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評価されない新しい日常

藤ノ井です。緊急事態宣言が全国で解除になりましたが、まだ外に出て思いっきり深呼吸をする気分ではないですね。

「目指すは新たな日常をつくり上げることだ」と安倍総理は言いますが、新しい日常とは・・・?

これは第二波の感染拡大が起きるリスクがあるので、手洗い・うがいの徹底、ソーシャルディスタンス(人との距離を2メートル程度の間隔を保つ)、三密(密閉・密集・密接)を避けてマスクを着用といった、引き続き新型コロナウイルスにかからないよう、そして周りにうつさないように配慮した日常生活を過ごそうというものです。

こんな日常なんて、やはり息苦しいですね。一日も早い完全終息の日を願っています。

また新型コロナウイルスに対する注意喚起に横文字が多すぎるのもどうかと感じてしまいます。ことさら高齢者が注意しなければいけないのに、いちいち解釈を付けないといけない言葉はやめてほしいですね。特に小池知事は横文字がお好きなようで。

緊急事態宣言は解除されても、カラオケ店やコンサートといった集団で楽しむものはまだ休業要請中で、ようやくプロ野球、サッカーなどについては無観客も含め日程が決まってきました。

こうした厳しい状況ではありますが、世界から見た日本の評価はなかなかなもの。5月25日にはWHO(世界保健機関)のテドロス事務総長が、「日本は、新型コロナウイルス対策に成功した」とコメントし、高く評価しています。

というのも、米国やヨーロッパの国々が、電車やバスなどの公共交通網などもストップさせ、都市封鎖を行い感染防止対策を行っているのに対し、日本は国民の協力のもとで罰則を設けることもなく、ある程度自由な行動を許容しながらも感染防止できたことは、世界的に見てもすごいことだからです。

米国、ヨーロッパでは、経済封鎖を解除せよという激しいデモがあちこちで起きている一方、日本はそういったデモなどが起きることもなく、この危機を乗り越えようとしているわけですからね。

ただ日本よりもっと感染対策が成功している国もあります。それは、台湾とニュージーランドです。

台湾の人口は約2300万人と日本の1/5以下ですが、感染者442名、死者7名と圧倒的に少なくなっています。これは台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の指導力が優れていると高く評価されています。

今回の新型コロナウイルス発生の初期段階で、中国からの渡航を禁止しただけでなく、スマホを使って感染者がどのあたりに出たとか、どういった経路で広がりつつあるといった情報を提供。

さらにどこの薬局に行けば、マスクがあるかといった政治主導の情報発信で混乱を防ぐことにも成功し、国民から厚い信頼を得ています。

ニュージーランドもまた感染が広がり始めた2月3日時点で、中国からの入国を禁止。さらに、3月には観光の国でありながら、外国人の入国を禁止する措置を取りました。

これもまた、ニュージーランドを先導するジャシンダ・アンダーソン首相の指導力であり、外国人旅行者の入国禁止を決意した翌日には、「どうか、強くいてください。思いやりを持ってください。そしてみんなで一つになってCOVID-19に対抗しましょう」と国民に呼びかけるなど、決断の速さと決意のメッセージが多くの国民の心を捉えています。

現地の世論調査によると、アンダーソン首相の支持率は6割近くあり、過去100年で最も人気のあるリーダーであると報じられています。

よく知られた株式相場の格言で、「国策に売りなし」というのがあります。国が決めた政策に関連した銘柄や業種は株価が上昇しやすいという意味です。

台湾やニュージーランドでは、リーダーシップのある政策が行われていることで、株式相場が持ち直してきています。

一方、昨今の安倍政権の支持率は20%台にまで低下。緊急事態時に信頼されない首相というのは残念なことです。次の候補がいないこともさらに残念な要素です。

今の日本の株式市場を見ると「国策に売りなし」とはいかないような雰囲気が!?株式市場にも新しい日常が訪れるのでしょうか。少なくとも高い評価は得られないでしょうけど。

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