航空整備士の仕事(ライン整備士)

航空整備士のうち、空港で機体の側で働いている整備士は、
一般に「ライン整備士」と呼ばれます。

彼らが何をしているのかというと
メインは点検業務を行なっています。
そして不具合が発見されると、修復業務も行います。

飛行機は1日1回飛んで終わりというわけではなく、
到着して少し休憩したら次の目的地へ飛んでいく
といった具合に、連続して使われています。

国内線であれば1時間未満、
国際線であれば1時間〜数時間の休憩時間があります。

その休憩時間のうちにライン整備士は
①点検業務と
②不具合の修理を行なっています。



空港の展望デッキからスポットにいる飛行機を眺めていると、
ヘルメットを被り、カバーオール(つなぎ服)を着用した人が、
飛行機の周りを歩いています。

その人が整備士です。
そして飛行機の周りを歩いているタイミングというのは、
外板や胴体に傷がないか等を点検している真っ最中です。

夜にはフラッシュライト(懐中電灯)で照らしながら点検しているので、
明かりを追えば飛行機のどのようなところを見ているのか、
展望デッキからも分かります。

点検業務は何も外回りだけではありません。
コックピットに入って、飛行機のさまざまなシステムの点検をします。

搭乗ゲートも窓ガラスから、コックピットで整備士がいるのが見えたら、
それは点検業務をしているか、整備事務所から離れて仕事をサボっているかの二択になります。



②の不具合修復作業は内容は様々です。
・CAから客室の不具合を報告された時
・パイロットから前便フライト中の不具合を報告された時
・点検中に不具合を見つけてしまった時

そのようなタイミングで修復作業に移ります。
難しいのが不具合の対処の判断能力です。

次便出発時刻までに、定められた点検と不具合の対処を全て完了させなければならないため、
「これは自分で5分で直せる」
「これは1時間かかるから次回に持ち越す」
「これは直さなければ飛ばせないから、支援を呼んで直す」
といった具合に、瞬時に適切な判断を下さなければなりません。


以上のような点検や修理を次便の出発時間の45分前には終わらせ、
15分でパイロット,CAへの飛行機の状態の説明、燃料搭載の確認を行い、
30分前には飛行機から降りて地上で待機します。

基本的に整備が全て完了した状態で搭乗するよう決められているため、
以上のようなタイムスケジュールで動かなければ間に合わないのです。

1時間未満のトランジット(便間)で複数の不具合が発生した時に、
いかに過酷な状況になるのか、想像もしたくありませんよね。

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