私の00smusic#29
#281 Wilco (The Song) by Wilco
00年代の彼らは、やはり米同時多発テロ直後のリリース、ジム・オルークとの制作に象徴されるような大名盤Yankee Hotel Foxtrotがデカくて、それはそれまで言われていたオルタナカントリーというジャンルを飛び越えて、米国を代表する一バンドに台頭していきました。その後、3作品あって、どれも素晴らしい内容なんですが、この4つでどれかということになると、一番最後のセルフタイトル作が、自分の好みに近かったです。なぜかというと、それはわかりやすくポップだから笑。ビートルズのような聴きやすさがあったからです。
#282 Two Weeks by Grizzly Bear
ニューヨーク・ブルックリンのバンドの3作目Veckatimest。各楽器、ボーカルハーモニーで構成する豊かな調和と響きが印象的な作品で、アーティスティックで美しさが際立つ内容。これら要素を詰めていって、ロックバンドという形で昇華していくセンスが凄いし、評論家筋が絶賛するのも納得。
#283 People Got a Lotta Nerve by Neko Case
アメリカ人シンガーソングライターであり、カナダのバンド、ニュー・ポルノグラファーズの一員でもある彼女。ソロでは、5作目Middle Cycloneでビルボード3位に入ることに。オルタナフォークの上に乗る彼女の声の心地好さ。ただ刺激的なだけでなく、ちょっとミステリアスな雰囲気を纏っているところからの深みや面白さもある。
#284 A New Time by Paula Kelley
ボストンのシンガーソングライターの2作目The Troble with Success or How Fit into the World。チェンバロ奏者でもあるらしい。声が特徴的で瑞々しい上、作曲、アレンジ構成も充実したギターポップ/チェンバーポップの好盤。
#285 Get Home by Sarah Slean
トロントのミュージシャンの4作目The Baroness。前作当時、たまたまバンクーバーでのロン・セクスミスの公演で、その前に出てきた彼女のライブも観て、それで知ることになったんですが、カナダではジュノ賞にノミネートされるほどのメジャーレーベル契約アーティストだったみたいで、観た後にCDアルバムを買いに行きました。単純に日本で全く無名でも、自国で目立って活動しているミュージシャンはいるんだなと思いました。当たり前だけど。
#286 Let Go of Your Bad Days by The Salteens
バンクーバーのギターポップバンドのセカンドアルバムLet Go of Your Bad Days。これも向こうにいた時に、たまたまお店で見かけて、地元バンドじゃーん、ギターポップバンドいたんだ!って嬉しくなって、全然知らないけど買って、あとで検索したら、以前にNice Dayという曲で聴いていたのがわかって、ああ、あの曲の人たち!とまた嬉しくなってしまった。
※Spotifyになかったので、プレイリストにはNice Dayが載っています。
#287 I Wouldn't Do That to You by Carey Ott
シカゴ出身のシンガーソングライターのデビュー作から。普遍的なアメリカンフォークとマッカートニーあたりからのポップミュージックの伝統が上手くミックスされたような音楽をやっていて、とても聴き心地が良い。曲も良ければ、音も良いから、なおさら。音源リストを見ると、この10年くらいはリリース活動が活発なようですね。
#288 Couldn't You Tell by B.C. Camplight
フィラデルフィアのミュージシャンのデビュー作。メンタルヘルスの問題を抱えてたり、その後マンチェスターに移住したりしながらの音楽活動で、なかなかの苦労人のようですが、これはブライアン・ウィルソンの系譜を汲んだ素晴らしいポップアルバムでした。
#289 Life Before Aesthetics by Denison Witmer
ペンシルベニア州ランカスターのシンガーソングライター6作目Carry the Weight。聴き心地が適度な甘さと情感、美しさが感じられて、それって最高のスウィーツのような魅力のフォークアルバム。
#290 Come on! Feel the Illinois! by Sufjan Stevens
ミシガンのシンガーソングライターの5作目。第一印象は、久々に思わぬ方向から、なかなかヤバいやつが出てきたって感じでしたね。これだけ地域を調べ抜いて、たくさんの楽器の音を詰め込んだエンターテイメントな音楽内容で、これだけで22曲74分というボリューム感、それをゆくゆくはアメリカ50州全部でやりたいという、諸国漫遊の水戸黄門か、もしくはシリーズものの映画監督みたいなことを言っていて、結局それは恐らく以降のミュージシャンシップにはそぐわなかったのと、キャリアの宣伝的な意図が働いていたらしく、そのアイディア自体は頓挫することにはなりましたが、それにしても、この作品だけでも、一つの大きなアート作品になったことは間違いなく、最初から最後まで楽しめる素晴らしい作品。
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