まず、おとなが幸せにいてください。
「まず、おとなが幸せにいてください。
おとなが幸せじゃないのに子どもだけ幸せにはなれません。
おとなが幸せでないと、子どもに虐待とか体罰とかが起きます。
条例に¨子どもは愛情と理解をもって育まれる¨とありますが、
まず、家庭や学校、地域の中で、おとなが幸せでいてほしいのです。
子どもはそういう中で、安心して生きることができます。」
【川崎市 子どもの権利条例子ども委員会】
上記のメッセージは、神奈川県川崎市が発行する母子手帳に掲載されているそうです。
2001年、神奈川県川崎市では「子どもの権利条例」が施行されました。
それまで子どもと大人が何度も集まり、話し合いを重ねながら条例策定を目前に控えたある日のこと、子どもたちからおとなへ、このようなメッセージが語られたといいます。
こちらは、先日開催された相模原市男女参画推進センター主催の西野博之氏の講演会の中でのお話しの一部。
ずっとずっと、お会いしてお話を聞きたかった方の講演会でしたので、終始メモを取りながらの拝聴でしたが、
家に帰って来てから、ガビ~ン!
自分の字が全くもって読めない。
ならば記憶が薄れていないうちにと、覚えているところを急いで、箇条書きで起こしました。
その中でも、私が一番印象に残っているお話が、冒頭にもある子どもからおとなへのメッセージでした。
実はこのフリースペースばうむをはじめようと思ったきっかけといいますか、指針となっていたのは、西野さんの「フリースペースたまり場」をはじめとした「子どもたちのための様々な居場所づくり」でした。
数年前に西野さんの著書「居場所のちから~生きているだけでいいんだ~」と出会い、こんなにも子どものことを理解している人がいるんだと感銘をうけたのを覚えています。
よくあるきれいごとを語る方側ではなく、言葉と行動に全く矛盾が感じられない子どもたちの真の味方の大人。
西野さんが「フリースペースたまり場」を作った経緯などを知りたい方は、是非「居場所のちから」を一読していただけたらと思います。
そして、この一冊との出会いが、私が稚拙ながらも「子どもの居場所づくり」をはじめようと思ったきっかけになりました。
到底足元にも及びませんが、今でもばうむの原点である「何もしなくても大歓迎の居場所づくり」という理念は、「フリースペースたまり場」のオマージュでもあります。
「何かをする場所」
それはまさに学校でのカリキュラムと何ら変わりのないことで、それすら放棄できる居場所づくりも大切なのではと考え、日々試行錯誤しております。
西野さんが所長をされている子どもの遊び場「川崎市夢パーク」には、次のようなことが記載されている看板があります。
川崎市子どもの権利に関する条例「第27条」
★「ありのままの自分でいられる場所」
★「休息して自分を取り戻す場所」
★「自由に遊び、活動する場所」
★「安心して、人間関係をつくりあうことができる場所」
川崎市は日本で初めて子どもの権利条例を策定した市であり、また、子どもたちと一緒に作った条例にもとづいて作られた子どもたちの居場所「川崎市夢パーク」があります。
今では全国で「子どもの権利条例」を策定した自治体が50を超え、国としても「子どもの権利」というものの本質を問い直す動きがみられるようになりました。
NHKのドキュメント番組「72時間」からも取材を受けて、放映するたびに(再放送)大反響だそうです。実は、私はまだ一度もその番組を見ることができずにいるのですが、視聴者が選ぶ年間ベスト1にも選ばれたそうです。
こちらの「川崎市夢パーク」には、おなじみプレイパークを中心に、雨の日もOK!屋根付きスポーツエリア「全天候広場″たいよう″」や乳幼児親子さんの優先のお部屋「ゆるり」、バンドや楽器の練習に使える防音スタジオ「スタジオ」、寝そべっても食べ物を持ち込んでもゲームをしても何も注意されない「ごろり」など、たくさんの子ども天国が待っています。
そして、日本でも珍しい公設民営のフリースペース「フリースペースえん」があり、こちらは、生涯学習(社会教育)の視点にたって、学校外で多様に育ち・学ぶ場として全国から多くの子ども達が利用してます。
こちら、相模原市からでも行けない距離ではないので(同じ神奈川県ですし)、もし遊びに行く際は、ケガと汚れを覚悟の上で思いきり遊んで欲しいと思います。
実は相模原市にも、銀河の森プレイパークという素敵な遊び場があります。
こちらも、思いっきり体を動かしたいお子さんには是非オススメです。
我が子も幼少期は、他県ですがプレイパークには大変お世話になりました。
今ではもう、虫が怖いといって逃げ出すくらいですが、当時は平気で触って、私に見せて脅かしたりしていました(笑)
「川崎市夢パーク」のように、ひとつの敷地内で全てがまかなえる居場所づくりというのはなかなか難しいですが、用途に合わせて居場所を選べることはできると思いますので、その時々で好きな居場所で過ごせるような仕組みが相模原市でもいつかできたらいいなぁと思っています。
講演会終了後、友人の采配により西野さんとお話しできる機会があり、今後の居場所づくりについて少しだけ相談させてもらいました。今後に活かせればいいなと思っています。
そして、今回の講演会を拝聴させていただいて感じたこと。
「子どもを労わるとともに、おとなもやはり労わることを止めてはいけない!」
自分に優しくなれないと、他者にも優しくはなれません。
おとなは、子どもの地続きです。
「まず、おとなが幸せにいてください。
おとなが幸せじゃないのに子どもだけ幸せにはなれません。
おとなが幸せでないと、子どもに虐待とか体罰とかが起きます。
条例に¨子どもは愛情と理解をもって育まれる¨とありますが、
まず、家庭や学校、地域の中で、おとなが幸せでいてほしいのです。
子どもはそういう中で、安心して生きることができます。」
【川崎市 子どもの権利条例子ども委員会】
毎月行われている図書館での居場所づくりです。
ゆっくりくつろぎにきてください。
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