ぐらいだろうか。高坂は割とあっさり時代劇の斬られ役としての生活に馴染んでいき、面白くも微笑ましい展開が続く。

かつて時代劇で活躍していた風見が登場してから物語に大きな変化がある。風見は無名の斬られ役からスターになったという経歴の持ち主だが、実は高坂がタイムスリップする直前に戦っていた相手であり、高坂よりも30年前にタイムスリップしてきて同じように斬られ役として生活していたことが判明する。ここで判明する風見の苦悩や、自分達がいた元の時代への思いが上手く伝わってきて物語に深みが出て、展開もコメディからシリアスになっていく。

風見は高坂を自分の主演時代劇の準主役に抜擢。高坂の提案で最後に行われる殺陣を真剣で行うことになる。もちろん映画なので殺陣であることはわかっているが、真剣で本気で斬り合っているという状況がものすごい緊張感を生み出しており見入ってしまった。最後に笑える展開もあり、鑑賞後の満足度は非常に高かった。

パンフレットが急遽制作されることになったらしいので、販売されるころにもう一度観ようと思う。

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