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大学院で学ぶということ

大学を卒業し、病院栄養士として2年目が過ぎた頃、どうしても納得できない壁にぶち当たりました。

それは腎疾患の食事療法です。

私が最初に勤務した病院は、100床規模で急性期と療養病床、それと透析のある病院でした。ある日、先輩から腎疾患患者の献立作成を任され、ウキウキしつつも試行錯誤する日々がスタート。エネルギーはしっかりと、そしてタンパク質やリン、カリウム、塩分制限が加わり、完成した料理は残念ながら、あまり食欲をそそる食事ではありませんでした。

「これじゃ、食べる楽しみも半減。それに続かないよなぁ。」

「そもそも、この制限って効果があるの?!」

「真の効果があるのかどうかもわからず、数字ばかりにとらわれて献立作成する意味ってあるの?」

疑問は日々膨らむばかり。

そんなこんなで、一大決心!

翌年には、とある大学院の臨床栄養学研究室で2年間の修士課程、研究生活をスタートすることに。働きながらの受験勉強はなかなか大変だったけど、今思えば私にとって必要な苦労でした。

振り返ると、そこで出会えた恩師(ボス:腎臓内科医)、そして研究室の先輩後輩たちと研究に没頭した経験が、私のとっても貴重な財産になっています。

大学院で学ぶことで、物事を色んな方向から考えたり、その考えを仲間と議論するトレーニングができました。そして、学問の奥深さを実感し、自分が全く知らない世界をみることもできたし、自分の知識って凄く薄っぺらいな(笑)とも思えました。さらに、大切なプレゼン力もトレーニングできました。

でも、まだまだ「大学院で学ぶこと」の意義は、自分でも気づいていないものがたくさんあるはず。自己研鑽に励みながら、まだ見ぬ世界との出会いを楽しみにしていきたいと思います。