お金

【事務所運営】キャッシュ・フローを意識する重要性

僕は、事務所運営において、常に考えていこうと意識しているものに、「人」、「お金」、「時流」があるのですが、今回のnoteは、「お金」、すなわち、「キャッシュフロー」をテーマにします。

会社や事務所の経営をしていこうと思えば、世の社長さんや所長さんは、日中の仕事の間も、寝ているときも、あるいは休みの日に子どもと観覧車に乗っているときも、常に考えている話だと思います。

【1】キャッシュ・フローとは?

そもそも、「キャッシュ・フロー」とは、お金の流れ(流入・流出、収入・支出)のことを指します。個人事務所であれば、キャッシュフロー計算書を自分で作るとかはあまりしないと思いますが、キャッシュフローを考えて日々、過ごすことはとても重要に思います。

もう少し厳密に「キャッシュフロー」を分解すると、一定期間に流入するお金のことを、「キャッシュ・イン・フロー」、流出するお金のことを「キャッシュ・アウト・フロー」といいます。

例えば、成果報酬で許認可サービスを提供したとき、「売上」として計上はされますが、「お金」が入金されるわけではありません。

確定申告の際に作成する損益計算書に記載されている「売上高」などをみても、それがイコール手元に現金として残っているわけではありません。だから、自分の真の実績(結果)をみるには、売上ではなく、現金残高をみるわけです(ちなみに、社会保険や年金、所得税、住民税、消費税といった税金などは、後々支払わなければいけないため、きちんとそれ用にストックもしておかなければいけません)。

【2】なぜキャッシュフローにこだわるか?

僕は、開業して1年もたたないうちに、「売上」がどうでもよくなりました。いや、もう少し正確にいえば、「キャッシュフローを意識しない」と、「事務所は死ぬ!!」と実感しました。

あまり知られていないのですが、行政書士の許認可業務は、売上計上とキャッシュインに、かなりのタイムラグがあります。

たとえば、外国人の在留資格に関する申請は、受任してから書類の手配をしますが、書類さえ届けば早くて1週間以内、遅くとも2週間以内に申請をします。

しかし、実際に、審査が完了し、業務を終える頃には、3ヶ月とか、長いものだと8ヶ月~1年かかる場合もあります。

ちなみに、先ほど「書類さえ届けば」といいましたが、書類がすぐに揃う人もいれば、仕事で忙しくてなかなか時間を割けないとか、依頼者のなかには不馴れな作業によりなかなか1度に用意できないなどもありますから、その期間を考慮すれば、受任~完了まで、かなり時間を要することもあります。

それでも、月々の経費支払いは、毎月末にやってきます。「今月すげぇ忙しいのに、思ったより現金がないな!」みたいなことは、ザラにあります。

支払いができなければ(もちろん、今はそうはなってないですが、誰しも可能性はあります)、事務所運営がとまります。

だから、いかに「現金」を残すかは、事務所運営においては非常に重要です。

中には、途中でいきなり許認可の大変さから取得をあきらめて、「許認可やめます!」なんてこともありますから、このようなリスクを避けるため、事務所によっては、完全前払制のところもありますし、着手・結果の分割制、完全後払制のところもあります。

【3】どうすれば、事務所の「お金」をつくれるか?

先週末、確定申告を終えました。確定申告書を作ってくれた方には、心から御礼申し上げるとともに、「どうすれば、現金を残せるか?」、「キャッシュフローをよくできるか?」を、過去の確定申告書を並べて、真剣に、考えてみました。

それには、現金が増える要因と、現金が減る要因を明確にしなければいけません。

まず、現金が増える要因は、

【現金が増える要因】
①案件数の増加
②単価の増加
③難易度の高い案件の受任

①の案件数というのは、業務として受任する案件の数です。それが1週間で終わるものであれ、1年かかるものであれ、案件の「母数」が増えれば、当然報酬をいただく機会が増えます。

②の単価の増加というのは、1案件にかかる報酬額です。自由報酬の世界ですから、同じ許認可申請で、1件20万円のところもあれば、1件10万円のところもあります。何が正しいとかはないのですが、自分の事務所が提供できる価値(どこまで関わり、どういう結果をもたらすのか)に、自分自身がいくらの値をつけるのかで、事務所のお金に直結します。

③の難易度の高い案件の受任とは、あまり頻繁に起こるものではないが、他事務所に断られたとか、なかなかマンパワーでは対応できないような案件。この難易度高案件の頻度が増えれば、②と相まって事務所運営に影響します。たとえば僕の場合、開業した2011ー2012年においての1案件最高報酬額は45万円だったのに対し、2019年においての1案件最高報酬額は300万円でした(端数は省略)。これは、1人事務所ではとても受けられなかったような仕事でも、今ならできるという結果です。でも、もっと組織化している事務所には、1案件ん千万なんてものもあります。

これらからわかることは、「数と単価」をしっかり意識することが、事務所運営では必要と感じています。

次に、現金が減る要因は、

【現金が減る要因】
①対外的経費の増加
②対内的経費の増加

①の対外的経費というのは、たとえば、いつもお仕事をご一緒している方々との会食だったり、広告にかける費用だったりします。

②の対内的経費というのは、たとえば、先人の知恵を数千円で学べる書籍だったり、複数で仕事をする一方で発生する人件費・外注費だったり、あるいは、コミュニケーションを高めるための事務所内の食事会だったり、日々の仕事を支える設備資金だったりします。

これらが増えれば、当然、現金は減ります。

が、こうしてみると、こと行政書士事務所の運営に関しては、「しっかり仕事で結果を出し続け、出ていく『必要以上の』経費をおさえる」ことで、何とかなるといういたってシンプルな仕組みですね。

個人でいくのか、組織でいくのか、誰と一緒に仕事をするのか、そこにどれだけ投資するのか、何年を区切りにするのか、などなど「つくる環境」をどうするかで、行きつく未来もまた変わっていきます。それはどちらが正解とかではなく、純粋に、「自分がどうありたいか?」を考えることに尽きます。

【4】なぜ、お金にこだわるのか?本質的な問題は、お金なのか?

こういうことを考えたり、言葉にしたり、記事にしたりすると、必ず、次のような声がとんできます。

「お金がすべてじゃない」
「お金お金、気にしすぎ!」
「大切なのは、社会貢献でありお金稼ぎではない!」

というものです(何を隠そう、これらは、開業して4年目から5年目あたりに、事務所内スタッフ等から僕が言われたことです)。

でも、今回記事の冒頭に書いたように、僕は、「人」×「お金」×「時流」は、ワンセットであり、これらが、かけ算できるからこそ、日々研鑽した知識や経験を、お客様に提供でき、ひいては社会貢献に繋がると信じています。

お金がすべてじゃないなんてのはわかりきっていることですが、だからといって、お金を無視すると、かえってお客様や、市場、業界に、迷惑がかかります。

いつだったか、「知ってもらう努力をしたい」とYouTubeで話したことがあるのですが、まさに、「知ってもらう」ためにも、適正な資金管理をしていかないと、そもそも、「舞台」にたてません。

舞台にたつためにも、それは、僕らが許認可という限られた世界でパフォーマンスの機会をいただいて結果をだすからこそ、「社会貢献」になります。なぜなら、ビジネスの世界において、「お金」とは、「信用」の数値化だからです

ビジネスとボランティアの違いですね。

だからこそ、目の前の「1件」って、ものすごく重要なんです。ここに全精力をかけないと。「次は頑張ろう」じゃ、次はないです。さらに、せっかく1件きたのに、「自分にはまだ・・」とか言っている場合じゃないんです。

先ほど書いたように、開業当時は、どんなに頑張っても、最高額(受任できる範囲)には、制限がありました。でも、今は、大変だしすごく難しいご依頼をいただく機会が増え、少しずつですが、その事務所としてのキャパシティは、広がってきているように思います。その点は、今、事務所で一緒に活動してくれるメンバーがいるからだし、そこに感謝しつつ、自分自身がもっとレベルアップしなければいけません。

そこで、重要なことがあります。

「お金」について考えはじめると、実は、その本質的な命題は、「お金」ではなく、「人」や「時流」のフローだということに気づかされるわけです。

「人」や「時流」については、またいずれ記事に残したいと思っています。本日のnoteは、これで以上となります!

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