どうしても越えられない
小学校からの友達から久しぶりに連絡が入った。
5人のグループLINEで、近々集まらないか、と。
1人の子は予定がある、と言っていたがそれ以外の2人、誘った子を入れて3人は予定がない様子。
私の予定も空いている。仕事も休みだ。
少し考えた後、
空いてるけどまだ微妙だから、またわかったら言う!
と送信。
なぜ返事を迷ったのか。
答えは1つだった。
彼女がいることを言ってない、会ったらきっと、言わなきゃいけない。
友達にも、彼女にも、本当に申し訳ないなと思った。
私はまだ、同性と付き合っていることを堂々と、普通に言えない。
どう思われるか怖い。何を聞かれるかも怖い。
私はもともと、周りからどう見られているのか、ものすごく気にしてしまう性格だ。
正直まだ、人前で手を繋ぐことにも慣れてない。
自分なりの覚悟をもって付き合うことを決めたはずなのに。
自分が情けない。
きっと友達は驚くだろうが否定はしてこないと思う。小学校来の仲間だ、大体リアクションは予想できる。
それでも、躊躇いの心は生まれてしまうのだ。
カミングアウトという言葉がなくなるくらい普通のことになればいい、とよく聞くけど、確かにそれはとても素敵なことだと思うけど、それが実現するのはまだまだ先の話だと思う。
だって当事者ですら話すことをこれだけ躊躇ってしまっているのだから。
これを彼女にもし話したら。
絶対に否定はされないし、そうだよね、と言ってくれる。
けど心の奥底で、1ミリは悲しむと思う。
彼女を悲しませたくはないし、きっと私が勇気を出せば、友達も受け入れくれて、なんの問題もない話なんだと思う。
けれどその勇気が、今の私にとってはまだ、跳び箱10段くらいのハードルなのだ。
飛び越えられそう、だけど怖い。
一体いつまで私はこうして躊躇うのだろう。
友達や親族全員に言えたら、すっきりするのだろうか。それとも職場の人にも?
言わなくてもいいことはわかってる。けど、彼氏は?とか結婚は?とか、そういう話をされる度に心がキュッと締め付けられる。
ああ、もはや彼女と2人だけの世界線に行きたいとか、現実逃避し始めてしまった。
さて、どうLINEを送ろうか。
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