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「アンチヒーロー」を見た感想 第1回

最初に

TBSドラマ「アンチヒーロー」をU-nextでの一気見した。
自分は未試聴ではあるが巷の評判が良かった「VIVANT」のスタッフが作ったドラマであるのと、NHK大河ドラマ「麒麟が来る」で好演した長谷川博己氏が主演とのことで見てみた。芸能人には疎く、素人の感想ではあるが大変面白かったので記録しておこうと思います(若干ネタバレ注意です)。

視聴後の感想

長谷川博己氏演じる弁護士の明墨がある目的のため、殺人容疑がかかっている容疑者を無罪にしていくところから物語がスタートする。回を追うごとに明墨の請け負う弁護には、ある目的の存在があるのが見えてきて引き入れられるようにドラマを見続けました。
まず長谷川博己氏の演技とその見せ方の演出が良い。表情を映す光や影の加減やパネルに反射する怪しい雰囲気をただ寄せながら、自分が弁護する被告人を誘導していく。敵役である伊達原検事正はそれ以上に怪しい雰囲気をただ寄せる野村萬斎氏。たしかNHK大河「どうする家康」で今川義元で演じていたと記憶しているが、ある事件の冤罪の証拠となるハードディスクを踏み潰す狂気的な憎らしい敵役を演じながら、自らの正義を突き進み、娘をこよなく愛する人間を好演していた。
糸井一家殺人事件容疑者の緒方直人氏演じる志水死刑囚がこれまた良き。取り調べ時と比べ独房にいる時の変化、頬のこけかた、後姿の首筋のやつれ具合に12年の時の流れを感じさせるのは、役者ってこういうものかと感じさせる。この為の7㎏体重を落としたようです。話は違うが鈴木亮平氏の「西郷どん」と「シティーハンター」の変わり具合も凄いと思った。
ていうか出てる人みんな良いよ。
さらにドラマを盛り上げる梶浦由記氏、寺田志保氏のBGMが素晴らしい。
決してドラマの進行を妨げることはせず、セリフの邪魔をせず、どこか厳かな、時には触れてはいけない何かを感じさせるBGM。そしてmiretさんが歌う挿入歌、ドラマの雰囲気を損なわないメロディ、ドラマと抜群の相性を醸し出しながら自らの人生でもこんな気持ちを何回かしていたであろうと感慨深い歌詞。良い映画、ドラマ、ゲームには必ず良い音楽があると思っています。梶浦氏のことを初めて知ったのは「魔法少女まどかマギカ」だった記憶していますが、今回も素晴らしい楽曲を提供したと思います。
さらに捨て回どころか捨てシーンでさえも無い。
オープニングから最後のスタッフロールの最後に至るまで話が凝縮されている。一気見していたため次回予告こそ最初は飛ばしていたが、回を追うごとに次回予告でさえも見いってしまった。
ドラマの筋書きや考察は、書いている人もいっぱいいるし、何よりも見る価値のあるドラマだと思うのでその辺は他の人に任せたいと思います。
自分は未回収や疑問に残った点を書き残しておこうと思う。
①糸井一家殺人事件の真犯人
 ドラマ中最大の宿題はこれでしょう。真犯人は誰か?そもそも事件でなく食中毒事故だったのではなかったのか?ただもし食中毒事故なら一度は病院に行っているような記録があったので、対応した病院の医療事故事件だった可能性もありますね。
まあ犯人を捜すのは弁護士の仕事、増してやアンチヒーローがやることではないですから意外とどうでもいいのかもしれませんが…
②青山、白木と明墨との関係
 パラリーガルの青山、白木両名は明墨が弁護士事務所開設当時からのスタッフのようであり、明墨の目的も当初から知っているかもしれないメンバーです。白木はともかく青山は明確に明墨の目的を知っているでしょう。そこでなぜこの二人もしくは一人が、その目的を知っていて明墨の手伝いをすることになったのかの前日譚が存在するのでしょう。番組公式HPで白木は以前キャバ嬢をしていたとの記述がありますが、自分的には桃瀬礼子の関係者なんかじゃないかと勘繰ってます。
③青山の奥さん
 最終回で出てくる青山一家の朝食シーンで、青山の奥さんの弁護士バッジをわざわざ見せているシーンに何か含みを持たせている気がします。もしかしたら青山が明墨の手伝いをする理由、事務所に入所した理由がここら辺にあるのかなぁと思いました。
他に緋山の再審、できれば情状酌量をくんだ結審、志水の再審、そして主人公明墨の裁判、事務所に帰所時明墨が入り口の狸の銅像のお腹を触る理由といろいろ謎を残したまま終わりましたが続編があるんでしょうか。スタッフには今回同様素晴らしいドラマを作っていただけるよう期待しております。

最後に

このドラマを視聴後「VIVANT」も同じスタッフ、好評のドラマ、阿部寛が出演しているとのことで視聴してみたが、こちらはあんまり刺さらなかった。
また視聴同時期に2000年代前半に放映されていたドラマも見たが、最後まで見たのでストーリーこそ悪くなかったがエンディング曲がその当時のトレンディドラマあるあるの主演が歌っており、その曲のイントロ部からジャンジャカうるさい曲でそれまでのドラマの流れを台無しにしていた気がする。
良いドラマに良い楽曲スタッフを付ける時代になってよかったと思う。
今後は作中の個別人物について書いていこうと思います。

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