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納豆丼の人生だけど

ラジオを聴いていて、不覚にも号泣してしまった。

その番組は人気芸人が30分ひとりで語るというものだが、ある先輩の芸人について話していた。

その芸人は人生がうまく行かなかったが、中年に差し掛かる頃に別の分野の師匠に入門してコツコツと努力を重ねた。入門して間もない者が習得することをさぼらずに行った。

その芸には大きく分けるとふたつの流派があった。最大派閥はエリート集団。かたや、その芸人が所属していたのは2軍扱い。
牛丼の世界でいえば吉野家で牛丼を食べるのが前者とすれば、2軍の方は潰れた牛丼太郎で200円の納豆丼を食べるようなものだった。

でも、納豆丼の人生を歩むその芸人は今年の始めに大病で入院をして死も意識したという。
もういちど、大好きな芸の世界で活躍したい。そう思って努力を重ねて病気を克服し、復帰した。

年初に地獄を味わったその芸人は年末にはとうとうその世界の新人にとって最大の栄誉である賞を受賞した。新人といっても遅くに入門したので48歳である。

人間というのは、どんなに底辺にいても、コツコツとがんばれば、場合によっては浮かび上がることが出来る。確率は非常に低いがゼロではない。

私も今、人生のどん底にいる。もう一度がんばって一歩踏み出してみようと思う。納豆丼にも意地があるんだ。
今日流した涙を決して無駄にしない。


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