ピダハン族はなぜ色の名前を持たず、数や数え方を持たず、複雑な構文を持たないのか? PART2-1

 PART1では、ピダハン族の人々とゲルストマン症候群患者との類似性を指摘した。ピダハン族には数詞も計数も計算も、手指の精緻な表現も左右の概念も欠けているようだが、それに似てゲルストマン症候群の場合、数的概念や数的操作・手指認知・左右識別能力などに障害が生じる。つまり大ざっぱに言えば、ピダハン族の認知的特徴は「ゲルストマン症候群のような」側面を持っている。とはいえ、この「ような」という表現には、ピダハン族はまさにゲルストマン症候群そのものではないという意味のみならず、もう少し別のニュアンスもある。というのも、ゲルストマン症候群なるものが果たして存在するのかどうか、長らく論争が続いてきた歴史があり、その存在自体が確固たるものではないからだ。


ゲルストマン症候群は存在するのか?

 この症候群を最初に定義したヨーゼフ・ゲルストマンは、四徴の中でも特に手指失認に重きを置き、1940年発表の最初の英語論文(それ以前はドイツ語で書いていた)において、(1)手指失認は身体図式スキーマの中で最も損なわれやすい領域の局所的障害、患者自身および他人の身体に関する認知と定位の障害であり、それが(2)手指によって何かを握ったり指差したりする際の左右選択の困難、(3)手指の高度な統合が必要とされる書字の困難、さらには(4)指の区別と関連する指数えや指算に由来する算術の困難という、一連の障害を生じさせると考えた*97つまり四徴は機能的に関連しており、それらの根底には手指失認を引き起こす身体図式スキーマの局所的障害があり、それによって統一的な説明が可能という立場を取った。

 だがやがて、それに対して異議が唱えられるようになった。代表的な批判者はアメリカの神経心理学者アーサー・ベントンであり、1961年の論文において、ゲルストマン症候群は必ずしも四徴がすべて揃った症例ばかりではないこと、多くの場合、それ以外の多様な障害も伴うこと、障害の検査法や判断基準に体系性がないことを指摘した上で、みずから100人の脳障害患者を調査分析した*98その結果、ゲルストマン症候群の四徴を構成する各要素が相互に、併発する他の障害(構成失行・失読・視覚性記憶障害)の各要素に比べて、統計的に密接な関連性を持っているわけではないこと、さらに四徴だけで他の障害は伴わない純粋なゲルストマン症候群を呈した患者は一人もいなかったことから、四徴は同時に併発する多くの障害の組み合わせの中のひとつにすぎず、ゲルストマン症候群なる臨床単位は偏向した観察の産物、すなわち「虚構」であると主張した。
 
 別の研究者たちも1964年の論文において、過去に神経心理学的検査を受けた患者456人の結果から、四徴のうち一つ以上を有する111人をふるい分け、一つの徴候・二つの徴候・三つの徴候・四つの徴候を有する患者ごとに仕分けをして、詳細な分析を行った*99その結果、やはり純粋なゲルストマン症候群を呈した患者は一人もおらず、四徴のうち保有する要素が増えるほど、脳の損傷が大きく激しく、ひいては他の障害も重篤に併発しており、従って、四徴がそれだけ分離されたかたちで発現することはないと主張した。さらに四徴をすべて兼ね備えている場合、その病変は左半球に偏り、また角回を含むことが多かったものの、その範囲を超えてより大きく広がっており、左角回が病変に侵されているにもかかわらず、四徴を一つも発症していない患者もごく少数ながら存在したことから、左角回に限局した病変はゲルストマン症候群の十分条件ではない可能性も示唆された。以上はベントンの主張を強く支持した。

 その他では1966年、ベントンの見解を踏襲したうえで、ゲルストマン症候群とされる症例の多くには共通して、失語症と有意に相関があるという分析に基づき、手指失認ではなく、(明確に現れないこともある)潜在性の失語症こそが、ゲルストマン症候群の根底にある機能障害だと主張する研究も発表された*100だがそれ以前、手指失認の研究に関連して、失語症を伴わない(指の名前は言えるが空間的な識別や定位ができない)ゲルストマン症候群も報告されており*56それと同様に1974年、失語症を伴わない症例を報告した研究者たちは、失語症がゲルストマン症候群に伴うことが多いのは、おそらくほとんどの患者の病変が言語機能を侵すほど大きいからであり、それが四徴を説明する根本的な機能障害とは言えないとして異議を唱えた*101とはいえこの頃までは、そのようにして論争と解釈が繰り返されながらも、基本的にはベントンを先鋒とした否定派の主張、すなわちゲルストマン症候群なる臨床単位は作り上げられたものにすぎないという見解の方が影響力を持っていたようだ。
 
 ところが1980年代に入って、純粋なゲルストマン症候群の症例が二つ報告された。ひとつは左角回上部を中心とした局所病変(隣接する縁上回の上部と上頭頂小葉の後下部も含む)により、失語症などの他の障害を伴わずに、急性期に四徴のみを呈した*102もうひとつは左頭頂葉の脳血管障害により、急性期に四徴のみの著しい障害を呈した後、病変を拡大させる大発作が起こり、その影響で失語症と構成失行が後発した*103さらにその二症例のすぐ後、難治性てんかん患者を対象として、四週間にわたって外側溝(シルヴィウス溝)後部領域の様々な部位を繰り返し電気刺激した研究(どの部分を外科的に切除・温存するか決める検査の一環)において、左角回と左縁上回との移行部を刺激したところ、一過性のゲルストマン症候群四徴が誘発されたという報告があり(単一の刺激ですべてが生じたわけではなく、連続する小区画のあちこちを刺激するたびに、生じる障害が重なったり異なったりした)、その近辺を刺激すると一過性の失読や構成失行までもが生じた*104加えて1990年にも同様に、金属棒による貫通性の頭部外傷の後、やはり左角回を中心とした局所病変(隣接する縁上回の上部と上頭頂小葉の下部にも及ぶ)により、ほぼ純粋なゲルストマン症候群(わずかな視覚性記憶障害・構成失行も認められた)が報告された*105これらを受けて、否定派の代表格だったベントンも純粋なゲルストマン症候群の存在を支持せざるをえなくなり、その報告が非常に稀なのは、自然に発生する脳病変のほとんどは広範に及び、より大きな症状複合体を生じさせるからであり、病変の局所性はCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像法)の登場のおかげで限定されたとして、四徴の根底に単一の基本的欠損があることには疑問を呈しながらも、ゲルストマン症候群の臨床的意義を認めた*1061997年にも同様に、純粋なゲルストマン症候群が報告されたが、その患者は手指のみならず足指にも失認があり、手足を問わない指失認がひとつの要素である可能性が示唆された*107

 だが1990年代から、CTやMRIを用いた構造的神経画像法に加えて、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)に代表される機能的神経画像法の時代に入り、より詳細な分析が一般的になるにつれて、ゲルストマン症候群は神経解剖学的・神経生理学的に細かく解体されていく。

 まずH.P.という純粋なゲルストマン症候群患者の研究(1999年)において、MRIを用いて三次元座標を構成する手法により、その病変部位が分析された結果、大脳皮質外側に位置する左角回ではなく、その左角回の下前部深くに位置する皮質下領域に、限局性の虚血性病変が認められた*108この病変は前方では上側頭回の尾側限界に及び、上方では上頭頂小葉へ向かって皮質下拡張があり、左角回から上頭頂領域への連合線維、さらに対側(右半球)の同所への交連線維を遮断していた。つまり左角回の皮質下に限局した小病変があり、それによる同側の頭頂内断絶、さらに左右の頭頂間断絶(脳卒中から3年後には交連線維の断絶に対応する脳梁の萎縮が認められた)によって、ゲルストマン症候群の四徴が生じていることが示唆された(ちなみにH.P.にも足指の失認があった)。

 次いで2003年、「数覚」という言葉を広めたことで著名なフランスの認知神経科学者スタニスラス・ドゥアンヌ、神経学者ローラン・コーエンを含むグループは、頭頂葉における数的処理についての論文の中で、アカルキュリアに関連して、ゲルストマン症候群の四徴は(角回の上方に位置する)頭頂間溝の、近接する四つの活性化領域の障害によるもので、それらはいずれも、中大脳動脈の分岐である角回動脈によって一緒くたに血液を灌流されているゆえに、そこが損傷された場合、まとめて障害が併発しやすいと指摘した*109つまり四徴の根底に単一の機能障害などはなく、それらは解剖学的に動脈を共有しているだけで、機能的には互いに分離可能であり、頭頂葉の包括的な空間的・感覚運動的機能による緩やかな繋がりしかないと主張した。その根拠となったのが、ドゥアンヌらがその前年に発表したfMRI研究であり、被験者に様々な課題を行わせて、課題間の頭頂葉の活性化を比較したところ、計算・言語処理(おそらく失書を含む)・指の認知と運動・高次の空間参照(おそらく左右の理解を含む)に関与する各小領域がそれぞれ別々に、頭頂間溝前部に並んでいることが示された*110

 2009年には健常者5人を被験者として、ゲルストマン症候群の四徴と機能的に関連する課題を行わせながら、大脳皮質の活性化パターン、それに対応する白質路(異なる領域の神経細胞を相互に連結する神経線維束の経路)を分析する研究が行われた*111まず最初に高性能な構造的・機能的神経画像法を用いて、(1)計算・左右識別・手指認知・書字の四つの課題を実施、さらに対照条件として、(2)それらの課題に似ているが四徴の特異性を含まない簡単な課題も実施して、それぞれの皮質の活性化を比較することにより、ゲルストマン四徴に対応する機能領域を特定した。その結果、やはり頭頂皮質の四つの機能領域に活性化の一貫した重複は見られず、それらは機能的に分離されていることが示唆された。次にそれらのデータを元に、拡散テンソル画像法(水分子の拡散が神経組織の構造に依存する性質を利用して、仮想的に神経線維を描出する手法)を用いて、四つの機能領域それぞれと繋がった皮質下の白質路を調べた。するとすべての被験者の頭頂皮質下において、四領域と繋がったそれぞれの白質路が合流・交差している箇所が見つかり、その「ホットスポット」の損傷こそが、ゲルストマン症候群を引き起こすことが示唆された。その「ホットスポット」は1999年に報告された患者H.P.の皮質下病変の位置と酷似しており、ゲルストマン症候群の四徴には機能的共通性はなく、それらは構造的共通性によって引き起こされる障害であるという見解を補強した。加えてその「ホットスポット」に病変が生じた結果をシミュレートしたところ、その断線効果の大半は頭頂間溝前部に及び(これは上段のドゥアンヌらの研究結果と一致しており、この2009年の研究にもドゥアンヌは名を連ねている)、隣接する他の頭頂領域も影響を受けた。その一方、病変箇所を隣接する別の箇所に変位してシミュレートすると、関連する断線のパターンは驚くほど異なるものとなり、たとえ皮質下病変であっても、純粋なゲルストマン症候群を生じさせる損傷箇所は非常に限定されていることも示唆された。

 上段の研究を行ったイタリアの神経心理学者エレナ・ルスコーニらは翌2010年、それまでの論争と研究を振り返る論文を書き、皮質下白質路の局所病変に起因する、隣接しているが同一ではない頭頂領域の限局性断絶こそが、ゲルストマン症候群を説明する最も有力な仮説だとした*112ルスコーニは2018年にもゲルストマン症候群の歴史を詳細に記述しながら、同様の見解を仮の結論としている*113

 この見解は近年のゲルストマン症候群の報告でも裏付けられており、左視床の出血により左角回領域に局所的な脳血流の低下(皮質下の視床から頭頂葉への投射線維の損傷が示唆される)が認められた症例*114角回から頭頂間溝の下を通り中心後回(一次体性感覚野)の把持領域(手指の運動に関する領域)へと投射される皮質下白質路の損傷が示唆された症例*115やはり角回と上頭頂小葉などを繋ぐ頭頂内皮質下白質路の損傷があり、それに加えて、前頭葉と頭頂葉を長距離接続する連合線維路の損傷も示唆された症例などがある*116この長距離連合線維は上縦束と呼ばれるが、島皮質を含む左下前頭回(前頭葉の左下部の脳回)に病変が生じた結果、おそらくその影響によって上縦束で繋がれた先の、左頭頂領域にも低灌流(血流低下)が起こり、ゲルストマン症候群を呈した症例も報告されており、そのように損傷領域の影響が離れた領域にまで及び、そこに障害を引き起こすことをディアスキシス(遠隔機能障害)という*117これは左角回近傍の皮質下病変に限られず、離れた領域の病変によっても、ゲルストマン症候群が引き起こされる場合があることの説明になる。実際に他にも、中大脳動脈の脳卒中によって一過性のゲルストマン症候群を呈した症例もあり*118これは前述したドゥアンヌら2003年の、中大脳動脈の分岐である角回動脈によって、四徴に相関する領域が一緒くたに血液を灌流されているという指摘と符合する。


本当に機能的共通性はないのか?

 とはいえ、構造的に損傷部位を共有しているだけで機能的には分離しているという、四徴に共通する基本的機能を否定する見解に対して、異を唱える立場も存在する。

 前出の純粋なゲルストマン症候群患者H.P.の研究において、スイスの神経心理学者ユージーン・メイヤーらは、各種検査を行った結果、H.P.には知能障害や書字以外の言語障害はなく、図形模写や立体物の組み立てに関する構成失行も見られなかったが、ゲスルトマン四徴とその他の検査において、総じて視空間的なイメージの統合や変換、とりわけ心的回転に関する困難が認められたことから、心的な視空間イメージの操作障害こそが、ゲルストマン症候群に共通する因子であると主張した*108
①H.P.は手指認知の検査において、手指の知識(ヒッチハイクで立てる指・結婚指輪をはめる指・各指の長短など)は無事であり、手が視界内に見える条件の課題(自分の手や手形図の、命じられた指を指したり、指された指の名前を答えたりする)では誤りを犯さず、固有感覚課題(各指が所定の形になるブロックを握った後、その感覚をたよりに、四つのブロックから同じ形のものを選ぶ)でも完全な成績を収めた。だがその一方、自分の手が仕切りなどで隠されて視界外にあり、手指の心的イメージを思い浮かべる必要がある課題では多数の誤りを犯した(自分の両手が見えない状態のまま、特定の指を指したり、触られた指の名前を答えたり、触られた指を指したり、触られた2本の指の間の指の数を答えたり、対面する検査者が上げた指と同じ指を上げたりする)。この障害は足の指でも同様に見受けられた。
②H.P.は左右識別の検査において、自分の身体や人体図の、右または左の耳・目・頬・肩・膝・足などを命じられるままに指すという課題に挑んだが、その際、認知処理過程が増え、心的イメージの保持や操作が必要になるほど、誤りを犯す傾向があった(簡単な順に、左右どちらかの自分の身体部位を指すだけという単純な課題、その際に左右どちらの手を用いて指すかという命令が加わった二重課題、それらに加えて目隠しをさせられる三重課題、あるいは自分と向き合う人体図の左右部位を指す心的回転課題など)。H.P.の誤答率は複雑な課題でも三割を下回る程度だったが、対照群の健常な被験者はすべての課題において全問正答しており、障害がなければ非常に容易なものだった。
③H.P.は書字能力の検査において、文章を書く際に小文字のb・p・d・qの上下を逆転させてしまう誤りを頻繁に犯した(たとえばbはpになり、dはqになる)。b・p・d・qを書く際、まるで図形を書くように、まず丸を書いてから、そこに縦線を付け足した。b・p・d・qという文字を視覚的に見て模写することはできたが、それを見ないで口述筆記することはできなかった。さらに長い単語を書く場合、その途中や最後を省略した。また筆記が遅く、子供のように字を書いた。これらはb・p・d・qに限定された視覚イメージの損傷、および筆順や筆運びに関する運動イメージの欠陥を呈していると解釈された。
④H.P.は数的能力の検査において、計数と数的操作に困難を示した。数を数えるのが非常に遅く、指を使わなければ数えられなかった。123,456,789といったふうに、三つずつ区切って数えることは指を使っても不可能だった。数詞(たとえばfour)を耳で聞いて理解したり、アルファベットの数詞を読み書きしたりすることはできたが、アラビア数字(たとえば4)を読んだり、口頭で指示されたアラビア数字を書いたり、数詞とアラビア数字を相互に変換したりすることには欠陥があった。計算式を書くことはできても、それを解くことはできず、答えの推定もできなかった。数詞にせよアラビア数字にせよ、数量の比較に失敗した。さらに絵に描かれた物体の、大きさや重さの推定にも失敗した(椅子の隣に描かれた植物がどれくらいの大きさか質問されても、それを推定できない)。だがその一方、バスの乗客の通常の数などは答えることができた。以上はおそらく、非言語的なアラビア数字システムの障害、および数量の心的な空間的表現の欠陥であり、それゆえに言語的・自動的な知識(アルファベットの数詞・計算式の書き方・バスの乗客の通常の数)は無事である一方、数量に関する推論に困難が生じて、数える際に指などの視覚的補助が必要になったり、視覚情報から抽象的な量を推定することができなくなったりするのかもしれないという推測がなされた。
⑤H.P.は追加で行われた心的回転課題において、画面上に現れる0度・50度・100度・150度に回転した英数字またはその鏡文字を見て、それが正しい向きの英数字なのか鏡文字なのかを判断しなければならなかった。その成績は回転角度が大きくなるほど低くなり、やはり心的な視空間イメージ操作に障害があることが示唆された。
⑥H.P.は解剖学的データから、後頭葉から頭頂葉に至る背側視覚経路の一部、下頭頂小葉後方の7a野に損傷があり、そこが心的回転などの、心的イメージ操作に関与している可能性も示唆された。

 さらにH.P.の後、2004年に報告された純粋なゲルストマン症候群患者E.K.の症例においても、心的回転などを伴う心的イメージの操作障害こそが、四徴の主要な認知的特徴であるという見解が主張された*119
①E.K.は手指認知の検査において、自分の手が見えない条件下でも、自分の指に限定された認識の場合、わずかな誤りを見せただけだったが、対面する検査者が動かした指に対応する自分の指を(自分の手が見えない状態のまま)示すことには著しい障害を見せた。これは心的回転の障害を示唆する。
②E.K.は左右識別の検査において、自分の身体の左右については、ほぼ正しく識別できたが、対面する検査者の身体の左右の識別には、単純命令(私の右肩に触れてください)でも、交差命令(あなたの右手で私の右肩に触れてください)でも、著しい障害を見せた。その一方、検査者が背を向けた条件(身体が同じ向きなので、そのまま左右を重ねられる条件)では、多少の誤りしか見せなかった。これも心的回転の障害を示唆する。
③E.K.は書字能力の検査において、アルファベットやアラビア数字をしばしば左右または上下に反転させて書いた(これはb・p・d・qに限定されたH.P.とは違って、Gや3など、対応する反転文字がない場合にも起こり、また5の場合などは、左右反転文字と上下反転文字、さらにはその両方の反転を合わせた文字の三種類が出現したりもした)。自分でも「これは変だ」と気づくこともあったが、口頭で文字や数字の形を説明させてみると、その際も反転した形を説明することが多かった。爪楊枝で文字や数字を形成する課題でも同様の誤りを犯した。しかし文字と数字に関する意味と表記法の知識は保たれていた。たとえば視界外で指の動きを誘導されて綴られた文字を答えたり、口頭で(形ではなく)筆運びを述べたりすることはできた。しかし小文字を書くこと、大文字を小文字に変換することができなかった。また画面上に表示された英数字が、水平軸または垂直軸に沿って、±90度または±180度回転しているかどうかを判断する課題に困難を示した。以上は文字や数字の、心的に表現された視空間的特徴を長期記憶から取り出す際の欠陥か、それを書くための運動手順を実行する際の方向性のエラーか、いずれかの可能性がある。
④E.K.は数的能力の検査において、数字の理解には問題なく、大きな数を百の単位と十の単位に分解することもできた。価格・距離・重さ・数量の比較や見積もりにも支障はなく、数直線の両方向に向かって数の増減を数えることもできた。掛け算表を正しく暗唱する能力も保たれており、単純な足し算・引き算もできた。しかし繰り上がりや繰り下がりを伴う足し算・引き算では誤りが多く、加えて割り算がまったくできなかった。繰り上がりや繰り下がりの困難はおそらく、心的な空間的操作の障害を示唆しており、割り算の不能はより複雑な要因かもしれないが、心的な数の構成表現における空間的特性の障害という可能性がある。
⑤E.K.は心的回転を伴う認知検査でも著しい障害が認められた。画面に表示された様々なポーズを取る手の画像を見て、それが右手か左手かを判断する課題(正答率33%)、画面に表示された大文字の向きが回転しているかどうかを判断する課題(正答率42%)、二つの絵図のどちらが最小の回転数で標的の絵図と一致するかを選択する課題(正答率60%)など。他にも、スイスの主要都市を地図上に正しく配置することはできたものの、180度回転させた地図上にそれらの都市を正しく配置することはできなかったりした。
⑥E.K.は脳卒中により左角回、および一次運動野と体性感覚連合野(ブロードマン脳地図の4野と5野)に虚血性病変があった。角回を含む頭頂連合野は空間的関係の符号化、視覚的注意の割り当て、あらゆる心的回転に伴う感覚と運動関連反応の統合を担っている可能性がある。

 上記二例と同じ頃、日本で報告されたゲルストマン症候群の症例とその分析においても、同様の見解を主張するものがある*120 *121この症例の場合、病変は左角回を中心として、その前方の縁上回・下方の中側頭回後部・上方の上頭頂小葉に及び、ゲルストマン四徴のほか、五十音の順番の想起・単語の類似性判断・辞典を引くなどの機能に障害があった。また言語性・非言語性を問わず、視覚的に認知可能な対象に関する課題は成績良好である一方、視覚的なイメージの想起およびその心的操作を要する課題に障害が認められた(一部が欠けた絵のその欠落部分を選択肢から答える課題、視界に入らない事物に関する内容の記述、記憶から動物を描画したり動物の特徴を口述したりする課題、色や事物のイメージ想起を必要とする課題、家までの地図や自宅の間取りを描画する課題など)。これらは「ある系列の中での対象の順番や配置・相互関係を理解する機能の障害」「視覚的記憶から、特に部分に関する詳細なイメージを起こして操作することの障害」と分析されており*120ゲルストマン症候群の背景には、空間関係情報を使って心的イメージを形成する処理の障害、心的イメージの操作障害があることが示唆された。

 また2020年にも類似の、左頭頂葉損傷に起因する心的イメージ障害の二症例が日本で報告されている*122ただしこの二症例は不完全型のゲルストマン症候群、すなわち四徴のうち二つか三つしか障害を呈していないものであり、心的イメージと関連した障害の方により焦点が当てられている。

 まず一つ目の症例では、脳出血により左角回から中側頭回後部にかけてを中心とした頭頂-側頭-後頭接合部に病変があり、ゲルストマン四徴のうち三つ、アカルキュリア・失書・左右識別障害を呈した。ただし(1)アカルキュリアは主に繰り下がりを伴う引き算の暗算困難(書けば解けるが、患者曰く「頭の中で数字の残像を保持したり、積み上げたりすることが難しい」)、3桁以上の数字列の視覚イメージの保持困難(「電話番号を見てダイアルする際に、3桁以上となると読み上げないと番号が頭から消える」)という症状であり、(2)失書はゲルストマン症候群に多く見受けられる失行性失書ではなく、漢字のイメージ想起の障害(特に複雑な漢字が想起できない)によるもの、(3)左右識別障害は心的回転を伴う場合だけで(自分自身および自分と同じ向きの他者の左右識別は可能)、太極拳の指導者が自分と向き合っている場合、その特殊な姿勢や動作を真似しようとしても、左右を逆さまにして、鏡像のようになってしまったりした。

 次に二つ目の症例では、中枢神経系悪性リンパ腫に起因して左上頭頂小葉から角回にかけて病変があり、アカルキュリア・失書、そして構成失行のほか、五十音順・数字の昇順・料理の手順・電車の乗り継ぎの想起困難という症状を呈した。(1)アカルキュリアはやはり繰り下がりを伴う暗算に困難があり、さらに数的空間における位置関係の把握の困難(「何年生まれとか何歳差とか言われても、想像ができない」「約束するときに『3時間後』と言われても分からない」「時計が読みにくい」など)、(2)失書については漢字のイメージ想起にも困難があったが、それに加えて、書字緩慢や筆順の誤りといった失行性失書も認められた(「漢字のイメージは出ても次の線を縦に書くのか横に書くのか分からない」)。(3)料理の手順や電車の乗り継ぎに関しては、全体の流れや順序が分からなくなり、実際の行動のみならず、それらのイメージを叙述させた場合でも困難を呈した。

 以上の二症例を報告した著者は、一つ目の症例の漢字・数字・太極拳の姿勢に関する障害も、二つ目の症例の五十音順・数字の昇順・料理手順・電車乗り継ぎに関する障害も、いずれも人間の作り出した概念レベルの空間において心的イメージを保持・想起・操作することの困難であり、とりわけ二つ目の症例に見られる障害は、その概念空間において、複数の対象の相互位置関係を同時に認知することの困難であるとした。その推測の根拠として、(1)右頭頂葉損傷の場合、外空間に関する具体的な視空間イメージ障害(紙幣の人物画の位置や封筒に切手を貼る位置がイメージできない)、あるいは外空間に存在する複数の対象物を同時に知覚できない同時失認という障害が生じたりすること、(2)ソ連の神経心理学者アレクサンドル・ルリヤがかつて左頭頂葉の角回損傷により象徴的(準空間的)統合機能障害が生じると述べていたことを挙げて、左頭頂葉損傷の場合、右頭頂葉損傷の外空間に関する視空間イメージ障害や同時失認に相当するものが、概念レベルの空間において生じる可能性があるとした。つまり頭の中の心的な空間において、数や文字などの概念、抽象化された身体や行動などのイメージを想起しながら、それらの向きや配置や順序などを保持したり操作したりする能力に障害があるのかもしれない。

 この左右の機能的類比に基づく見方は、ゲルストマン症候群に立ち戻っても、なかなか示唆に富んでいる。前出の1964年の研究では、ゲルストマン四徴のうち一つ以上を有する患者111人を分析した結果、その数が一つや二つのみの場合、右半球損傷の割合もそれなりに高かったが、その数が三つや四つに増え、完全型のゲルストマン症候群に近づくにつれて、左半球損傷が大半になり、損傷領域も角回を含む傾向があった*99また純粋なゲルストマン症候群患者H.P.の研究では、頭頂葉病変に起因して、左側の頭頂内断絶のみならず、左右両側の頭頂間断絶も示唆されていた*108これらはゲルストマン症候群が主として左頭頂葉の機能不全によるものであったとしても、その障害には右頭頂葉も関与している可能性、ひいては左右両側の機能的類似や協同がその前提にある可能性を示唆している。

 前述のH.P.やE.K.、そして日本でも報告されたこれらの症例は、それぞれ症状や病変部位の構成要素は微妙に異なるものの、いずれも心的イメージに関する障害を共通基盤とする見方を提示している。しかしながら、この見方はゲルストマン症候群に関する論争史の終盤で触れたドゥアンヌら、ルスコーニらの研究の結論、すなわち四つの障害は損傷した動脈や白質路を構造的に共有しているだけで、機能的には分離可能という主張とは相容れないように思われる。とはいえ、ドゥアンヌらは「頭頂葉の包括的な空間的・感覚運動的機能による緩やかな繋繋がり」があることは認めており*109 *110たとえ細かくは分離可能であっても、その「緩やかな繋がり」の度合いによっては、機能レベルで重なり合うところもあるのかもしれない。

 実際に2022年には、ゲルストマン症候群の共通基盤を示唆する研究が新たに報告されている*123これは健常者を調査対象としながらも、(前出のドゥアンヌら、ルスコーニらのような)少数を被験者とした実験ではなく、機械学習も活用したデータ駆動型の研究となっており、厳選された過去の102の課題ベースのfMRI研究、51のヒト・コネクトーム・プロジェクト(アメリカ国立衛生研究所による脳の構造的・機能的連結性を調査するための大規模な神経画像データ収集)のデータベースを材料として、計算・書字・手指認知・左右識別の四機能に対応する活性化領域のメタ分析、それら各領域に関連する神経構造の連結性の分析を行った。その結果、各機能に関わる大規模な前頭-頭頂ネットワーク、四機能それぞれで部分的に活性化の重なりがあるゲルストマン症候群のコア領域が推定された。さらにそれらコア領域同士はおそらく、頭頂葉内の多くの短距離白質路を介して連結されており、その頭頂内線維は前頭-頭頂-後頭領域を双方向に結ぶ長距離連合線維束(上縦束)の一部である可能性が高かった。推定されたゲルストマン・コア領域はいずれも左半球の、頭頂間溝(後頭頂皮質を上下に分ける溝で、角回と縁上回の上方に位置する)のAIP野(前頭頂間溝野)とMIP野(内側頭頂間溝野)、および上頭頂小葉の下前部に位置する7PC野(ブロードマン脳地図7野の中心後領域で、AIP野のすぐ上に位置する)の三つからなり、これは患者H.P.の、角回から上頭頂小葉へ向かう連合線維を遮断する皮質下病変という所見とも重なる。また左半球の言語系に依存する書字以外の、計算・手指認知・左右識別は右半球にも目立った活性化領域があり、計算および左右識別は右半球の関与も大きかった。機能面に関しては、AIP野は物体の認識・処理・把持、および視空間処理、MIP野は腕の調整と空間内の物体操作に関与するものと推測されており、双方ともに多重要求ネットワーク(Multiple-Demand Network; MDN)に属している。また7PC野は視覚・体性感覚の処理、空間における視覚運動行動の誘導と実行、そして想像に関与するものと推測されており、背側注意ネットワーク(Dorsal Attention Network; DAN)に属している。これらコア領域は算術・指の精緻な表現・左右の定位・手書きに関連する複雑な処理において重要な役割を担っていることも示唆されており、以上の分析結果から、ゲルストマン症候群に関わる認知機能の、障害の基盤となる皮質領域はおそらく頭頂間溝の前内側近傍であり、とりわけ左半球の7PC野は四機能に共通して活性化の重なりが認められることから、それらすべてに関与している可能性が示された。とはいえ、これらコア領域は頭頂内ネットワーク、およびそれと動的に相互作用して高次機能を遂行する多数の大規模神経ネットワークにおいて位置付けられるものであり、もちろん単独でその機能を担っているわけではない。

 上記の7PC野は視空間運動と想像、それも自己身体を含む心的回転などに関与していることが示唆されており(文献123の補足資料およびその参考文献*124–*127、これはゲルストマン症候群に共通する機能的基盤として心的イメージを指摘する主張と整合的ではある。とはいえ上述のとおり、あくまでネットワークを構成する一部であり(もちろんネットワークというのも図式的比喩でしかないが)、その機能がどこかに厳密に局在しているわけでもない。そこでここからは、大まかな機能領域とその相互接続という見方に基づき、ゲルストマン症候群において生じる障害に対応する各種脳機能、それらとピダハン族の認知的特徴との類比について再び概観する。その際、重要なのは7PC野・AIP野・MIP野などを含む頭頂間溝近傍が、その前方に位置する体性感覚野および運動野、その後方に位置する視覚処理を担う後頭葉、その下方に位置する聴覚や意味処理を担う側頭葉に囲まれており、それら他領域と連携しながら、多感覚統合という役割を果たしているという点だろう*128


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※文献96以前は前回参照。

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