わたしとは

バイオリンの音色を奏でる母と
飛行機を飛ばすことを生業とする父

小学生でなにわ言葉を習得し、
誰も置いて行かないやさしい世界を知った

ぼくは王さまと青い鳥文庫は8才当時の
わたしのバイブルで、本の主人公たちの動向を追う為に漢字検定を受け始めた
彼らの中には不親切にも
ルビを振ってくれていないものもあったから

モネやドガを真似て油絵を描いてみたり
トランポリンで跳ねてみたり
今井美樹を聞いたりテレビ戦士に憧れた

15歳の時に世界で一番夜景の美しい島に引っ越した

活気あふれるその都市はなにわ言葉どころではなく、わたしとまったく違う言語を話した

編入した学校も都市の言語ともわたしとも違う言語を話し、そこではどうやら優等生の意味も違うようだった。
大人しく授業をきいて、テストで100点取るのじゃ褒めてもらえないみたいだ。
うーん、困った。

世界で一番通じるらしいその言語と文化に慣れてきた18歳が半分過ぎた頃、今度はわたしの元の言語に近くて少し遠い街に引っ越し半年だけ過ごした。
初めての私立女子校
前の学校とは違い随分と服装やルールに厳格で、でもテストの点数には厳格ではないみたいだった。
前日に教科書をぱらぱらすれば満点が取れた

色々なとこに住み、色々な文化に触れ、
色々な言葉を話し、いろいろな「教育」という枠があった。

そして知った
この世界はひとつなようで、
生きてる人の分存在する

育った環境、その人自身の性質、受けた教育、話す言語、それぞれが密接に関わりその人の「目線」を作る

大学でその密接な関わりを勉強し、
社会に出てより分かったことがある。

自分と限りなく同じ世界を見ている人を
探すことはとても難しい

だから渇望している

なんでもいい、どんな部分でもいい

同じ目線で世界を見ている人を探すことを

それはいわゆる共通点とは違う
性格が全く違っていても、
好きなものが違っても良い
同じ目線で世界を見るとはそういうことではない

でもそれがどういうことなのかは
簡単にせつめいできない

緻密な作業が必要で

繊細なピースを合わせて、
閃くか閃かないかの瀬戸際で

繊細なピースを再構築するための
ここはそんな場所






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