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旅をする石④ カステル・デル・モンテ

Dear my friends,

おはようございます。今日はとても良いお天気で、ここに来て初めて外に座ってのんびりしています。朝一で、念願だったサイクリングにもう一度行ってきました。今日はチステルニーノでの滞在が最終日なので、もしかしたらもう一度行くかもしれません。

昨日今日ととても天気がよく、気温も15度くらいまで上がってきたので、アーモンドの花がどんどん咲き始めました。オリーブの木々の間に植っているアーモンドは、遠目で見ると桜みたいですが、花びらが桜よりずっと大きく良い香りがします。ここの地域の冬は温暖で雨が多いので緑もたくさんあり、日本の春先のような新緑と黄色や紫やオレンジの花がのんびり咲いています。もう少しすると赤いポピーがたくさん咲くようですが、そこから夏になると暑さと水不足で地面が茶色くなるというので不思議です。

さて、昨日は8角形で有名な「カステルデルモンデ」という丘の上の城に行ってきました。ここから車で1時間半くらい(ジョヴァンニさんがマッハで飛ばしての計算です)北に行ったところにあり、中世にこの辺りを支配していた皇帝「フェデリーコ2世」が建てたものです。彼は7ヶ国語を操り、十字軍を率いてコンスタンティノープルを無血開城させたのにローマ法王に破門されたというキャリアの人で、プーリア地方には彼が建設させた城がたくさんあります。でも、教会は1つしかありません。教会に従うようで従わない姿勢が面白いです。

そんな彼が、当時天文学や数学で世界を牽引していたアラビア文化に影響を受けて建設したと言われるのがこのカステルデルモンデで、あらゆる部分が綺麗な八角形でできています。鷹狩りのために作られた、というのが定説ですが、不可解な部分も多く謎に包まれた城でもあり、そこが更に人を惹きつけます。イタリア国内はもちろん、彼の父親がドイツ出身だったということもあり、ドイツからも多くの観光客が来るようです。中庭から見上げてみると、太陽の動きに合わせて影が動いていくのが分かり面白いです。

城の中央広場から見た空

そういえばこの辺りにもトゥルッリがあるのですが、屋根が丸くて、ころんとした印象の家が多いのです。それは使っている石が平べったくて薄いものが多いからで、この城の近くを歩いていても、地面の下に薄い石の層が何層にもなっているのが分かります。逆に、私が泊まっているチルテスニーノ周辺は分厚い石灰岩が採れるので、二等辺三角形のようなとんがり屋根が特徴です。

土のすぐ下に薄い岩の層が重なっています

さて、外でのんびりと書いていたら、ネコが遊びにきました。とんがり屋根のお家は3匹のネコを外で飼っているのですが、黒いネコ以外は人慣れしていません。白とまだら模様のネコは、それでも人に興味があるらしく、ここにきて初めて10センチくらいの近いところで私の観察をしていました。彼女は昨日、雨上がりに出てきたミミズで遊んでいて、楽しそうでした。

降っても照ってものんびり過ぎていく、今日の日です。


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