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「生命は海の中の渦」 〜チームラボ 猪子寿之さんの話

こんにちわ、Kaloです。


先日、こんな記事を書いたのですけれど

最近ずっと、人は「動的平衡」そのもの「川」そのものっていうことを
考えていたら、今日たまたま見たYouTubeで、

「わーーーっっっっっ!」と。
ヤバい!!!出会っちゃいました。

チームラボの猪子寿之さん。
久々に、このシリーズ 更新です。



ーーーー
さて、チームラボってご存知の方も多いと思うのですが、世界中で体験型アートの空間を創っているアーティスト集団です。
東京では、現在は豊洲で開催されています。



私は何年前だろう?お台場で初めて開催された時か、豊洲の時か?
インスタだったかネットだったかで映像で観て、「行きたい〜!」と
思いつつ友人を誘ったのですが、その時は行けなくて。
昨年もお台場の「ボーダレス」に誘われたものの「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の翌日だったので、なんとなくパスして行かなくて。
(で、結局、未だ行けていないのですけれど。)

そして何年か前にチームラボのテレビのドキュメンタリーなんかも見ていたにもかかわらず、猪子さんの存在は、その時にはあまり認知していなくて。

こうしてずっと私の世界の中では、まるで予告編のように、猪子さんの存在がチラホラ影を落としていたんですが(笑)
昨日、突如、現れました!!!(顕在化!)

もう話していることがいちいち、頷けて、刺さりまくってしまったので
2本の動画から、私が刺さった部分をピックアップしてご紹介します。

元動画は、この記事の最後に貼っておきます。
猪子さんが話しているその空気感もとても素敵なのと、
他にも面白いお話をされていますので、ぜひ観てくださいませ。




【認知】

人は見ている世界を認知していると思っているけれど
実際は認知している世界だけを見ている
よく言われることかもしれないけれど
認知上、存在すれば、それは存在する。
実際存在しても
認知上、存在しなければ存在しない。

実際会っても、ホントに認知上知らなければ
もしくは認知上存在しなければ、見えてないのね。
例えばある作品を見て、それが認知上存在したならば
突如ね、そこから見えてくるものが増える
んだね。
(中略)
人間みんなが思ってるより
認知している世界しか見ていないから
逆に認知している世界が増えれば
見えている世界は増えるし、行動も変わる。


よく話が合わなかったりするじゃん
論理的に詰めて話を合わせようとしたりしている人たち
いっぱいいるけど、多分それ無駄で。
だって認知している世界が違うから。

認知している世界が違うと
見えている世界も違うし。
行動も変わるし。
だから認知している世界が広がることが
人間にとってはすごい重要
なんじゃないかなと思っているのね。

PIVOT【チームラボはなぜ世界で大人気なのか:猪子寿之】


【見えている世界の変化】

たとえば、この空間を写真のように見えているつもりでいるね。
でもそれはもしかしたらルネッサンス以後かもしれなくて
実際人類の歴史の中で、写真のような絵を描くことは
ルネッサンス前には存在していなくて。
つまり写真のように空間を把握したことは人類はなかった。

じゃああれはなんで出来たかっていうと、ちょっと前に
ピンホールカメラが発明されたのね。
ピンホールカメラっていうのは(中略)
壁に映るプロジェクションみたいな(現象できない)写真みたいな。
あれをトレースしただけかもしれなくて。

ピンホールカメラの発明があって
ルネッサンスの遠近法みたいな絵が始まるんだけど
それはトレースしただけかもしれなくて。

つまり見えてたわけではなくてピンホールカメラをトレースして、
その絵を「見る」と。まぁ、今でいう写真を「見る」。
それを見ることによって、今みたいに写真や動画を見るみたいに
空間を把握する認知の世界が増えた。

そのおかげでそういうふうにも見えるようになって
そういうふうに見えるようになったら
トレースしなくても描けるようになるし
だんだん描けるようになると、
もしくはトレースを繰り返すようになると
一点透視法みたいな論理構造が整理されて
論理構造が整理されると
誰でもさらにそういうふうに描けるし見えるようになる。
それで今のように客観的な空間把握が、
よりできるようになったかもしれなくて
それによって世界を客観的に見えるようになったとも言える。

PIVOT【チームラボはなぜ世界で大人気なのか:猪子寿之】


【境界】

レンズで空間を切り取ると画面の向こう側に空間が広がるね
画面っていうのは境界面だ。
で、自分っていうのは境界のこっち側になる。

境界ができるんだけれども。
つまり、見えている世界に自分がいなくなる。
(中略)
世界を客観的に捉えるような認知をするように世界がなって、
科学的「観測」とか、「観察」みたいなさ
自分がいない世界に対する現象の再現性を深められるようになった。
とも言えるし、逆に言うと見えている世界に自分がいなくなる。
視点が固定されるから肉体を失う
肉体のない状態で世界を見ることになる
身体性を失う

映画館に椅子があるのは
レンズで切り取っているから
なんだよね
家のテレビの前にソファがあるのはレンズで切り取った世界を見ているから
映像で切り取った世界を見ると身体を失うからソファに座らざるを得ない。

山に行って紅葉を見に行って
感動的な紅葉を止まって観ている人いないよね。
実は身体的に観ているよね。つまり動的に観ているね。

(中略)
認知の仕方によって強制的に身体を失い、
(テレビの前では)強制的にソファに座るんだよね。

あとはどんどんマニアックになるけど
フォーカスがすごく狭いのである種の催眠状態になるね。
ある種の催眠状態になるから意志を失うね。

言い過ぎかもしれないけれど
スターがテレビに出ているわけではなくて
レンズの向こうの人がスターになる。
強力的な催眠状態になるね。

フォーカスが狭い、で、フォーカスの中を動いているから
認知の仕方が強制的にそうさせるんだよね
昔から催眠状態にさせる時にコインを揺らすでしょ
あれはフォーカスを狭める方法だよね。
人間は動物だから、止まっているものに
フォーカスを止められない(観続けられない)んだよね
だから動いて狭いもの。ライターの炎だったりコインだったり。

でもレンズっていうのはフォーカスがめちゃくちゃ狭くて
テレビはその中で動画だから動き続けるじゃん。
だからすごい強力な、炎やコインよりはるかに強い催眠誘導だよね。
(スマホも含めて)レンズっていうのがそういう
認知上の特徴があるんだね、
自分が居る世界と観ている世界との間に境界を生み、
身体を失い、意志を失うっていう。


(中略)

認知の仕方が変わることによって
人の行動はそのくらい変わる
って言いたかったんだよね。

PIVOT【チームラボはなぜ世界で大人気なのか:猪子寿之】


【アートとは何か】

人類はある時、絵を描き始めたんだよね、不思議だよね。
一般的には言語を先に喋り出したんだよね。

言語って、何かよくわからないこの世界を、
グジャグジャした世界を、何か….  切り取っていく行為だよね。
ある種の脳が発達していって、抽象度が上がって
何か共通の項目を切り取ってこれは共通的にリンゴだと。
脳の抽象度が上がって、分解して、理解する行為。

脳の抽象度が上がったから言語が喋れるようになった
んだ
と思うんだよね。

絵が描けるようになったのは、さらに脳の抽象度が上がって
この世界を切り取らないまま理解する行為
ただ、何も抽象化しなければ
複雑すぎて情報量多すぎて何もわからない。
関係性があるものを関係したまま抽象化して理解する行為。

言語は切り取っていく行為だから、
本来関係しあって出来上がっているものに対して切り取る行為だね。
例えば子供が「お母さん」って言い出すね。
この世界から「お母さん」だけを切り取る行為。

子供がその後、お母さんの絵を描けるようになるね。
そうすると、往々にして家があり、空があり、太陽があったり
するわけだね。お母さんの絵の中に。
お母さんと家は関係しあっていて、連続しあっていて…..

本当の世界….
特にわかりやすく
(言うと)
生命は、何も独立できていないの。
独立して存在するものはない。


言語化しちゃうと、境界がないものに対して
境界を無理やり創って認識するね。切り取って。
でもアートというのは関係しあっていることを
関係しあったまま理解するっていう行為
なんだなと思って。

それが多分、原初のアートの始まり。
人間がなぜ言語以外に絵を描き始めたか、みたいな話。

アートを観るというのは
複雑に関係しあっていることをなんとか抽象化して理解する
…まぁ手段?!

言語化、論理化をし続けると世界を切り刻み過ぎてしまうので
切り刻まず世界が捉えられたり
そんな大袈裟なことじゃなくても
連続していることそのものが美しいみたいな体験を
作れたら良いなと思っている。

PIVOT【チームラボはなぜ世界で大人気なのか:猪子寿之】


【生きる意味】

人はより意味を求めるようになると思う
意味があるものに対して感動する

じゃあ意味があるってなんだよって話 よくわかんないよね

でも人は何かに意味を感じて何かを選択していく
意味なんかないんだけど(笑)
意味を感じられないと生きていけないんだろうね、人間は
だから生きている意味を見出したいんだね

で、
何か、一見よくわからないようなもの
何か…でも….すごい積み上がってて
あり得ないぐらい積み上がって出来上がっていることだけはわかるけど
っていう…
よく意味がわからないもの、でもすごい積み上がっているもの
そういうものに意味を感じちゃうんだよね


何年か前にハニ族の棚田を見にいったんだけど
1500~600年くらい棚田を作り続けていて
あまりにも大きくなり過ぎて
5万人ぐらいがそこの棚田で生きているのかな
棚田から全てが連続しちゃってるわけじゃん。
どういうふうにこの生態系がなりたっているのか、
もう意味がわからなすぎるわけ。
意味がわからな過ぎて何か意味があるように感じるんだね

逆にわかるものって、意味があるように思えないんだろうね

人間も何かに意味を見出して
それを生涯かけてその意味を積み上げた時に
まぁ、意味がわからないけれど感動するんだね。多分ね。

PIVOT【チームラボはなぜ世界で大人気なのか:猪子寿之】

【知の共有】

文明は「知の発見」と「知の共有」によってできてきたから
「知は確実」だよね。

(中略)


文明とは何か?とかさ
森とは何か?とかさ
そういう方が興味があるね。
そういうことの方が汎用的なんじゃないかと思う。

…豊かな森ってあるわけだよね。
森はどういうふうにできているのか、とか…
それは何か普遍性が高いような気がする。
みんななんか、
そんなに普遍性がないようなことに
夢中になり過ぎている。

って思うんだけどね…

PIVOT【世界で勝つための組織論・経営論】


【ピース】(同期現象)

(チームラボ「秩序はなくともピースは成り立つ」という
無数のホログラムが踊っている作品の話から)

引き込み現象とか同期現象とかってあって
各々の周期が勝手に合っていくと
全体で大きな秩序形成が生まれる 
みたいな話なんだけど

それは生物にも起こるし
宇宙でも起こる

それは一体なんなんだろう?というのに異常に興味があって

そもそもなんで人は踊るのか?
どの文明もどの文化圏も
もう文明あろうがなかろうが人は踊っている
それはもう単純な同期現象かもしれないね

同期現象っていうのは何か?というと
結果的に大きな秩序構造ができる 
みたいな。
意図しようがしまいが。

秩序構造が定常する状態。

PIVOT【世界で勝つための組織論・経営論】


【生命】

人間は自分で自分の構造を持っていると勘違いしているけれど…

わかりやすく言うと
石ころっていうのは自分で構造を持っているね。
だから密閉された箱に入れても、石ころのままじゃん。

人間の生命は実は自分で構造を持っていなくて
密閉された箱に入れると、まぁ、1週間もしないうちに死に
1ヶ月もせずにもしかしたらドロドロになっているよね。
だからこの形すら維持できない、1ヶ月後には。
そうとう構造を持ってないね

じゃあ「生命」とは何かって言うと
多分、海の中にある渦と一緒で
渦の構造は何が作っているかって言うと
流れが作っている
連続する流れの中に秩序が生まれて
定常しているのが渦。


多分、生命もそうで、実際さ
我々は流れの中にだけ定常している

食っているから生きていると思うじゃん。
それは嘘で、試しに後でお尻の穴にコンクリート詰めてあげるからさ(笑
すぐ死ぬよ
つまり食っているから生きているわけじゃなくて
流れの中にいるから生きている。

つまり流れの中にできた、流れが作った奇跡的な秩序の…
エネルギーの秩序みたいなものが高くなっている状態が
定常している状態が、多分生命で。

(中略)
つまり奇跡的な「現象」なんだと思うんだよね。

だから今までの人類とは違って
構造がある何かを作るんじゃなくて
何か流れを生む特殊な環境を作り
特異な環境が現象を生み
その現象が定常した時に、それは存在だと思う。

なんか、そういうものを作りたいなって思いはじめて

今まで石ころ(構造のあるもの)ばっかり作っていた。
構造のない環境が、構造を持つ現象を生んで
現象が定常して「それが存在」。
みたいなものを作りたいと思って。

それが、ある種の流れが特異な構造を生んだり….
すごい高いレベルで同期した時に
秩序構造ができたりするようなもの。
そういった存在を作りたい
なって思って。

(中略)
「生命」は奇跡的な現象が定常している状態のもの。

PIVOT【世界で勝つための組織論・経営論】



ーーーー

後書き(余談)

この記事は「認知の拡大」であり「知の共有」です w

「じゃあ「生命」とは何かって言うと多分、海の中にある渦と一緒で」
「我々は流れの中にだけ定常している」って猪子さんが話しているところで、わぁ〜!!!と盛り上がってしまいました。(笑)


ちなみに、私、「チームラボ」って、イベントの名前だと思っていたのですが(苦笑)アーティスト名だったのですよね。
今や、名だたるシリコンバレーの著名な方々が
彼らの作品をコレクションされていたりするそうなんですが。
私は作品もそうですが、こうしたチーム名(というか会社名)が、アーティストになっていることに、すごく今の時代の新しさを感じました。

私は、実は20代の頃はずっとアートギャラリーに勤めていまして。
当時、うちのギャラリーでマーク・コスタビの作品を扱うことになって、ニューヨークのコスタビのアトリエへ出張で行ったのですが、
彼のアトリエでは、何人もの弟子というのか、彼以外の若者たちが作品を描いていることにびっくりして。
当時は、「え。本人が描いてないなんて、これはアートじゃない。」って思ったんですよね。コスタビは、工場生産的なアートを「新しい形」として取り入れていて、まぁ、まさに会社組織でアートを描く。っていうことなんですけれど。

そして、それはそれ以降に出てきた村上隆さんも、同じように会社を作って組織的に作品制作をしているのですよね。
でも、私的にはめちゃくちゃ違和感があって。
村上さんが世界的に有名になってからあと、ちょろちょろ風の噂で入ってきていた業界の情報では、村上さんのところからまた人が逃げた。とか、過酷な労働の惨状だとか...。まぁ…イイ話は当時はあまり聞いていなかったです。
もちろん普通の会社とはまったく違いますし、村上さんのアトリエに入社した若者たちは、きっと村上さんに憧れて入ったのでしょうし、同じようなことは有名デザイナーや有名カメラマンの事務所でも、多かれ少なかれあって、半分理解していたのですが。でも違和感はずっとあったんですよね。

その違和感がなんだったのかは、
この「チームラボ」という名前の話を別の動画でちらって見て、
ああ。と納得しました。

マーク・コスタビや、村上隆さんは「個人名」でアーティストとしてやっていて、その会社(アトリエ)で働く人たちは、ピラミッド構造の中にいるんですよね。
労働の搾取と言ったら、言い過ぎなのかもしれませんけれど、
地位も名誉も代表である個人にいくわけで。
それはもちろん、アーティスト本人の目線からしたら、自分の発想であり自分から生まれたもので、それを作り上げる「作業」を社員にやらせているという感覚だから、当たり前なのですけれど。

なんか、形が ▲(三角形)なんです。

でも猪子さんは「たとえば、うちのチームが以前NHKの大河ドラマの映像を作った時にクレジットに会社名はダメですって言われたんですよね。
実際、世界中の大掛かりなアーティストの作品は、もちろんみんな大勢の人が関わって創っていますよ。
でもうちは「チームラボ」がアーティスト名だし。
そもそも、みんなで創っているのに個人名って、僕はな〜んかピンと来なかったんですよね〜」というようなことをサラッと言っていて。

これって。なんか形が○(マル)なんですよね〜。

この差は、もちろん時代性もあるのだと思います。
▲のピラミッド構造が普通の時代でしたから。

でもいまだこうしたピラミッドは続いている世界の中で
本当に、優しく言うとしたら(笑)
まさに、認知の違いなのかもしれないなぁ。と。
自分や生命や生きること。
そういうことに、どんな認識を持っているか、
どういう視点で世界を見ているか。でもあるのだと思います。

そういうところも含めて、素敵だな。と思いました。



とはいえ、チームラボ、未体験の私ですけれど(笑)
アブダビで開催されるチームラボを体験したーーーい。です。


元動画はこちらです
(動画のタイトルが中身と乖離している気もしますが(笑))




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