「新型コロナウイルス肺炎の画像」その2

華医学会放射線学会の発表にあった「新型コロナウイルス肺炎の放射学診断」を抜粋してみました。前回の記事は↓↓↓


2)进展期
病变进展时常见有多发新病灶出现。新病灶CT表现与上述早期病灶相似。
原有病变多数病灶范围扩大,病灶内出现大小、程度不等的实变(图16,图17),有结节和晕征、实变病灶内可见空气支气管征。
原有磨玻璃阴影或实变影也可融合或部分吸收,融合后病变范围和形态常发生变化,不完全沿支气管血管束分布(图18,图19,图20)。

2)進行期
・病変の進行と共に多発で新しい病巣が現れる。新しい病巣のCT所見は、初期病巣と類似している。従来病変の多くは病巣範囲が拡大する。
病巣内に大きさと程度が異なるコンソリデーション(consolidation)が現れ(図16、図17)結節とHalo signもある。

図16 図17

图16,17男,44岁。基线(图16)及4d后(图17)肺CT平扫肺窗显示右肺上叶前段病变范围扩大,局部变密实,并可见空气支气管征,支气管血管束增粗図16、17:男性 44歳
胸部CTでは、右肺上葉前区(s3)に病変範囲が拡大し、局所組織が密になる。コンソリデーション傾向があり気管支透亮像も認める。気管支血管束が拡張する。(図16:初日、図17:4日後)

・コンソリデーションした病巣内に、気管支透亮像(air bronchogram)が見られる。従来のすりガラス影やコンソリデーションも融合する。またこれらは、一部吸収することがある。
融合後の病変範囲及び形態は常に変化するが、完全に気管支血管束に沿って分布することはない。(図18、図19、図20)

図18-20

图18~20 男,46岁。基线(图18)CT平扫显示两肺多发淡薄的磨玻璃阴影,左下肺有结节,周围有晕征,病变位于胸膜下。2d后(图19)及7d后(图20)CT平扫显示病变范围不断扩大,出现新病灶,右下肺实变阴影内有支气管充气征

図18~20:男性 46歳初日(図18)の胸部CTでは、両肺に多発的薄いすりガラス影が見られ、左下肺に結節を認め周囲にHalo signを呈する。
2日後(図19)と7日後(図20)の胸部CTでは、右下肺に新しい病巣を伴う病変の拡大を示し、コンソリデーション内に気管支透亮像が見られる。

(3)重症期
病变进一步进展,双肺弥漫性实变,密度不均,其内空气支气管征与支气管扩张,非实变区可呈斑片状磨玻璃阴影表现,双肺大部分受累时呈"白肺"表现(图21),叶间胸膜和双侧胸膜常见增厚,并少量胸腔积液,呈游离积液或局部包裹表现。

(3)重症期
・病変がさらに進行し、両肺にびまん性コンソリデーション、密度不均一
コンソリデーションの中に、気管支透亮像や気管支拡張が見られる。
コンソリデーションでない域では、斑状のすりガラス影として現れることがある。両肺のほとんどが「白い肺」となり(図21)、葉間胸膜と両側胸膜の肥厚がよく見られ、少量の胸水(free effusionあるいはencapsulated pleural effusion)を伴う。

図21

图21 男,60岁。CT平扫肺窗显示双肺大部分呈网格状磨玻璃影,背侧明显且部分密实,类"白肺"表现,可见空气支气管征

図21:男性 60歳
胸部CTでは、両肺のほとんどが格子状のすりガラス影で、背側は特に顕著でしかも一部組織が緊密「白い肺」として表現できる。また気管支透亮像もある。


keyword:コンソリデーション(consolidation)って?

CTでは濃度の高い浸潤像を表現するのに用いられる用語。背景の血管や気管支壁が不明瞭化し肺実質の吸収値が上昇して病変を示す陰影となる。個人的な経験からだと突発性気質化性肺炎(COP) にも多く見かけます。

独りごと:発熱や咳が出る人は、胸部CT検査を受けておいても良いのかもしれませんね。

※これは中国で発表された内容なので、転用等しないでください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?