見出し画像

My Lifetime Important Albums #3 Magic Sam / West Side Soul (1967)

Facebookでかつてのバンドメンバーより「自分の人生に影響を与えたアルバムを10枚あげる」というバトンの指名をもらい書いてみたのだが、なかなか面白かったのでnoteに残しておこうと決めました。
音楽を語るのって楽しい。

音楽評論家でもないので、アルバムに関する基本情報や詳細は記載しません。あくまでもファンとして自分はこうして出会った、こういう風に聴いてきた、ここが好き、という目線で書いています。
では始めていきたいと思います。

Magic Sam / West Side Soul (1967) 

ストーンズやビートルズ、クリームにジミヘン、ZEPにどっぷりハマった高校生の僕は、彼らの伝記本やレコードガイドブックなどを夢中で読むようになった。1960年代という、自分が生まれる前からロックンロールしている彼らがどういう活動をしてきたか、またどんな音楽に影響を受けてきたのか知りたくなったのだ。
そして、気が付いたことは、彼らはみんな、口を揃えて「ロックンロールやブルースに夢中だった」とブルースの影響を語っていた。
特にストーンズやエリック・クラプトン、ZEPのジミー・ペイジあたりはブルースへの敬愛が強く感じられたしジミヘンも「Red House」なんていうモロにブルースな曲も演奏していてかっこよかったのだ。

色々とロックのレコードを教えてくれた友人は、マディ・ウォーターズやロバート・ジョンソンのレコードも聴かせてくれた。
古臭いモノラルの録音だったけど、ロックの原点があるように感じて、次第に聴くようになった。今思えば、そのあたりからブルースに入ったのは正解だったかもしれない。
それからは、競い合うようにブルースを掘り下げて聴くようになっていった。

岐阜のレコード屋には、ブルースのレコードはごく僅かしか置いてなく、最初に買ったブルースのアルバムがジョン・リー・フッカーの「Boogie Chillen」というレコードだった。
イラストで描かれたジョン・リーの古臭い感じがんいかにも歌えそうな雰囲気で、中身なんてもちろんわからないままに購入した。
家に帰って聴いたら、唸り声みたいな曲ばかりで面食らったが、これもまたブルースなんだと思い聴き続け、やがて好きになった。
そうやっていろいろなブルースを聴くようになったなかで、とびきりかっこよく感じたのがMagic Samだった。
ブルースのディスクガイドでも名盤との評価だったし、ジャケもかっこよくて、一発で虜になった。聴いてぶっ飛ぶカッコよさといったら。
それまで聴いたチェスレコードの面々や、カントリーブルース系とも違う、勢いというかソウルを感じたのだ。
そう、ブルースはよく言われるように本来は歌の音楽。
その点でマジック・サムは歌も伸びやかな声でかっこよく、当時の新世代ブルースマンだったんだろうなと感じた。
このアルバム自体1967年というタイミングで発売されており、ロックやソウルミュージックの台頭の中でブルースの新しい姿を提示しようとする意図があったと思う。
サムは1969年に亡くなってしまい、不世出のブルースマンとなってしまったが、もし彼が長生きしていたら、ブルースはまた違う形になっていたのかもしれない。

数あるブルースアルバムの中でも今でも一番よく聴く、愛聴盤だ。
このアルバムのジャケが最高にかっこよくて、大学生になる時バイトをして同じエピフォンの赤いセミアコを買った。
サムのリヴィエラモデルではなく、カジノだったけど。

サムの映像は数少ないが、この映像が抜群にかっこいい。
自分のじゃないギター(アール・フッカーのだ!)だけどお構いなしに弾きまくる姿、最高!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?