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ワインエキスパートの勉強まとめ(ボルドー地方⑥ソーテルヌ格付)

今日はボルドー地方の格付最終編・ソーテルヌ地区をまとめます。

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https://avis-vin.lefigaro.fr/connaitre-deguster/tout-savoir-sur-le-vin/guide-des-regions-et-des-appellations/bordeaux/sauternais (2020/5/17閲覧)

ソーテルヌ・バルザック地区(おさらい)

ソーテルヌはボルドーから南西に50km、ガロンヌ川の左岸にある貴腐ワインの銘醸地です。地区内をガロンヌ川支流のシロン川が流れ、シロン川の右岸にソーテルヌ地区、左岸にバルザック地区が広がっています。また、ソーテルヌ地区は5つのコミューンで成り立っています。

ミクロクリマの影響

ガロンヌ川は大きく水温が高い一方、シロン川は小さく、上流の渓谷から冷たい水が流れます。晩秋にこの川がぶつかるところで川の水の温度差によって朝霧が発生し、ぶどうの皮にカビが発生しやすくなります。この特徴を生かし、皮の薄いセミヨンが成熟し、貴腐菌に感染して貴腐化した後に収穫し、貴腐ワインができあがります。(・・・さらっと簡単に書いてしまいましたが、貴腐ぶどうをつくるのは非常に大変なことだそうです。)

ソーテルヌ・バルザック地区の主要なぶどう品種はセミヨンで、このほかにソーヴィニョン・ブラン、ミュスカデルがブレンド用に栽培されています。

ソーテルヌ・バルザックAOC 

ソーテルヌ地区にはソーテルヌの他にバルザック固有のAOCがあります。バルザック地区の生産者に限り、ソーテルヌとバルザックのどちらかのAOCを選んで名乗ることができます。AOCはどちらも白ワインが対象です。

ソーテルヌの格付けが行われたのはメドックの格付けと同じ1855年です。

バルザック地区の西のセロンス、またガロンヌ川右岸のカディヤック、ルーピアック、サント・クロワ・デュ・モンもまた貴腐ワインや遅摘み白ワインの産地で、各地区ともAOCに認定されています。

ソーテルヌ格付け

Premier Cru Superieur

シャトー・ディケム Ch. d’Yquem/Sauternes

Premiers Cru
★シャトー名/村名で記載します。どちらも暗記必須。
シャトー・ラトゥール・ブランシュ Ch. La Tour Blanche/ボンム Bommes
シャトー・ラフォリ・ペラゲ Ch. Lafaurie-Peyraguey/Bommes
シャトー・クロ・オー・ペラゲ Ch. Clos Haut-Peyraguey/Bommes
シャトー・ド・レーヌ・ヴィニョ Ch. de Rayne Vigneau/Bommes
シャトー・ラボー・プロミ Ch. Rabaud-Promis/Bommes
シャトー・シガラ・ラボーCh. Sigalas Rabaud-Bommes
シャト―・クーテ Ch. Coutet
シャトー・クリマンス  Ch. Climens/Barsac
シャトー・ギロー Ch. Guiraud/Sauternes
シャトー・スュデュィロー Ch. Suduiraut/プレニャック Preignac
シャトー・リューセック Ch. Rieussec/ファルグ Fargues

2級は15シャトーありますが、ここでは省略します。

最後に

昨年末、長年の懸案事項であったボルドー市と南西部の都市トゥールーズ市間を結ぶ高速鉄道専用路線(LGV)の建設に関する法案が可決されました。早くて2022年に着工し、以降7年かけて建設工事が行われるようです。しかしこれによってシロン川上流にある渓谷に人の手が入ることとなり、地元の人々はソーテルヌ地区のミクロクリマに影響を及ぶことを懸念し、建設反対を続けているようです。水温が冷たいシロン川、森林が伐採されて川に陽が当たるようになったら朝霧が出なくなってしまうかもしれないですね。この件は今後も注目したいと思います。

あと、前にソーテルヌの貴腐ワインについての日記を書きました。よろしければご笑覧ください。


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