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ワインエキスパートの勉強まとめ(ワインの概論その②)



はじめに

祖母が住む地域はぶどうの産地で、夏になると観光農園のぶどうの棚に白い紙で保護されたぶどうがあちこちに実り、秋になると大きな房のぶどうが売られていたものです。

さて、今回はぶどうの木の原理など、今までにないものの見方を発見できたような気がしますので、ざっくりとおさらいします。知識の定着のため、ちょっと頑張って頭の中のイメージをヴィジュアル化してみました。

ぶどうの栽培方法(仕立て方)

ぶどうは生命力があり、栄養が少ない土地でも勝手に育つけれど、採れたぶどうでワインをつくるとなると話は別。毎年、ぶどう収穫後の休眠期に枝を剪定をし、来年に備えます。木の最適な仕立て方は、地域の気候や地形によって異なるが、4つの方法に大別できます。

・垣根仕立て

[地域]世界中。特に平たい地形で乾燥したところ。

[特徴]・地面に垂直に枝が伸びていく。

・垣根仕立てを細分すると、①ギヨ・サンプル(1本の長梢を水平に伸ばしていき、そこから芽(短梢)を垂直に伸ばす)と②ギヨ・ドゥウブル(2本の長梢を長梢を水平に伸ばしていき、そこから芽を垂直に伸ばす)、そして③コルドン・ロワイヤ(長梢は収穫後剪定しない。つまり、前年と同じ長梢から短梢を伸ばしていく)の3種類がある。

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Château Margauxのぶどう畑


・棒仕立て

[地域]モーゼル(ドイツ)、北部ローヌ(フランス)など、垣根仕立てが適さない急斜面

[特徴]・垣根をつくらないため、東西南北・上下左右自由に移動できる。

・幹から伸びた左右の長梢の先をを幹の下の方でしばりつける。長梢はハート形になる。


・株仕立て

[地域]南フランス、スペイン、ポルトガルなど、乾燥地で人件費もかからないところ

[特徴]・他の仕立てとは異なり、垣根や棒など支えがない。


・棚仕立て

[地域]日本など降水量が多い地域、イタリアやエジプトなど日差しの強い地域

[特徴]・幹が高く育ち、枝が棚を網羅する。ぶどうは天井から垂直に垂れて成長する。棚は枝や葉でおおわれるため、ぶどうは雨や強い日差しを除けることができる。

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ぶどうの病気

スマホを開けば新型コロナウイルスに関するニュースが世界中から入ってきます。これと同じではないかもしれませんが、ぶどうも一度病気を患うと、その感染経路がじわじわと拡大し、あらゆる地域で同じような症状が発症、ぶどう生産者を悩ませてきたようです。しかしその対応策や、想像を絶するご苦労と知恵の結集によりいくつもの試練を乗り越え、今、私たちはおいしくワインを頂けるのだと改めて思いました。

前置きが長くなりましたが、試験でも出やすく、ワイナリーでの会話の種にもなりそうなこのぶどうの3大病気について。

・フィロキセラ(philloxera)

[特徴]北アメリカ産のアブラムシの一種による虫害。19世紀中盤に苗木に寄生して渡欧。

[対策]フィロキセラに強いアメリカ産ブドウの品種(ヴィティス・ルペストリス)を台木として接木する。世界の99.9%のワイン用ブドウの木は接ぎ木されている。

※ワイン用のブドウの木は基本的にどれも接ぎ木されていることを初めて知りました。


・うどんこ病(英powdery milew, 仏oïdium)

[特徴]カビ由来の病気。北アメリカで発症、1850年にヨーロッパに広まった。生育中のぶどうの果粒や若枝がに白い胞子に覆われる。果粒の表皮の成長が妨げられるが、果肉自体は育つが、最終的にミイラ化するか腐る。白い胞子だから、ウドン!コ。

[対策]開花時に「硫黄」を含んだ農薬を散布する。


・ベト病(英downy mildew, 仏mildiou)

[特徴]白カビ由来、ぶどうに特有な病気の筆頭株。北アメリカで発症、1878年にフィロキセラ対策でアメリカから持ち込まれた台木に付随してヨーロッパに伝播。降水量の多く温暖な春にかかりやすい。落果や落果やを引き起こす。

[対策]有機栽培でも使われるボルドー液(硫酸銅+生石灰+水の混合溶液)を散布する。


ぶどう栽培の条件

ここも富田先生の動画がとってもわかりやすい。

気温は10から20度
ワインは16度まで
北緯30から50度
南緯も30から50度
日照1000から1500
降水量は500−900

※ワイン概論で覚えるべきことについては、富田先生のホームページに替え歌がたくさん載っていて参考になります。


さいごに

今回、気になったこと3つ。

①[動画]ブルゴーニュワインができるまで

いつかまた自由な移動ができるようになった時には、フランスのボルドーとブルゴーニュ、シャンパーニュ地方のワイナリーに足を運んでみたいと思っています。だから、時間はかかるけれど、試験で覚えるべき用語とそのフランス語をセットで覚えようと思っています。そんななかでフランス・ブルゴーニュ地方のブドウ生産者の仕事ぶりとワインが出来上がる過程がが分かる動画に出会いました。とてもよく編集されています。

Vin de Bourgogne


②記憶はまとめると定着する

オンラインの授業を受けてテキストを読んだ後、学習内容をこのnoteにまとめているのですが、いざ自分の言葉に置き換えようすると、いろんなところで疑問が湧きます。「うどんこ病には硫黄を含んだ農薬がイイみたいけれど、なんで硫黄なの?」とか。これ、調べるのにかなりの時間がかかりますが、疑問をロジカルに解決していくことで明らかに知識が定着します。家にいる機会が多い今だからこそ、勉強の復習にぜひ自分の言葉でまとめる作業をおすすめします。

③ワインエキスパートの先にも道がありそう

ぶどうの栽培方法についてテキストを読んでもいまいちわからなかったので、インターネットであれこれ調べてみました。そのなかで「WEST・レベル〇」という「ワインエキスパートの上級試験」を受験される方のブログを発見。どうやら、ワインエキスパートの先にも道が続くようです。ワインも本当に奥が深いなぁ…。


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