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ランクマ屈指のトップメタ ブリジュラス

DLC2弾『藍の円盤』から参戦したポケモン、ブリジュラス。配信前から公式に取り上げられており、名前だけは知られていた。当初は「そこそこ止まりでしょ」と予想されていたが、蓋を開ければあら不思議。想像以上の高性能ぶりで一気にオンライン対戦のトップ層に仲間入りする事となった。今回は、なぜブリジュラスが対戦勢から高く評価され使われているのかに迫る。
実践向きの型や戦術も紹介するので、最後まで是非読んでいってほしい。



ブリジュラスとは?

図鑑の画像。アルセウスみたいな待機モーション

全国図鑑No.1018
ごうきん(合金)ポケモン
はがね・ドラゴンタイプ
高さ2.0m 重さ60.0㎏
特性:持久力・頑丈・筋金入り(夢特性)
進化条件:ふくごうきんぞくを使う

剣盾から参戦したジュラルドンが進化した姿。レギュレーションFからランクマに参加し、上位30位以上を常に取っている(S14から順番に、7-10-7-7-7-12-18-25-22-4)。伝説がいたレギュGでは順位が下がったが、今期からのレギュHで再びトップ10に入っている。対戦慣れしている方にとってはパックンフラワーぐらいの有名度である。

種族値配分

H90 A105 B130 C125 D65 S85 計600
H70 A95 B115 C120 D50 S85 計535(ジュラルドン)

進化に伴い種族値が600に。S以外全てが向上し、元々苦手だった特殊耐久だけでなく、得意だった物理耐久と特殊攻撃まで引き上げられた。剣盾時代のジュラルドンも弱くはなかったのだが、特防面や特性の課題から使用率は伸びなかった。だが、ブリジュラスになってからは特性も変更され頑丈と持久力になった。頑丈は「HP満タン時、相手の攻撃を必ず1残して耐える(きあいのタスキと同じ)。一撃必殺も効かない」という効果であり、持久力は「攻撃を受ける度に防御ランクを1段階上げる」という効果。2つの特性によって戦術が大きく変わり、相手の対応も二極化されるため非常にいやらしいポケモンとなったのである。頑丈なら1ターン耐えて起点作りやカウンターができるし、持久力なら物理への要塞として相手取る壁になれる。前述した種族値配分の良さから、アタッカー・起点作成・物理受けと多様な役割を持たせられるため、1ターン目での型判別が困難という強みを持つ。ACの種族値が両方高く配分されているのは無駄では?という人もいるが、個人的には両刀だからこそ技が多様になり、ストッパーとして相手したポケモンすら倒されかねない事態にまでなっていると思う。
また、タイプも鋼・ドラゴンと半減9・無効1タイプと優秀な部類であり、相性補完に優れている。タイプ、特性、能力値に恵まれたからこそ上位まで上がれたと言って良い。

ここからは主な技を紹介。今回は攻撃と変化で区別させていただく。レパートリーが非常に多くなるので読む際は充分時間に余裕を持っていただきたい。

攻撃技

まずは攻撃。現在主力となっている技は「ラスターカノン」「ボディプレス」「アイアンヘッド」「りゅうせいぐん」「エレクトロビーム」「あくのはどう」辺り。これ以外にも多様な技が使われている。
元タイプと同じ技を打つと威力が上がるというゲームの仕様上、鋼・ドラゴン技は特に採用率が高い。特殊アタッカーとしてラスターカノンや流星群を入れ、火力で押していくものは実装当時、非常に流行していた。サブウェポンとして電気技や悪技を入れている事があり、1匹で多くの対面を制する事が可能な戦法を取っていた。特筆すべきはエレクトロビーム。彼の専用技であり、C1段階アップの代わりに1ターン溜めが必要という技だ。持ち物にパワフルハーブを持たせたり、雨天候下に置く事でこの欠点を無くし、速射式エレビぶっぱマンとして圧力をかけ続ける立ち回りが可能となる。溜め系の技としてメテオビーム(習得可能)があるが、命中90という不安定さがある。しかしエレビは100と安定性もあるため、溜め技としてこれを使わない理由が無い。アタッカーとしての制圧力は並以上のものがあり、油断できないのだ。また、おまけにはなるがメタルバーストも習得する。頑丈があるためこれと組んで初手のタイマンを確実に制する事もできる。ガチグマなどの対面で使われ、BDの個体値をあえて落としてどんな攻撃でもHP1にする戦術が有名(メタバの火力を常に最大にするため)。そういった奇襲性能もできてしまうのがブリジュラスである。
一方で物理受けとしても機能できるため、ボディプレスやドラゴンテールを使った受け流し戦法を取るブリジュラスも当初から流行っていた。現在ではこちらが主流とされている。特にボディプレスは特性の持久力とベストマッチであり、相手の攻撃を耐えつつ自身の火力を増強できるという厄介さは多くのプレイヤーを悩ませた。ドラゴンテールによる流しで起点にもしにくいため、そういった抜け道にもメタを貼れる。対策していなければ、この要塞型ブリジュラス1匹に壊滅されてしまうのである。

変化技

先の攻撃技の補足として補助技も記載。主力は「ステルスロック」「ほえる」「でんじは」「てっぺき」辺り。この4つだけでも厄介さが伝わると思うが、起点作成として充分仕事可能なラインアップとなっているのだ。初手で繰り出し電磁波⇒ステロ設置⇒攻撃して削るという動きが簡単にでき、このシンプルな戦法も特性と型の多様さから判別されにくく決まりやすいという利点がある。鉄壁で要塞化、吠えるで身代わり相手にも流しをする等・・・とにかくやれる事が多すぎる。故にブリジュラスの4ウェポンを把握しきるのは無理ゲーに等しく、場数を重ねていって推測するしかない。中には持久力+眠る寝言型という非道もおり、もう少しで倒せるという時に先制眠るで絶望・・・といったケースも。筆者もこれに遭遇し、泣きながら降参した。

ここからはブリジュラスの型を紹介。個人的おすすめ度も合わせて載せる。

アタッカー

控え目or臆病:こだわりメガネorパワフルハーブ:頑丈:流星群・ラスターカノン・@2(電気枠を持ち物に応じて変更):ステラor鋼テラス
おすすめ度★★★★★

初心者ならまず試す事を勧めたい型。頑丈による行動保証と高い攻撃性能で確実に仕事できる型。筆者も愛用した型であり、眼鏡ステラ流星群ならH252のチョッキガチグマすら吹き飛ばせるパワーがある。ハーブを持たせて初撃でエレビを打ち、C+1かつ打ち分け可能なブリジュラスにしても良い。どこに置いても役割を果たす事が可能であり、先発に置けば、後述する型と混同させて初手から一気に有利を取れる事も。眼鏡の場合は電気技が10万ボルトとなる。運用する際は技と持ち物の相性が良いかを確認しておこう。テラスは耐性の良さをそのままに全ての技の火力増強が可能なステラが主流。ただし1発しか補正がかからない点には注意。努力値は基本CS特化なので育成難易度はかなり低い。

起点作成

BかDに補正がかかる性格:オボンのみorたべのこし:持久力or頑丈:ステルスロック・でんじは・流し技・タイプ一致技:テラス何でも(初手出しなので切らない事前提)
おすすめ度★★★★☆

次におすすめしたい型。初手に麻痺やステロを展開し、場持ちする限り流したり一致技で相手を削っていくもの。流し技と記したが、これはドラゴンテールか吠えるの事。どちらも一長一短であるためどちらを選ぶかはお好みで。また、一致技としてアイへ・流星群・ラスターカノン辺りを採用して負担をかけていけると、1匹で相当な仕事をこなせる。この型は非常にカスタマイズ性があり、性格・特性・努力値・持ち物が固定されない。故に育成難易度が非常に高いといえる。運用法こそシンプルなのだが、誰との対面まで有利を取れるようにするかで調整が変わってくるため、初心者にとってそこの線引きが難しい。慣れない内は特性頑丈のHB振りとかにして、ほぼ確実に仕事を遂行できるようにしよう。

物理受け

図太いor穏やか:食べ残し:持久力:ボディプレス・鉄壁・@2:毒orフェアリーテラス
おすすめ度★★★☆☆

前2つよりおすすめ度は下がるが強い型。元はスカーフ水ウーラオスの水流連打に後出しして1ターン目から要塞化するのがコンセプトであり、最初期はかなり刺さっていた。現在はウーラオスが出禁なため、役割が狭くなってしまっている点と、サーフゴーが復権してきて対策が簡単に取られている点がネック。それでも要塞化に成功すれば上からボディプレスを打っているだけでイージーウィンし得る力はあり、抜群技でも絶対倒れない。相手に特殊がいなければほぼ勝確になるのは長所だ。この型は場合によってテラスを切り、その際毒やフェアリーで耐性変化させるのが一般的。弱点を付く相手も起点にできるので形勢逆転を防げる。切り所が肝心なので慎重に考えて行動しよう。

補完枠

今回からピックアップポケモンと組ませたいポケモンを紹介。あくまで一部なので参考程度にしてほしい。

ペリッパー

専用技エレクトロビームを活用するのに最適な相方。ペリッパー自体が蜻蛉返りを覚えて交代できるし、即退場しても雨ターンを最大限使えるので後ろのアタッカーで無双できる。この二人にイダイトウ♂を加えた「ブリペリイダイ」の並びは非常に有名であり、筆者も対策に悩まされた。雨を降らすペリッパー、エレビぶっぱで火力を上げ続けるブリジュラス、最後にすいすいお墓参りorウェーブタックルで破壊するイダイトウを崩すのは簡単ではない。
無論対策は存在し、その3体に対するガンメタを貼れば良いだけである。筆者の場合は電気技持ち、威嚇持ち、対面で必ず1発耐えるアタッカー(例:サーフゴー、ガオガエン、ガチグマ)を用意して相手の並びや行動まで予測した上で勝つルートを通していた。3体セットの構築である以上選出が読みやすく、特化した対策を取られると流石に厳しいという事だ。

アシレーヌ

相性補完に優れている事が理由である。ブリジュラスの弱点である格闘、地面を等倍以下で受けられ、地面タイプに有利を取っていけるため受け出ししてもリターンがある。アシレーヌの弱点である草、電気、毒はブリジュラスが完全カバーできる。
ガチグマ相手を考えるなら特に採用したいポケモンであり、チョッキを持たせてタイマン性能を上げたい所。事前にブリジュラスが起点を作って置いてサイクル戦に逃げる道を狭めておけると良い。アシレーヌも持ち物の予想が困難なポケモンなので、選出段階で戦法が読まれにくいのも評価点。
ただし、鋼テラスガブリアス等天敵がいるためそこの対策は入念に。

ウルガモス

ガモスの弱点である岩技や物理系に対して物理受けブリジュラスをぶつけて補完を取っていけるため。特殊の積みアタッカーとして名高いガモスだが、脆い物理を突かれると一気に崩される弱点がある。それをブリジュラスが補う事で受けを強化できる。ブリジュラスは特殊が弱く、それをガモスで見ていけるため物理特殊両方で受け出しできるのがこの二人による相性の良さだろう。テラスも絡めれば見れるポケモンは更に増えるため、この二人を軸にした構築は組んでみて良いかもしれない。

対策

ここからはブリジュラスの対策となるポケモンを紹介。むしろこっちが本編な気がしている。

サーフゴー

スタンダードな対策方法。鋼、ドラゴン、格闘、電気全てに耐性を持ち、ブリジュラス側の突破手段が非常に限られてくる天敵。彼を構築に入れているだけでも圧力になり、レギュHのトップ3にもいるため入れる価値は大いにある。
※当初筆者は、サーフゴーの復権に伴いブリジュラスは伸びないだろうと考えており、順位も20番付近になると見ていた。しかし蓋を開ければ4位と大躍進しているので、他トレーナー達の思考は全然分からないなと思った。

ガチグマ

レギュH3位でサーフゴーと共にトップを走っているポケモン。真空波、大地の力による破壊力と1発でやられる事が少ない高い耐久力を併せ持つ。ブリジュラス側もステラ眼鏡流星群とかをぶつければチョッキだろうとワンパン可能だが、そうでもしないと倒せない辺りにガチグマの高性能ぶりを感じる。こいつで対策する際は、メタバやミラコによる不意のカウンターに警戒しよう。

オオニューラ

筆者が最も勧めたいポケモン。単純なタイプ相性と素早さラインの高さ、そして挑発を搭載できるという点が強い。先発として繰り出して、先制挑発で起点を封じられるのは相当な長所だし、アタッカーであっても襷を持たせれば2ターン目から攻撃に切り替えて相手の選出を割ったり削りを入れたりできる。挑発があればオオニューラでなくても良いのだが、S85以上でタイプでも有利を取れるポケモンは他だとコノヨザルくらいである。この2体はSラインが全く異なるため容易に差別化でき、技範囲も異なる。その中でオオニューラを勧めたのは、A種族値の高さからこちらの方がブリジュラスに与える負担が大きくなると考えているためである。コノヨザルもドレインパンチ・ふんどのこぶしと強力な打点はあるが、素の火力はブリジュラス相手だと物足りない節がある。オオニューラであれば、一撃とは言わずとも致命傷を与えられるため、相手の仕事量を減らせると見込んでいる。

アシレーヌ

補完枠でもあるが対策枠にもなれる。現在流行っているBIG6(カイリュー・サーフゴー・ガチグマ・ウルガモス・ブリジュラス・アシレーヌ)どれにも対抗可能であり、後続にも仕事ができる万能ポケモン。水・フェアリーの一貫が凄まじいため、相手への圧力になれる。この事からレギュHではアシレーヌミラーの泥仕合が頻発すると思われる(レギュFからあったけどね)。

総括

今回は相当長くなったが、ブリジュラスの強さが伝わっていたら幸いである。2つの型で判別が難しいという厄介さを持つブリジュラスであるが、私なりの対策をここで挙げておく。
それは、「起点作成型前提で立ち回る」である。アタッカーの場合はチョッキガチグマ等で止められるため、リカバリーがしやすい。しかし起点型の場合、初動から仕事されると最後までこちらが不利になる事が多い。
そのため、先発ブリジュラス読みの選出をして仕事させないようにすると、動きやすいと思う。ただ、構築によってはアタッカーだと推測できる時もあるので、その時は別のプランを考えよう。


一番嫌な負け筋を潰して立ち回る。それがブリジュラス攻略への近道だと思う。


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