「誰が責任とるんだ」

緊急事態宣言が解除されたとはいえ現在進行中のコロナ騒動。いずれ時が経って振り返れば、新型コロナウィルスの特性に鑑みて、いまは適切は対応と不適切な対応が入り混じって進められていることがわかるだろう。その特性は未だに見定められていないようだから、あの時はそう判断するのが適切だと思ったのだと後日弁明することは、ある程度は致し方ないのだろう。

でも、せめて、誰でもない自分の自律的思考で判断したい。真偽混沌とした情報に依らざるを得ないとしても、後で後悔のないように。

今回の騒動初期の頃だから、たぶん今年3月だったと思う。休日のあるバラエティー番組で、スタジオにいたタレントのうちの一人が、こう言った。「誰が責任とるんだ」…何の話のことだったかはもう覚えていないけど、彼がそう言ったことだけは覚えている(「とるんだ」は実際には「とってくれるんだ」だったかもしれないなど、まんまではないかもしれないが)。その番組はそれまで楽しみに毎週見ていたけど、その日からはもう見なくなった。彼はどちらかというと好感を持っていたタレントだったが、嫌いになった。

自分が責任を引き受ける気のない無責任な人は、「誰が責任とるんだ」と言う。そしてこの国には、このフレーズがあふれている。無責任にあふれている。そして世間を気にして、萎縮していく。

それは自主的思考の放棄だ。そして、自主的思考の放棄はいまに始まったことではなく、75年前の敗戦で終わった戦時中から変わっていない

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