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「ISHI」インタビューその2 雅彦役 串谷ミキヲ

*11月某日、2020年12月配信の映画「ISHI」(監督 山田雅史)の出演者と監督が撮影以来久しぶりに集まりました。その際に収録した出演者と監督へのインタビューを文字起こしした記事になります。作品の核心に触れるかもしれないと判断した部分は伏せ字にしてありますが、それ以外の部分は制作側の判断をもとに掲載しております。

*各出演者と監督へのインタビューにはなりますが、インタビュー会場に全員が集合した状態で収録している都合上、話があちこちに脱線し、半ば座談会のような様相もあります。その和やかな雰囲気をそのまま楽しんでいただきたいと思い可能な限り忠実に文字起こししました。そのためインタビューされた本人以外も話している箇所があります。そのことを踏まえたうえでお楽しみください。

参加者:

山田雅史(「ISHI」脚本・編集・監督)https://twitter.com/yamadamasafumi

たかはしさら(「ISHI」美紗役)https://twitter.com/takasara_23

聞き手:

信國輝彦(「ISHI」企画・脚本・制作・出演)https://twitter.com/freeway_of_life

カメラマン:

吉田電話 https://twitter.com/y_telephone

(聞き手の発話はカギカッコなし、出演者の発話はカギカッコあり、誰が話したかの表記は判りにくい部分のみ記載し、他は記載なしカギカッコのみで記載しております)


聞き手 ~はい。それでは続きましてお二人目の出演者ですね、インタビューを始めたいと思います。宜しくお願いします。

串谷「お願いします」

~まずは自己紹介をお願いします

「はい、串谷ミキヲと申します・・・・・・何を言えばいいんだろう・・・舞台役者をやっています。やっているのかな?(舞台)役者をやりつつ広告関係の会社員として働いています」

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串谷ミキヲ フリー https://twitter.com/gushitani

岐阜県出身

多趣味の人。小劇場観劇がライフワーク。さらにはもっと舞台のことが知りたいと思って下北沢演劇祭が企画した区民参加劇団にて舞台役者デビューを果たす。舞台出演とは別にお笑いコンビ「タービランス」のボケとしても活動中。2020年は小劇場年100観劇、サウナ年100回、ランニング月100㎞という趣味の3冠王を目標に据えている。

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~色んな肩書が、

「そうですね、ここでは説明できないくらい(沢山)」

~はい

「10個、やってることがあります」

たかはし「・・・すごい」

~その中でも(インタビュアーの)僕が面白いなと思うのは、『町中華』

串谷「そうですね。最近ハマってるのは『町中華でオムライスを食べる』という活動を始めまして、『町中華でオムライス。』でインスタで検索していただくと、(アカウントが)出ます」

~オムライス屋さんでオムライス、じゃなくて中華屋で、

「そうです。町中華です。町のおじいちゃんとおばあちゃんがやってるような、昔ながらの中華で、カツ丼とかカレーとかがメニューにある中華ってあるじゃないですか?そこのオムライスを、2週間前から(インスタを)始めて10杯くらい、2日に1杯は食べてインスタに上げるアカウントを始めたんですよ。面白いですよ、外国の方とかがたまに、『いいね!』をくれます」

~(頷く)

「『引き』が、あるんでしょうね。ああいう古い中華屋の建付け?とかネオンとか漢字とかが、多分、『いいね!』ってなるんでしょうかね」

~あの、お店の前にある、何て言うんでしょう、模型、っていうのかな

「そうですね、あれも」

カメラマン吉田電話「食品サンプル」

たかはし「ああー!」

~そう!食品サンプル!

串谷「あれも『引き』ありますね多分」

吉田「日本だけの文化らしいです」

串谷「あ、やっぱり。だと思って撮って(インスタに)上げてますもん。これ外国の方好きなんじゃないかな、って」

~宙に浮いてる、フォークにからまったスパゲティの、宙に浮いてるあの感じとか

たかはし「あれすごいですよね」

~(吉田に)あれ日本独特なんですか?

吉田「そうみたいです」

~はあ・・・(感嘆)

串谷「そう。最近それを、2週間前から始めました。フォロワーまだ24人なんですけど」

~増えていってます?

「ジワジワ増えますねやっぱり。2週間で24人なんで」

~コアなことを突き詰めてる、っていう姿勢が

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「そうです。最近はすごく(意識しています)。広告関係の仕事してるからかもですが、『ニッチの中のニッチ』というものをひとつやってみたかったんですよね。『町中華』っていう、今ある程度流れが来てるニッチな分野の中の、よりニッチなもの、でカレーでも餃子でもラーメンでもないオムライスというニッチの中のニッチで、日本でまだ誰もやっていないものをひとつやってみたくて。で、自分が『続けられる』もの、前から好きだったもの、そう考えたら『町中華のオムライス』が好きだった、なので、(インスタを)やっています。10個目です。この肩書で(笑)」

~そうなんですよ。。残り9個の肩書についてはこのインタビューでは触れないんですけど

たかはし「(笑)」

串谷「そうですね(笑)。話すと長くなっちゃうんで」

~ひとつめの質問をする前のイントロダクションがめちゃ長くなってしまいました。最初の質問いきますね。

~今回の映画「ISHI」に出演することになった経緯を簡単に教えて頂けますか?



「えっと、企画・プロデュースをされてる信國さんと僕、5年前くらいに、信國さんが・・・これ言っていいのかな?信國さんが芸能事務所のマネージャーさん(兼役者さん)をやってた時に仕事を通してお会いしたのが初めてで、そこから僕が毎年下北のアマチュアの舞台に出てたのを信國さんが観に来てくれて、役者としての自分も観てくれてたという流れで」

~だんだん公私ともに交流が出来ていった感じですね

「そうですね、交流が出来てきて、で、多分今回の役が『何考えてるかわかんない男の役』が(笑)、僕にちょっと近かったのかな(笑)と思って、それでオファーいただいたのかなと思ってます」

~何考えてるか判んない人っていう役が、そうです貴方の素に近かったからオファーしましたって言うと何だか申し訳ないですね。その人をそういう風に見てたのか、ってなっちゃいますからね

一同(笑)

~あのーこれねオファーするときって難しいと思うんですよ(隣にいる山田監督に向かって)監督さんもそうだと思うんですけど。その、例えば、人殺しそうな雰囲気してるんでそういう役をお願いしたいんです、みたいな

山田監督「まあ、でもそれも持ち味ですからね」

一同(笑)

山田「あのー、誉めてる」

~そう、誉めてる

山田「一応、誉めてる。『何考えてるかわかんないですね、良い意味で』」

~最後に『良い意味で』って付け足さないと成立しない

山田「付けときゃ大丈夫」

たかはし「(笑)」

~えー、次の質問です。

~今回の作品は「儀式をしている家族の物語」という少し不思議な世界観だと思いますが、脚本を読まれた際の印象と、ご自身の役についてどのように思われたかを教えて頂けますか?

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「そうですね、世界観が抽象的で含みのある作品なんだな、って思いました。具体的な会話劇があるわけでもないですし、そういう作品なんだなと思いましたね。(自身が演じた)雅彦役は、考えれば考えるほど、もともと根が明るいんだけど、心の奥底で何か深いジトっとしたものを持ってるんだけども表面上は基本的に明るい役で。(信國とたかはしさらさんが演じた)父親と娘のある種緊張感のある糸をほぐすというか、そういう役割なのかなと思って立ってました」

~次の質問にいきます。

~ネタバレにならない程度で今回の撮影現場の印象や裏話、印象に残った出来事などを教えて頂けますか?


「僕初めてなんですよ。そもそも映像も初めてですし映画に出るのも初めてで。ですけどいままで仕事で撮影現場には何百回と立ち会っているので、その同じ部分と違う部分を現場で知れたというか、現実で知れたっていうのが個人的にはすごく楽しかったですね。で、印象に残っているのは1泊2日のロケで、2日目の、〇〇のシーンの〇〇〇のシーンがあるんですけど3人の。あれを前日の夜にエチュード(即興で芝居する、の意味)しましょう、っていう。」

たかはし「うんうん」

串谷「あれ、ご飯を食べながらだったのかな」

~そうですね

「夕飯を食べながら、ちょっとエチュード(即興芝居)で会話をほぐしてから次の日のその〇〇のシーンにやりましょう、という感じでやったのが(印象的でした)。僕、ここ2年出た演劇がずっと(稽古で)エチュードやらされる演劇で、エチュードを紡ぐ、みたいな作り方の作品にここ2回出たので」

~エチュードしながらシーンを立ち上げてゆく、という

「シーンを立ち上げていって、それがそのままステージ上にほぼ乗っかってる、という作り方をする作品に出たので、慣れてたというか、その2回の舞台の経験が活きたなと思いながら前日夜のエチュードを楽しんでましたね。それが印象的でした」

~映画でもこういう作り方があるんだ、という発見なのでしょうか。シーンの立ち上げ方としては舞台ではご本人が経験されたようなかたちで本番を迎えられたりしましたが、映画で前日の夜に、あれは何と言えばいいのでしょうか、セリフを語るのではなく、

「空気感を、3人で作るための練習というか準備、という意図、だったのかな」

~出演者のお二人はそれぞれ(インタビュアーの)僕を通して、たかはしさんと僕は5年前に共演しました、串谷さんと僕も偶然ですけど(同じ)5年前に知り合いました。ですけど、串谷さんとたかはしさんとは撮影初日が初めまして、ですよね

たかはし「そうですね、はい」

串谷「そうですね。たかはしさんの演劇は2回観たことはあるんですけど。劇団ハーベスト」

~劇団ハーベスト。・・・そういう、映画って『稽古』っていうものが無いから、(撮影初日に)初めましての人と家族の設定です、と。そういう関係性を立ち上げなければならない

「ほんとそうですね。このあとの質問と同じこと言っちゃうんですけどほんとそうで、稽古が無い分瞬発力が要るというか台本をちゃんと読んで理解する割合を大きくして準備していかないと。舞台ってやっぱ時間かけて積み上げてゆく世界なので自然と(自分が演じる)その役が(稽古を続けてゆくなかで)ある日出来上がる、1か月とか稽古をしていると。その時間が(映画には)まず無い。大変だなと思いました。単純に。大変な世界だなと思いました」

~・・・はい、有難うございます。えー、次の質問です

~お答えできる範囲内で結構なのですが、過去にご実家にいらっしゃった際や現在住まわれているご家庭内においてちょっと変わった決まりごと、ルールのようなものがあれば教えてください


「・・・僕、ほぼ無いな、って(この質問に関する答えを)考えた時に思って、そういうカチッとした家族じゃなかったんだなって思いました」

~(相槌)

「敢えて言うと、『年末年始は家族麻雀を絶対する』」

たかはし「へえー」

串谷「それはもうずっとだったんじゃないかな。5人家族なんで、僕と姉二人と母親父親で、だからひとりだけ外れる。4人麻雀なんで。長女だけが参加してなくて。それは何故かわからないんですけど。僕が小中学生の頃は年末年始は長女だけがふてくされて他のことやってて、残りの次女と僕と両親でずうっと麻雀してました。飯、出てこねえ、みたいな(笑)。(長女に対して)『お前はおせち食ってろ』てなって、残りの四人は麻雀。何時間も」

~あの、小学生の時点で麻雀のルールわかってるのもそれはそれで・・・

「ほんとそれぐらいっすね。家族と絶対やるっていうのは」

~ちなみに何県出身でしたか

「岐阜です」

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~岐阜の、おせち?あの、お雑煮の具とか出汁は何を・・・?

「え、あれは味噌とお吸い物があるんでしたっけ?」

~僕は広島で、両親は二人とも島根なんですけど自分は醤油ベース、味噌じゃないです。醤油ベースで餅と、あとは適当に

「醤油か味噌、でしたっけ?」

~多分。それがエリアによって違ってくるんだと

「母親愛媛で父親大阪で僕地元岐阜なんでぐちゃぐちゃですね(笑)」

たかはし「(笑)」

串谷「(笑)だから一概に何か言えないんですよ。味噌だった気が、、、します」

~(たかはしさんに)(お雑煮は)どうでしたか?

たかはし「えっと私は父が福島で母が埼玉なんですけど、父のお母さん、私のお祖母ちゃんにあたる人が昆布?とかカツオ出汁を使って作ってた気が」

串谷「カツオ。お汁みたいな。出汁的な」

たかはし「カツオだったと思うんですけど」

串谷「全然記憶にない。僕麻雀やり過ぎておせちすら食べてないですから」

一同(笑)

たかはし「そうだ。お吸い物を、『ざくざく』って呼ぶんですよね家では。『ざくざく食べる』っていうとお吸い物を指してました。色んな具材がざくざく入っているから、なのかな」

串谷「たかはし家ルールは全然わかんないな(笑)」

一同(笑)

たかはし「そうなのかな。福島(だとそう呼んでいる)なのかな」

串谷「福島ルールかな」

たかはし「ざくざく、って言ってました」

~ちなみにカメラマンの吉田さんは何県出身ですか

吉田「僕、和歌山県出身です」

たかはし「おー」

吉田「お正月は母方の、大阪の羽曳野(はびきの)市に」

~羽曳野だったんですか

吉田「だから大体、お正月はそこで過ごしてましたけど、羽曳野は、白味噌でした」

たかはし「へー」

串谷「やっぱ味噌なんですね」

たかはし「白味噌、美味しそう」

吉田「白味噌にこう、扇形に薄く切った大根と人参ととろろ昆布と餅」

串谷「餅の形も違う、っていいますよね。丸か四角か」

吉田「大阪は丸い形」

たかはし「四角ですね」

串谷「関西は味噌ベースなんじゃないかな」

~とろろ昆布を言ったときの表情がちょっとイヤそうな感じでしたけど・・・

吉田「いやなんか・・・お正月の間ずうっと食べるじゃないですか、お雑煮。とろろと、白味噌と、餅。・・ずるっずるになるんですよ。それがもう気持ち悪くて」

串谷「(笑)」

吉田「あんま好きじゃないんですよね」

~そればっかり食ってるとね、やっぱり飽きが

吉田「飽きてきちゃう。」

~うーん、まあまあ、子どもながらにはね。。(串谷さんに)麻雀の記憶の方が強いのもそれはそれでアレですけど。どちらかというと食の記憶の方が残るはずなんですけどね・・・この、串谷さんのインタビュー中に喋っている人の会話も(そのまま)載せますからね

一同(笑)

~その方が面白いですからね。次の質問です

~先ほどの質問とは逆に、自分自身で決めたジンクス、いわゆる「自分ルール」といったものはありますか?
~例えば、(インタビュアーの)私でしたら、『横断歩道は白い線しか踏まない』『マンホールのフタは踏まずに避けて歩く』というものがありますが、そういった簡単な、けれどなるべく自分の中で守っているものがあれば教えてください


「これもですね言われて気付くんですけど僕あんまり何かを決めるっていうことをしないように生きてるんですよ。」

~ほお・・・

「むしろそっちのスタンスなんで」

~これ面白いですね

「このエピソードめっちゃひねり出さないと無かったです。無いんです。でも・・・・・敢えて言うと、んーと、僕、おまじない的な発想であるとしたら『競馬』なんです。僕の中では。競馬でやってるのは、元日は絶対競馬に行きます。これはもう15年くらい、元日は川崎競馬がやってるんですけどそこに行くってのはもう15年間、欠かさず。でその元日の最初に食べるものは川崎競馬の『みよし』って店かな、タンメンを食べます。川崎競馬場の中にある、タンメンしか出さないお店があるんですけど、そこで食べるってのは15年間元日に欠かさず」

~年越しそばみたいな感覚なのかも

「そうです。それが何か『願掛け』ですね。絶対やってるのはそれですね。ルーティン」

~何というか・・・面白いですね。作品内の(串谷さんが演じた)『雅彦』はそれこそ何考えてるかわかんない、ですけど家族の中の一員としては成立してるっていう感じなんですけど、何か決めてるものがそんなに無いというのが、

「意識的に無くすように生きていますね」

~(そういう役を)演じる役者さんが、『決める』ということをそんなにしてこなかった。もしかしたら雅彦に通ずるものがあったかもしれないと、今のお話を聞いていて思いました。美紗役を演じたたかはしさんはこういうルールがあります、英彦を演じた私はこういうルールがありますといった感じで他の人にはわかってもらえないルールをけっこうキメキメでやってたりしてたんですけどその対比が面白い

「それでいうと確かにそうですね。他の人に言ったら『?』みたいなルールも自分にとっては大切だし。あともうひとつが、・・・ちょっと下ネタなんですけど、トランクスを年1回買うんですよ。7着。1週間分。で、ポールスミスのアンダーウェアのアウトレットがあるんですよ岐阜に。年1回そこで1年分のパンツを買うっていうのは、絶対です。夏に」

~夏に、アウトレットで

「アウトレットでも¥2,500-くらいするんですよ。高い。ポールスミスだから。それを7着買って、それを1年履く、って決めてます。決めてんのその二つくらいですね」

~元旦に川崎競馬に行ってタンメンを食べる、夏に岐阜のアウトレットで1年分のパンツを7着買う。周りの人からしたら不思議がられるんでしょうね

「それも願掛けです。パンツ、って何か、身に着けるもの、中学校の時に野球の試合に出るときは絶対にこのパンツ履く、っていうのがあったんですよ。願掛けで。それの延長線上なのかもしれないです。下着に何かを馳せる、勝負下着のような」

~有難うございます。えー、次の質問です。先ほどちょっと触れていただいた部分もあると思うんですけど、

~串谷さんは舞台経験が豊富で、映画作品は今回の作品が初出演となるわけですが、今回の撮影を振り返ってみて例えば舞台上でお客様に見られながら舞台上に立つということと、自然に囲まれたロケーションの中で立って演じるということを比べてみると、何か発見ですとか、同じだな、いや全く違うものだな、といった感覚についてはどう思われましたか?

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「はい、先ほど答えた部分と少し被るんですけど、まず、自分がカメラアングルの中でどう映っているかが判らなくて、ずっと不安でした。監督がOKって言ったからOKなんだな、という感じで撮影が進んで、終わった、って感じですね(笑)。逆に僕は仕事柄、逆側に常に立っているので」

~カメラに映る側ではなくカメラに映っている映像を確認する側、カメラのこっち側という意味ですね

「(カメラの)こっち側にいるので、カメラの向こう側に立つのが初めてだったのでそれはそれで新鮮でしたし、むっちゃ不安でした。何が良いのか判らない、という感じでしたね。別世界でしたね」

~(頷く)

「あとは先ほども言いましたが、演劇は『積み重ねる』ので、積み重ねて役が立ち上がるという作り方なのでやはり映像は事前に台本を読んで自分なりに役を理解して。先ほどたかはしさんは『感情の線』て仰ってましたけど、このシーンではこの感情の状態、みたいなことをちゃんと理解して作戦を練ったうえで当日臨まないとダメなんだろうな、と。そういうスキルが問われるんだろうなと。台本の読解力が。それは演劇でも同じですけど」

~今回の作品「ISHI」に於いては、台本には感情についてより詳しく書かれているわけではなかったですよね。『行動』と『会話』だけが書かれてある。それで、例えばたかはしさんが演じた美紗役であれば、〇〇が〇〇〇から耳を塞ぐ、とか、雅彦役でいえば〇を〇〇〇〇〇ときに〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇、では、それに一体何の意味があるんだろうという点については脚本を書いた僕や山田監督もそうなんですけど説明しない。『何を映したいか』というより『何が映っているんだろう?』という部分を、それこそ『?』ハテナマークも含めて描こうとするんですよね。それを演じる側になったときに『これが答えです』という提示をしなければならないという役者の性(さが)というか使命感があるのかもしれないけど、『何が映っているんだろう?』という、〇を〇〇〇〇〇ときに〇〇が〇〇〇〇〇〇〇〇、そういった『考えながら演じる』という行為が今回の撮影だったのではないでしょうか

「そうですね。でも今回の作品が抽象的な世界観だったのであんまり何かバスッと決まっている、ということも無いのかな?と思って、ある種『余白』をすごく意識するみたいな」

~うんうん(頷く)

「そんなイメージで臨んだ気がします。判らないという状態も受け入れて演じる、演じるというより、立つ、みたいな感じになっていましたね」

~大変だと思うんです。『どうやって演じたら良いですか』とか『どこに動いたら良いですか』のような、答えに向かって、答えを教えてくれたら答えを演じます、という関係性や作品て沢山ありますが、今回の作品では『余白』を

「そうですね。そういうモヤッとしたものを表現したいのかな、という理解でしたね」

~有難うございます。・・・それとこれは余談ですけど、広告関係に勤めていらっしゃって撮影現場の流れなどをよくご存じだからこそ、あの、2日目の朝の・・・スモーク(特殊効果)をやってくださっていましたね

「ああ、やっていましたね。でもあれはカメラマンさんが『煽(あお)いで!』って目でこっちを見てたので『わかりました!』つって(笑)」

~あれ、何か奥の方で誰かがパタパタやってるなーって(笑)

「指示頂いたんで(笑)。スモーク的なものをやってくれ、って。探したらちょうど(燃え残りの)炭があった。特殊効果係」

~出演者、兼

「特殊効果係を一時的に(笑)。職業病ですかね。とりあえずやれることやってみるっていう」

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~あ、あと録音の

「『オンリー(音声のみ収録、の意味)どこで録ります?』って最初に言っちゃう、っていうのも、はい(笑)。あれも職業病でしたね。川の流れの音が大きい→車の中で録るんだろうな、ってけっこう早い段階で想像できちゃう」

~現場の流れを数多く見てきてらっしゃるからこその、なんでしょうね。はい。有難うございます。最後になりますが、まだ公開前でしかも完成した作品を出演者である串谷さんにご覧頂けていない状況でこういったお願いをするのは申し訳ないのですが、

~12月配信を心待ちにしている皆さまに向けたメッセージをお願いします


「はい。僕の初映像作品で、監督と出演者とスタッフの皆さんにこういう出演の機会を頂いて本当に有り難いなと思っておりまして、ぜひご期待いただきたいなと、思います」

~はい。

「今回やっぱり(映画出演への)反響がすごい大きくて、自分でTwitterで告知したりとかFacebookでも色んな友達から『いいね』が来る、広告でいうと『エンゲージメント』がすごくて(笑)」

~一同(笑)

「映画に出ます!っていうことへのリアクションが大きかった。映画ってスゲーな、って。『え?ぐっしーほんとに役者になったの?』って(笑)地元の友達からも反響がすごかったんで。映画ってすごいなって単純に思いました。拡がってゆく感じが。多分観てくれるんでしょうねそうやって強く届いた方々には」

ウェブ記事(映画ナタリー)にもね、なりましたし

「そこが演劇とは違う点なのかもしれませんね。劇場に足を運んで頂かないと直接触れて頂けない想いと、映画と。映画ってすごいなと、思いました。はい」

~今回の作品は敢えて映画館での公開ではなく配信であるのはより全国のお客様に観ていただけるようなかたちにしたい、という思いがありそういう形式を取らせていただきました。はい。インタビューはこれで終了したいと思います。本日は有難うございました!


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