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2,機会費用について

自由時間が1時間あれば何をする?

もし今、自由時間が1時間できたとすれば、どちらを行いますか?

A:1時間運動する
B:1時間昼寝する





これは心理テストでもなんでもありません。
正解か不正解かもありません。

ただどちらかの答えを選んだ人は「機会費用」というものが発生しました。
「機会費用を払った」と言い換えたほうがしっくりくるかもしれません。

一体どういうことなのでしょうか・・・?



機会費用ってなに?

言葉で説明すると
「何かを選んだ際に、犠牲になったりできなかった別のものです」

例を挙げた方がわかりやすいと思います。

先ほどの質問に対して
Aを選んだ方は、
1時間の昼寝を犠牲にして、1時間の運動をしました。

言い換えると
私は1時間所有している

昼寝をするというコストを払った

見返りとして1時間の運動ができた
という考え方です。

できなかったことが「機会費用」です。

犠牲にした行動=できなかったこと=コスト と考えるんですね。

ちなみに会計の世界では機会費用というコストは企業の財務諸表上には表すことができません。
(収益、費用、利益はお金の金額だけが記載されます。)

経済学上では、金額では表しきれないものも、"コスト"と表現します。


トレードオフの関係

上記の「運動」と「昼寝」はトレードオフの関係にあるとも言えます。

トレードオフの関係とは
「何かを得ると、別の何かを得られない関係」のことです。

例えば
仕事 vs プライベート
最新技術 vs 伝統
配偶者 vs 愛人A vs 愛人B 

一対一でなくても表現できます。

ちなみに真逆の言葉は「両立です」



機会費用の考え方を広げてみる

上記では機会費用を人間1人の1時間の行動範囲で考えてみました。

人数や期間を広げて考えてみたらどうでしょうか。

会社や企業、大人数の団体が1週間動くのと
出せる結果、影響、機会費用の規模・スケールが変わります。

ある企業は事業戦略を変えて
古い商品の製造をやめて(機会費用)
新製品の開発に取り組むかもしれません。


今度は人ではなくお金で考えてみます。

1万円が手元にあって、1年間自由に使えます。

1年間預金に使うと、利子がつきます。
しかし1万円分のショッピングはできなくなります。(機会費用)
さらには1万円分、金融商品への投資もできなくなります。(機会費用)

まさにトレードオフの関係ですね。

そのように考えると、例えば
100万貸し付けて、1年後に100万返してもらう・・・だと損に思えないでしょうか?

お金を貸す側(銀行、消費者金融)は先ほどのような機会費用を払ってまで、消費者にお金を貸している状態です。
見返りがなければ、自分でうまくお金を使いたいと考えます。
だから貸すときは金利という利子をつけているんですね。

ちなみに金利の段階には5段くらいの考え方がありますが、長くなるので別の記事で解説します。


少し話が脱線しました。

機会費用は、基本的に人間の行動に関する議論ですが、考え方自体はお金(通貨)やモノにも、当てはめて考えると新たな発見があります。


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