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#16 私たちがやるべき仕事:レストラン編

前の記事で、「なんてこと・・・」とつぶやいて締めたが、それは、今、振り返ってみて思うことかもしれないな。投稿した後、思った。

当時はもう全世界そんな感じだったので、諦めにも似た仕方無さを感じつつ、そんな状況を理解することに一生懸命だった。

わたしは、数字に弱いので、「事業運営」に関するストレスは夫が全て担った。お菓子工房、そしてレストランをどう運営していくか。今この時、お客様に何を提供するのか。資金調達から何から何まで。

そして、錦織から出された指針に沿って、錦織が陣頭指揮をとり、一同でメニュー開発や新サービスの開発に取り組んだ。

西麻布のレストランに出された指針は、テイクアウトには手を出さない。フレンチで、寿司やうなぎのような、従来から「出前文化」がある料理のクオリティを出そうとするのは大変だ。

その代わり、冷蔵や冷凍でお届けして、お客様に温めてもらったり、盛りつけ直してもらったり、ひと手間が必要だけれど、本格的な美味しいものが食べられるメニューを開発して、ご自宅のお食事のアクセントにしてもらおう。冷凍の場合は店でもお客様のご自宅でもストックできるし無駄が出ない。通販でお届けもできる。

これを「お家でフレンチモンスター=イエモン」と名付け、「魔女の宅急便」のキキみたいなキュートな女の子が、料理をお届けする。そんなイラストのシールをつくって売り出した。

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当時は、「飲食店が大変だ。みんなテイクアウトや通販で応援しよう!」という気運の高まりも後押しになり、かなり多くのお客様にご利用いただいた。

健太郎シェフはトータルで40種類くらいの「イエモンメニュー」を開発してくれたと思う。ご自宅で楽しまれるだけでなく、母の日、父の日のセットなどもリリース。「コロナで会う機会がなくなってしまった実家へ」とたくさんのご注文をいただいた。それには私たちも感激して、パッケージにつけるご挨拶状(画像ご覧ください)、メニュー説明まで、気持ちを込めてお作りした。

ショートMenu pour les maman!


ある日、2階の事務所で仕事をしていたら、「ちょっと下に降りてきて」と声がかかった。なんだろうと思ったら、その日は私の誕生日。健太郎シェフが食べ切れる大きさのミニデコレーションケーキを作ってくれてサプライズ! 息子も駆けつけて、4人で幸せなティータイムを過ごした。

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ビジネスでレストランを利用するお客様は激減してしまったが、特別な日はやっぱりレストランで過ごしたいというお客様のご意向はあるんじゃないか? 早速、お祝いする方のイメージで食べ切りサイズのケーキをお作りする「オートクチュールアニバーサリーバースデープラン」としてPRをしたところ、多くのお客様にご利用いただいた。

フレンチモンスターは健太郎シェフが、前菜からデザートまで、1人で作るので、こういった贅沢な試みも、コロナならでは、だったかもしれない。


コロナで助けられたのは、健太郎シェフの明るさと、素早い行動力。これは本当に最強だった。そんなシェフから、「今度、オンランで料理教室をしたいので、マダム、手伝ってもらえませんか?」と切り出された。フレンチモンスターの定休日は日曜なんだけど、その定休日に開催したいという。

初回は勝手がわからず、カメラワークもめちゃくちゃだし、終わった後は、本当にホッとした。その時に参加してくださった皆さんが「もっとこうしてくれたら分かりやすかった」「作ってみたらレシピが斬新で美味しかった」と叱咤激励してくださり、リピーターとなって企画を盛り上げてくださった。

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休日返上のイベント企画だったが、日曜の午後のひとときを、zoom越しではあるものの、食いしん坊代表!みたいな皆さんとご一緒できたのは本当に楽しかった。特に試食タイム! 私はいつも健太郎シェフの料理が食べれて、役得だった。

コロナがあけたら、ぜひ、リアルシェフに逢いに、フレンチモンスターに遊びにいらしていただきたいなあと、今からとっても楽しみだ。

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タイトルに「私たちがやるべき仕事」って付けたけれど。

その答え合わせはまだ先かな。

今、この時の社会やお客様のニーズをしっかり見つめながら、「今、私たちがやるべきは何か?」。最適解を探し、決めて、挑戦して、やり抜く・・・この繰り返しだったし、今もまだ、その途中だ。

悔しいけれど、コロナのおかげで随分と鍛えられたと感じている。




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