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ドル円は天井を付けたのか?

政府・日銀が再び為替介入を実施しました。前回は146円目前での実施でしたが、今回は10月21日(金)の週末の夜、152円台突入は時間の問題と思われていたところ、意表を突いたNY時間での介入となりました。

一気に146円台まで下落しましたが、その後、再びドルが買い戻され円安が進行。150円台をうかがう水準まで上昇すると、週明け月曜日の朝一番に再度介入を実施!まさかの連続、円買い介入となりました。

介入規模は21日が5.5兆円、24日は1兆円規模と予想されています。また今回は政府・日銀が介入したことを公表しない覆面介入でした。

神田真人財務官は150円台に突入したことを受けての記者会見で、介入をしているかどうかについてはコメントしないとしたうえで「円買い介入の原資は無限にある」としているので、今後も過度と判断される値動きには介入で対抗していこうということなのでしょう。

24年前、ドル売り円買い介入を指揮したミスター円こと榊原英資氏によると、為替介入を実施する際にはアメリカに了解を得る必要があるといいます。

今回、NY時間で介入が実施されたということは、アメリカとの協調が上手くいっている証拠とみる向きもあります。

ちなみにイエレン米財務長官は今回の介入実施の報道についてのコメントを控えており、日本からは何の連絡も受けていないとしています。

ただ、自国のマーケットがオープンしている時間帯に一気に6円近くも変動する取引が実施されるわけなので、知らないわけがないでしょうし、もし本当に事前連絡なしの介入であったとしても批判的なコメントがなかったわけで、どちらにしてもアメリカは介入について容認しているとも考えられます。

これまでの歴史を紐解くと、政府・日銀の介入は長期では負けたことがありません。ドル売り介入は91年5~6月、92年1~8月、97年12月、98年4~6月にかけて実施されていますが、ほぼその地点が天井となり、その後は円高に振れています。

ドル買い介入の時も同じです。政府・日銀が介入を実施した水準が底となり、円安に転じています。

また、まだまだ金利差を背景にした円安進行論は根強いですが、ここにきて風向きが変わりそうなニュースも出始めています。

先日、カナダ中銀が利上げを実施しましたが、予想0.75%だったところ0.5%となりました。ECBのラガルド総裁も利上げの回数について会合ごとに決めていくとしながらも、従来より若干ハト派姿勢にトーンダウン。

米国の利上げペースの見通しにも変化が出てきています。12月の利上げ確率について1週間前は0.75%が8割近くだったものが、現在は0.75%が3割強に低下し、0.5%利上げ予想が6割を超えています。米国の利上げ期待が後退すれば、円安は進行しにくくなります。

ちなみにアマゾンやメタ(旧フェイスブック)、グーグルのアルファベットといった大手米企業の決算がアナリスト予想を下回り、株価が急落。パウエルFRB議長は、インフレ退治には痛みを伴うとしていますが、企業業績の悪化がこのまま続けば、さすがにトーンダウンせざるを得ないでしょう。

前回、介入が実施された152円手前がドル円の天井になってもおかしくはない!?そう考えているところに、黒田総裁の金利引き上げ「今すぐとは考えていない」発言で再び円安に動いています。まだまだドル円相場から目は離せません。

なお今週は11月1〜2日にFOMC、週末4日には10月米雇用統計と、今後のマーケットの動きを左右するイベントが目白押しです。結果次第で大荒れとなる可能性があるので要注意です。

PS
相場の動き方が荒いときほど、トレーダーの感情も大きく揺さぶられます。なぜ、損をしてマーケットから撤退を余儀なくされるトレーダーが後を絶たないのか。

それは感情に任せ、思慮を欠いたトレードが主な理由です。マーケットで勝者となるためには、常に冷静に振舞い、その時々の状況に機敏に反応しなければなりません。

しかし、歓喜、高揚、楽観、動揺、落胆、悲観、不安、恐怖といった様々な感情がトレーダーを内面から支配しようとするのです。

では、どのように感情を制御し、利益を得ればよいのか?
その答えはここにあります。

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