謝らなかった父が謝ってくれるようになって嬉しかった話

僕の父は昔気質というか、家事とか子育てとかをほとんどしない男です。現代で言えば離婚案件レベルで家事をしない父なんですが、今現在も離婚はせずに母と老後の生活を送っています。とは言っても、僕は父のことは好きだし、友達が多いとことかコミュニケーション能力が高いとことか「父のいいところだな」って思ってます。

でも、父って「謝んない人間」なんですよね。父が悪いのに「ごめん」とか言ってくれないんですよね。息子である僕に謝るのが恥ずかしい気持ちがあるのか、もしくはそもそも謝るレベルのことじゃないと思ってるのか分からないのですが、記憶を辿っても謝ってくれたことってとても少ないような気がします。

それで、去年のことなんですけど、僕が近所の方から夏みかんを頂いて、その話を父とラインでしたんです。

その話の中で父が「夏みかん食べたら種を送って」って言ったんで、僕は数日後に種を郵送しました。(ちなみに僕は東京在住で父は福島在住)

ところが送ってから数日たっても父から「届いた」って連絡がなかったので、父に「届いた?」ってラインしました。父からは「土にまいたので来年身がなるかも」という返事のみ。僕は「いや、そうじゃくて、届いたら『届いた』って連絡してよ」と言おうかと思ったのですが、責める口調は良くないと思い、「ふーん。届いたら連絡欲しいよ(絵文字)」と送ったんですね。まあこのラインみたら「あ、ごめん」とか「送ってくれてありがとう」とか言ってくれるはずと思ってました。

ところが既読スルー。僕は「おい、ちょっと返事くらいしろよ」と思いました。そこから父に連絡するのが嫌になり数か月連絡しませんでした。(普段は月に数回はラインをする)

それから三か月くらい経って、どうしても父にラインする必要がでてしまい、ラインしました。それで、その用件が済んでから、父に僕の気持ちをどうしても伝えたくて、思い切って気持ちをラインしてみました。(長いですが、ほぼ全文引用します)

ところでさ、6月に夏みかんの種送ってから、ずっとラインしてなかったのには理由があって、ちょっと真面目な話で長くなるけど書くよ。俺は6月のラインで「届いたら連絡欲しいよ」って書いてると思うんだけど、俺はそのとき、出来ればお父さんから「ありがとう」もしくは「連絡おくれてごめんね」って言葉が欲しかった。もちろんこれは些細なことだし、小さいことなんだけど、俺は少し傷ついたし、悲しい気持ちになってた。だからラインする気が起きなくてずっとラインしてなかった。
家族の間だと自分の気持ちを言葉にするのが恥ずかしいから、正直このラインを書くのは迷った。でも、自分の気持ちを言葉にして伝えるのが俺は大切だと思っているから書いた。俺は、お父さんに伝えたいのは、「俺は悲しい気持ちになっていた」ということだけ。それだけ分かってもらえれば有難いと思ってる。

とラインしました。父からその時は「悪かったな、ごめん」とラインが帰ってきて、一応は気持ちが伝わったみたいなので、嬉しかったことを覚えています。

それで、この話にはさらに続きがあって(むしろここからが本題)、先週実家から荷物送ってもらった際に、事前に配送伝票を写真で送って欲しいと父にお願いをしました(伝票番号と配送会社が分かれば受け取り時間を調整できることがあるため)。

ところが父はそれを忘れてしまったみたいなんですが(僕が翌日「伝票の写真が来てないよ」とラインした)、父から「忘れた、ごめん」とラインが来ました。伝票の写真が手に入らなかったことは残念でしたが(父はそのとき外出中で伝票が手元になかった)、父から自然に「ごめん」と言ってくれたことはとても嬉しかったです。そのあと僕は父に「いやいや、大丈夫。謝ってくれてありがとう」と送りました。

という些細な家族のやり取りなんですけど、お互い大人(父は70代で僕は40代)になっても変わる余地がささやかでもあるんだなって思いました。以上。

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