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精神経済 「悪の華」能動経済2

石井光太「鬼畜の家」は、2010年代に凄惨な幼児虐待事件を起こし、ニュースなどでも騒がれた複数組の親やその親や親戚、養護施設職員などに、著者石井光太氏が刑務所や自宅に出向き、インタビュー取材をしたものをノンフィクションにまとめたものである。
私がこれを読んでゾッとしたのは、その虐待親が全員「鬼畜」じゃなかった事だ。全然私だってなっていた可能性があるし、今現在も身近な人がそうなる可能性は高い。
この日本で、子育てはいつの間にか、知識かお金かその両方がある者だけが出来る特権になってしまった。
そしてそんなものを持っていない、ただ愛情だけで家族を持とうとする者は、必ず精神的にも経済的にも社会的にも行き詰まり、自殺か心中か虐待をしてしまうような社会構造になってしまっている。
この愛情だけで子育てをしようとして犯罪者になってしまった人々の記録を読むと、日本が少子化になった原因が、まざまざと伝わってくる。

そんな社会でストレスが渦巻き、カルト宗教や教育虐待や倫理の乱れなど様々な悪が生まれ、その悪の土壌に無敵の人や、虐待で逮捕されニュースのネタになる人=「悪の華」が生まれくるんだと思った。

悪の華は華だけ刈り取っても次の華が生まれる。悪の土壌を改善しなければ。
その考え方は最近興味を持ったフェミニズムにもつながる。
女性差別による不当な扱いは、個々に戦うより悪の土壌、つまり女性差別全体を改善したほうが効率的だ。そしてそうする事で、未来の女性、つまりまだ見ぬ我々の孫娘達にも良い社会を残せる。
美しい華が咲く、豊かな土壌を残せるのだ。

外山恒一「政治活動入門」を読むと、政治は人生の最適化だと言う。自分の人生を、自助努力と並行して、自分の属する社会環境を改善する事も大切だと。そしてそのような努力全般が「政治活動」であると。

私は知識やお金がなくても子育てが出来る社会に改革する為のフェミニズムをしようと思う。
私が個人的に受けた被害や不当な差別の改善を訴えるより、今大変な妊婦さんや、若い子育て世帯を助ける為のフェミニズム運動のほうが、早急に求められていると思われる。
残念ながら日本のフェミニズムは、アメリカのmetoo運動のようなレベルではなく、「男性や家族や行政に見放された妊婦に安全なお産と子育てをしてもらう」、というようなレベルなのだ。

しかしこの現状分析が狂っているから、現在の日本のフェミニズムが、イマイチ盛り上がらないのではないかと私は思った。

能動経済は、①現状分析、②予想、③行動であるが、予想は当然少子化はどんどん進む。孫娘なんて悠長な話ではなく、自分や息子にも経済的困窮や、財政難による社会保障の縮小などという具体的な被害が及ぶだろう。

では行動だが、とりあえず近所の婦人会に入った。
あとは会合などに積極的に参加して提言をしていきたい。
「鬼畜の家」に出てきた、そういう妊婦さんに手を差し伸べる活動をやってらっしゃるつくばの「Babyぽけっと」にも一度息子と一緒に訪れたい。
このフェミニズム運動には小学生の息子にもなるべく見せてあげたい。それは将来あなたのお嫁さんと娘の為になるかもしれない活動だよと。将来娘が産まれたら「パパはお前が産まれる前からお前の為に頑張ったんだよ」と言えるよ、と。それは超素敵な事ではないだろうか?

美しい華を咲かせるには時間がかかる。土壌改良は、今すぐに始めなければならない。でも未来の孫娘の笑顔という華を想像した時、どんな苦労も厭わない力が湧いてくる‥
そんな気がしないだろうか?

最後まで読んで頂きありがとうございました。
またお会いしましょう。