娘のひと言
だいぶ前になりますが、娘と息子を連れて映画『もののけ姫』(Princess Mononoke)を観に行ったときのこと。
人間と自然をテーマにしたこの映画。観終わってやや複雑な心境になっていた私は、映画館の外で小学生の娘に尋ねました。
「どうだった、映画?」
娘はしばらく、
「う~ん」と言って、地面を足蹴りしていました。
「面白かった?」
三人で手をつないで歩き始めたとき、娘は私を見上げこう言いました。
「パパ。自然を守るって当たり前だよね」
自然をダメにした大人が自然との共生をテーマに映画を作る。ありのままの自然を残せないで欲に走る人間――人間って何なんだろう?
私たち人間はどう生きるべきなのか。娘のこの一言が、その後の私の人生の大きな道しるべになったことは間違いありません。
もやもやとした気持ちがすっきりした私。
「何か美味しいののでも食べて帰ろう!」
「やった~!」
子どものはしゃいだ声がとっても心地よかった。
子ども心・・・私の大好きな言葉です。
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