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世界史の沼にはまる本その5 ローマ帝国編

はじめに


 人類の歴史の中で、最も拡大して、長い間反映していた国の一つで、その後の国作りの手本のようになっている国ですね。現在では、アメリカ合衆国がこの帝国を手本として繁栄していますが、今後はどうなるのでしょうか? 
 ローマ帝国は、皇帝がとんでもない人でも、ちゃんと機能していたし、未だにヨーロッパやアフリカに古い遺跡が残されていたり、政治の仕組みや、土木技術は今よりもよっぽど優れていたと思われます。そんな、ローマ帝国に関する本を紹介します。

1.ローマ帝国の歴史


◎『ローマ人の物語』(全43冊)
 塩野七生:著 新潮社 新潮文庫
(ローマ帝国の起源から滅亡まで、ローマ人はどのようにして戦って領土を広げ、各ローマ皇帝はどのような経緯で帝位に就いたのか
など、本当に事細かく調べて書いてある本です。ローマ帝国のあらゆる事が書いてある本です。ローマ帝国を詳しく知りたい人は絶対に読まないといけない本です。)

◎『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャルガイドブック』
 新潮社:編 新潮社 新潮文庫
(いくら文庫本とはいえ、43冊も読んでられないよ。と言う人に、何と、たった1冊で『ローマ人の物語』をすべて読んだ気になれるという、優れものの本です。写真も豊富で良いです。)

◎『ローマ帝国衰亡史 普及版』(上下全2冊)
 エドワード・ギボン:著 中倉玄喜:編訳 PHP研究所
(ローマ帝国衰亡史の原著はかなり量が多く、筑摩書房版で、約500ページの本で10冊もあります。このくらいの本であれば、とりあえず読み切ることもできるし、内容も大体分かるので、いいのでは無いでしょうか。読んだのは、新書版ですが、最近文庫の方で1冊になって出ているようです。)

◎『世界一わかりやすいローマ人の歴史』
 森 実与子:著 新人物往来社 新人物文庫
(ローマ帝国について、大体分かればいいやと言う人には、この本がお薦めです。この本を読んでいると、ローマの皇帝になっている人物って、実はとんでもない人が多いということが分かります。それでも、ローマ帝国という国がちゃんと機能していたと言うことに、さらに驚かされます。)

◎『新・ローマ帝国衰亡史』
 南川高志:著 岩波書店 岩波新書 新赤1426
(ローマ帝国については、内陸の動向を見れば良いとのことでした。ローマ帝国は、結局ゲルマン民族との闘いに終始していたという感じになっていましたから、内陸部の動向が最も重要になっていたことは分かりますね。)

◎『ローマから日本が見える』
 塩野七生:著 集英社 集英社文庫
(『ローマ人の物語』のダイジェスト版みたいな本です。読みやすいです。日本という国は、アメリカの真似をして競争社会という物を作ろうとして、どんどんだめになっていると思います。もっとゆっくりでいいんじゃ無いんですかね?) 

2.ユリウス・カエサル

※ローマ帝国は、塩野さんの記述によれば、カエサルが体制を作り上げ、初代ローマ皇帝のオクタヴィアヌスが完成させた国ということです。カエサルが暗殺されなければ、もっと巨大な世界帝国になっていたかもしれませんね。
◎『カエサル!』
 マックス・ガロ:著 小林修:訳 扶桑社 扶桑社セレクト文庫
(ちょっと、タイトルだけ見るとふざけた感じを受けて、たいしたことの無い本と思ったのですが、とんでもなかったです。なかなか、カエサルのことがよく書けている本でした。カエサルは、バイセクシャルだったとのことです。)

◎『ガリア戦記』
 カエサル:著 近山金次:訳 岩波書店 岩波文庫
(読んだのは岩波文庫版ですが、講談社学術文庫版などもあります。古代ローマ時代のガリア地方(フランスのあたり)やゲルマニア(ドイツのあたり)の様子が丹念に書かれています。しかも、ドーバー海峡を越えて、イギリスに偵察に渡ったりしていて、行動力がすごいです。
 ルビコン川を渡った後の事を書いた『内乱記』という本もあるのですがこちらはまだ読んでいません。とにかく、カエサルの筆まめなところに驚かされます。)

3.カルタゴ


◎『カルタゴ興亡史』
 松谷健二:著 中央公論新社 中公文庫
(カルタゴという国は、フェニキュア人が作った国で、ローマ帝国が出来る前に地中海世界を支配していた国ですが、世界史の中では国自体のあまり詳しい話は出てきません。ローマに滅ぼされたけどどんな国だったのだろうと思った人は読んでみてください。ただし、ローマ人もそうなのですが、似たような名前の人がやたらと出てきます。それだけは、覚悟して読んでください。)

4.ポンペイ


◎『ポンペイの滅んだ日 ~ベスビオをめぐるジオドラマ~』
 金子史朗:著 中央公論新社 中公文庫
(ベスビオ火山の噴火によって地図から消え去ってしまった都市であるポンペイの様子が書かれている本です。火山の多い国である日本にとって人ごとでは無いという感じです。さらに、ローマ帝国の水道による鉛汚染についても考察しています。)

※このポンペイに関しては、ヤマザキマリさんととり・みきさんの共著で、『プリニウス』と言う漫画が出ています。新潮社刊です。プリニウスさんは、当時(ネロがローマ皇帝の時代)の大学者で、火山の噴火に巻き込まれて命を失った人です。こちらも読んでみると面白いと思います。

※扉の写真
 計画運休中の東海道新幹線静岡駅の改札口です。ここは、CMで吉高由里子が出てくるシーンで使われたところです。

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