世界史の沼にはまる本その3 ヘンリー8世編
はじめに
イギリスの歴史の中で、やはり影響力の一番大きいのがイングランド王のヘンリー8世ですよね。この人が、後の大英帝国の基礎を作ったと、かってに思っています。
今回は、ヘンリー8世とその妻やその愛人たち、子供の中ではメアリ1世やエリザベス1世、さらにスコットランド女王のメアリー・スチワートなど、なんだかいっぱい人が出てきます。イギリス史では一番面白いところだと思います。そのあたりの本を紹介します。
1.ヘンリー8世の妻と子供たち
◎『ブーリン家の姉妹』(上下全二冊)
フィリパ・グレゴリー:著 加藤洋子:訳 集英社 集英社文庫
(イングランド王ヘンリー8世の2番目の王妃となったアン・ブーリンは、どのようにして王妃まで駆け上がり、なぜ堕ちていったのかと言うお話です。
これには、最初の王妃のキャサリン・オブ・アラゴンとの離婚問題がらみでのイギリス国教会の成立があります。
また、この当時の王室の習慣として、妊娠した妻や愛人は、子供が生まれるまで、真っ暗な部屋の中でベッドに寝ていなければならなかったのです。これでは、丈夫な子供などできないと思うのですが、そんな驚きの習慣があることが分かりました。
この小説を基に、同名の映画も作られていますので、映画を先に予習的に見てから、小説を読むと良いかもしれません。アン・ブーリン役のナタリー・ポートマンと、妹のメアリー・ブーリン役のスカーレット・ヨハンソンがいい演技しています。)
◎『ブーリン家の姉妹2 愛憎の王冠』(上下全二冊)
フィリパ・グレゴリー:著 加藤洋子:訳 集英社 集英社文庫
(キャサリン・オブ・アラゴンの娘のメアリ1世とエリザベス女王の王位をめぐる争いの物語です。
メアリ1世は「血のメアリ」と言う異名を持ち、カトリックを復活させるべく異端者の激しい弾圧をした人です。)
◎『ブーリン家の姉妹3 宮廷の愛人』(上下全二冊)
フィリパ・グレゴリー:著 高里ひろ:訳 集英社 集英社文庫
(エリザベス女王とその愛人であった、ロバート・ダドリーの話です。王室の話をここまで赤裸々に書いてしまっていいのでしょうか? と思ってしまうような話になっています。)
◎『ブーリン家の姉妹4 悪しき遺産』(上下全二冊)
フィリパ・グレゴリー:著 加藤洋子:訳 集英社 集英社文庫
(ヘンリー8世の王妃になった、アン・オブ・クレーブやキャサリン・ハワードの話です。ヘンリー8世は何人妻をもっらっているのでしょうか? そのうち何人を処刑しているのでしょうか? 数えてみてください。)
2.エリザベス1世
◎『エリザベス』
トム・マクガレー:著 野口小百合:訳 新潮社 新潮文庫
(エリザベス女王が王位について、処女王を宣言するまでの物語です。これも、映画になっていると思います。)
3.メアリー・ステュアート
◎『女王メアリ 血の処刑台』
桐生 操:著 講談社 講談社+α文庫
(エリザベス女王のライバルであった、スコットランド女王のメアリー・ステュアートの一生について、大体の流れが分かる本です。以前、NHKでメアリー・ステュアートのドラマをやっていましたが、最初は面白かったのですが、途中から話がごちゃごちゃしてきて結局途中から見なくなったので、最後はどうなったのか?)
4.トマス・モア
◎『ユートピア』
トマス・モア:著 岩波書店 岩波文庫
(ユートピアとは、どこにもない国という意味だそうです。トマス・モアは、ヘンリー8世のイギリス国教会の成立に反対したために処刑されました。かわいそうに。)
扉の写真
JR藤沢駅南口の居酒屋の前にいるタコさん。営業中の時しかお目にかかれません。季節によって頭の所が変わったりします。
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