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自分の長所を、ちゃんと評価しよう

ダイエットに関する相談を受ける事が多い。
よくある質問は、「お腹周りの脂肪を落とすにはどうしたらいいか?」というものだ。
確かに、お腹とお尻周りは、人体の構造上元々脂肪が最もつきやすく、また脂肪は全身均一に落ちていくものだから、結果的に最も目立つ。例え一流のボディービルダーでも、ミスユニバースでも、ダイエットの時に最後まで残るのはお腹とお尻周りの脂肪だ。お尻は本人からは直接見えないので、お腹周りを特に気にする。

この質問に対して話を掘り下げると、大抵の人は腕とお腹を比較している。構造上同じく腕周りは脂肪が付きにくいのだから当然だ。質問してくる人も、大体はその事を知っている。しかし、改めてその事を話しても、それでも気になる、と言うのだ。

その人にとって、理想の身体を100点とし、合格ラインを80点と仮定しよう。今の腕周りは90点、お腹周りは50点だ。
その位だと、その人の全身を総合して採点すれば大体70点位なもので、あと10点頑張れば合格ラインに届く事になる。もちろん届いたとしてもお腹はまだ60点だが、お腹以外は合格ラインに届く訳だし(大分変わったように見えるものだ)、問題のお腹も50点の頃と比べれば成果が見えるからもっと頑張れる。そうなると、本人自ら目標を再設定する事になり、必ず自分の理想に辿り着ける。

しかし多くの人は、この時、得てして全身を見ていない。
腕と、お腹だけを見て、今の自分の身体は「50点」と判断してしまうのだ。
それだとかなりツラい。合格ラインまではまだ30点もあり、そこから頑張って60点になっても合格ラインはまだ20点も先なのだ。これだけ目標が遠く感じるとモチベーションが下がり、やがて挫折してしまう。
お腹以外はもう、合格ラインに届いているのに。

だから私は、最初の質問をしてきた人に、ダイエットの成果はお腹ではなく手の甲や前腕の血管の浮き具合で判断するようにと伝えている。ダイエットを始めて最初に見えてくる、明確な結果だからだ。

人は自分の出来ていないところを重視しがちだ。
成長には必要な事なのだが、そこを気にするあまり自分の出来ているところを軽視していると、欠けている所ばかりに目がいき、成長する意欲がなくなってしまう。それでは本末転倒だ。
もう少し自分の出来ているところをちゃんと見て、自分の成長をしっかり評価してから、先に進むようにしたい。

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