Mシェルターの耐風性
耐風性 これはシェルターを作る上で必ず考えなくてはならない問題です。
せっかく引綱無しで立ち上がってもフィールドで風にあおられると簡単に倒れてしまうようでは使えるシェルターとは言えません。
風の影響を少なくするのは設計であり素材ですが、今回耐風性についてシェルターを構成する生地幕についても考えてみました。
生地幕が風をはらむことによって風の抵抗が増すのは想像に難くないと思いますが、この風がはらむ一つの要因は「縫い線」もう一つは「生地の特性」です。
「縫い線」
一つの生地面の中に強い線(縫い線)があるとその線と次の線の間の生地が風を受け止め、風をはらみます。
もしシェルター表面に縫製ラインを作らずに風を受け流す綺麗な幕面を作れれば・・・ 同じ強度を持った柔軟な表面だったなら風を受け流してくれ 風をはらむ可能性は軽減します。
なおかつ縫製が少なければ水の侵入点を減らすことでシーム部分も減らし軽量化にもなります。
さらに縫製物の破断のほとんどが縫製部周辺で起きることから判るように縫製箇所が減れば破断リスクもおさえられます。
そのため通常のテントなら生地を合わせて縫い合わせているところにもMシェルターは縫い目が無いのです。
「生地の特性」
シェルターの生地特性に必要な物。それは柔軟性です。
バックパックなどをスピンネーカー生地で作っているのだからシェルターもスピンネーカーで作れば軽量で強いのではないか? と言うご質問を受けることがあります。 しかしフィールドキャンプ用の幕を作るといった場合必要となる生地特性は柔軟性です。
スピンネーカー生地やキューベンファイバーなどは生地に伸びはほとんどありません。なぜならそれらはヨットの帆のために作られた生地だからです。
レーシングヨットの帆材が求める特性は伸びの無い生地がすばやく風を捉えヨットを早く走らせる事です。
つまり伸びない生地は風をはらませるのに都合がよく急な風の変化に反応してくれるのです。
しかしフィールドキャンプ用の幕ではその反対の特性が必要となります。
風をはらみにくく 風の変化に反応しにくく ショック負荷に持ちこたえる柔軟な生地。
それは従来から使われているナイロン生地ではないでしょうか?
特にシルナイロンは非常に柔軟で強く 軽量でもあります。
FREELIGHTではシルナイロン生地をオリジナルで製造し、
この生地を使ってタープやシェルターを製造しています。