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『高尾症候群』


【本書について】

■専門的志向をもった知的営為としての文学はまだ成立以前の段階にあるという見方をとり、一方では、なぜそのような段階に留まっているのか(あるいは陥っているのか)を素描しながら、また一方では、文学の本質的要素とは何か、知的探求としての文学の方法論とはどのようなものかという概要を示す(ただし主として創作文学の話に限る)。

■上記の対比に加えて、虚構の創作についても、大衆的または通俗的な創作(つまり常に多数派である創作文化)とはどのようなものなのかを素描しながら、それとは対極の、異端的または尖鋭的な創作(つまり常に少数派である創作文化)とはどのようなものかという概観、および後者の探求の方向性を示す。

■これらを本文においては、今世紀初頭からのインターネットの普及、メディア環境の変化による影響なども交えながら、個人的な思索の年代記のような、随筆の形式で記す。さらに注釈においては、本文を補完する情報を提示したり、様々な考察や分析を加えたり、余談を述べたりする(ただし本文と注釈はともに20万字程度であり、必ずしも主と副の関係ではなく、少なくない部分において、むしろ注釈の方に重きが置かれている)。

■書籍内に文献一覧は設けていないので、以下のPDFファイルを参照。

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