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弱い自分が、やれること【お前は、業界最底辺の人間なんだから】

 こんにちは、村瀬です😌

 前回、何気なく書いた昔のスケジュール帳、思ってた以上にたくさんの方に読んでいただいたようで、ありがとうございました。過去の自分を晒す記事でしたので、まあまあ恥ずかしい面もあります。

 さて、今回は、言葉は悪いですが、「雑魚い自分が、やれること」というテーマです(雑魚という言葉は、息子たちには使ってほしくないな。。)。

 昨日(記事執筆現在)、ある依頼者の要望で、他士業の方をご紹介させていただきました。僕は、もともと在留資格関係の案件を受任していましたので、他士業の彼とふたりで依頼者の会社に向かいました。

 余談ですが、彼とは、早いものでもう何十年のお付き合いになります。僕が25、6のとき、彼は23くらいでしたが、当時からバリバリ仕事をしていて、同じ屋根の下で、ある意味、「下積み時代」を過ごした仲(仕事を終えたら、サイゼリアでワイン→いきつけのカレーうどんを食べて帰る、が日課みたいなもんでした)。

 僕が先にその事務所を抜け開業したのですが、一時僕の「スラムダンク」を借りパクするんじゃないかというくらい音信不通になり、山王戦あたりだけ返却されない時期があり、今では36歳、33歳くらいになり、お互いが看板を掲げた開業者同士になりました。

 彼は、サイゼリアのワインを忘れ、ひとり15,000円くらいするおフランス料理を予約する男になりました。なので、飲みの予約は、以後、私がやろうと思ってます。

 冗談はさておき、依頼者の社長様からこんなことを言われました。

村瀬さんと前回お会いして、すぐに仕事のお願いさせていただいて、別件悩みを聞いてもらって、今回、◯◯さんをご紹介いただけて本当に嬉しい。以前お願いしていた先生は、こちらの要望を聞いてくれず、上から目線で指導してくるタイプでちょっと合わなかったんです。

 事務所スタンスはそれぞれなので、その先生のことは良いのですが(ちなみに、僕も彼も、「先生感オーラ」は皆無です。もう少し威厳がほしい。)、僕は涙がちょちょぎれそうになりました。

 だって、あのときサイゼリアの100円ワインで下積み時代を過ごしてた僕らが、ふたり並んで、控えめにいってかなりの方が知っているであろう会社の社長から、直々に、こうして話をさせていただいている(嬉しすぎて、社長に対して軽いノリでしゃべってしまいましたが)。

 けれど、錯覚しそうになりますが、僕は本来、こんな社長と直々に話ができるような人間ではない。けれども、こういう機会のたびに、思います。「あのとき、勉強諦めず良かった。あのとき、事務所運営を辞めずに良かった。」と。

 前置きが長くなりましたが、僕は良いことがあるとすぐに調子に乗るタイプなので、気を引き締めるために、以下、記録を残しておきます。


【1】自分は最底辺。

 そもそも、僕は、最底辺と自覚しています。ネタとして書けば、

◆高校~大学、偏差値48くらい
◆大学時代、授業サボってバイト三昧
◆アルバイト代は、ほぼ飲み代になり貯金なし
◆就職活動から逃げるため、資格図鑑を買う

 そんなスペックです。さらにいえば、

◆やってはみるんだけど飽きたら本当にやらない
◆ずっと室内で一人でゲームしてても余裕な性格
◆身内曰く、変なところで頑固で気難しい人間性
◆かなり人目を気にしている性格(だった)
◆身内曰く、ギリギリまで、あーいえばこーいう(笑)

 こんなでした(です)。書けば書くほど、人が離れていきそうなので、これくらいでやめておきますね。

 要するに、資格で開業しようが、何年やろうが、何案件こなそうが、1人間としてみたら、最底辺スペックの人間だということを、常に忘れてはいけません。

【2】こんな生き方があるのか!

 そんな僕が、大学3年のときに、たまたま求人でみた司法書士事務所のアルバイトをみつけました。

 「資格図鑑」で、法律系いいなとか思っていたので、司法書士とか行政書士とかよくわからないけど、履歴書だしてみるか、と、そんなノリです。周囲が、就職活動真っ只中にもかかわらず、僕はよく調べもせず、アルバイト探し。21のときですね。

 実は、その司法書士事務所のアルバイトこそ、人生ではじめて経験した法務系の仕事であり、人生の分岐点。開業した今もなお、ご連絡させていただいている師匠との出会いです。

 はじめてみた士業の仕事。今だから書ける率直な感想は、

◆すげー地味!!全然華やかじゃない!!
◆けっこう肉体労働!!
◆一字一句間違えられないなんて細かっ!!
◆え?これ間違ったら、損害賠償ハンパない、、
◆役所の人、堅ーー!!

 ……師匠に怒られそう(笑)。でも、こんな景色も。

◆師匠も先輩方も、毎日笑ってて楽しそう!
◆大企業の担当者と打ち合わせする姿が華やか!!
◆師匠も先輩方も、知識やばー!!
◆独立したらこんな自由な感じなのか!!

 21歳当時の僕は、社会にでるとは、会社に就職することであり、就職するとは、たとえばサザエさんの「マスオさん」とか、クレヨンしんちゃんの「野原ひろし」のイメージ(もちろん、マスオさんや野原ひろしは好きですよ、誤解なきよう)。

 でも、個人事務所で、自分の名前を看板に仕事する「生き方」それ自体、若き僕には、メチャクチャ輝いてみえました。だから、僕は、本当にその雰囲気で、よく考えもせず、自然に言葉を発してしまいました。

先生、僕、司法書士試験、受験してみます。

【3】勉強を辞めそうになった過去

 「司法書士試験、受験してみます。」

 本当に、よく考えもせず、調べもせず、こんな言葉を発するんじゃなかったなと(笑)。36の今なら、もっと冷静な判断ができますが、当時は、目の前にいる師匠や先輩方がキラキラ輝きすぎていて、衝動買いした感じですよ。

 当然、そんな動機でうまくいくわけない。22歳、23歳、24歳、25歳。全て司法書士事務所で働きながら、司法書士試験を受けるという、魔の4年間が始まりました。

 23、24は、もう回すのだけでいっぱいいっぱい。最後の受験になる25のときは、ギリギリまで追い詰めたかな?「これだけやって、ここまでとれるようになった。でも、これ以上はできないな。」と、なぜか納得した不合格だったのを覚えています。

 ただ、最初の1年目は、そりゃもう回すもなにも、言葉がわからない。え、悪意と重過失?抵当権の順位変更がなに?仮登記??債権者保護手続き?え、民事保全、、なにまだ科目あるの??そんな感じです。

 「司法書士試験、受験してみます。」程度の気持ちで、そんな簡単にいけるわけない。僕は、早々に(たしか、不動産登記法の根抵当権登記のあたりで)、師匠に胸のうちを晒しました。「司法書士試験云々以上に、そもそも高校時代から勉強してこなかった僕が、しかも経済学部の僕が、大学3年になって突然法律の道いくとか、夢見すぎました。無理かと思います。」

 その日、金融機関の決裁で、師匠に同席の日。少し時間があったので、いろんな話をしてくれたのですが、この言葉が印象に残っています。

普通は、10年、20年かけて、1,000万とか1,500万とか出世を目指していく。でも、資格者として開業したら、その1,000万くらいのお金は2~3年で取り返せてしまう。そんなおかしな世界なんだよ。そんな世界に入るための試験勉強は甘くないって。半年やったくらいじゃ、無理とかすらわからないよ。学歴とかもぶっちゃけどうでもいい。ただ、俺はやったよ。アホみたいに勉強した。書店にある問題という問題をすべて解けるくらいまで。まぁ、人生、資格を続けるのも、きっぱり足を洗うのも選択肢だけどね。

 このとき、よほど納得しない限り、「辞める選択肢」を隅に置いておこうと決めました。

【4】事務所を辞めそうになった過去

 25歳。7月の司法書士試験を終え、そのまま11月の行政書士試験を受けました。憲法、民法、会社法は、司法書士試験で曲がりなりにもやってきたので、行政法と一般知識等さえなんとかできれば、いけるかも。という算段でした。

 そして、合格して、今に至ります。

 でも受かったら受かったで、仕事をやればやるほど、時がかかればかかるほど、当時の師匠はじめ、たくさんの先輩方の偉大さ、大変さが身に染みていきます。

 正直、もう事務所辞めて就職しようかなと思ったこと何回もあります(人は判断能力を失うと、「就職が嫌だから資格とる」という最初のきっかけを忘れ、就職という隣の青そうな芝に現実逃避します。笑)。本当に苦しいとき、本当に辞めたいとき、「売上」とか「お金」って、そんなに意義を感じないんだなとも知りました。

 たとえば、辞めようかなと思ったのは、

◆キャッシュフローがあまりに悪い
◆人間関係で自分の時間をとられる
◆事務所から人が抜ける(理由は問わず)
◆スタッフと連携とれずお客様に迷惑かける

 だいたい、このどれかですね。

 仕事がないとかはもちろん、どんなに依頼を受任しても、許認可は時間がかかるから、入金までにタイムラグがある。でも、毎月出費がある。額面の売上以上に、キャッシュフローへの意識が弱かった時期。

 人間関係。良くも悪くも、僕は大人になりきれず、職場の人間関係がこじれてしまうことも。そうすると、本来自分がやるべきことに時間を割くべきところ、話し合いとかなんとかで時間をとられてしまう(まぁ、31~32くらいからはそういうの多少は無くなったかなとは思いますが。笑)

 事務所から人が抜けるのも、まぁ辛い。もちろん、僕と方針があわないとかもありますし、病気で退職せざるを得ないとか、企業に就職するとか、いろんな理由があります。人生自分にあう環境を選ぶべきですが、やはりまぁ別れは辛いですね。

 あとは、事務所体制の話ですが、自分ひとりでやるのと、スタッフ交えてやるのでは勝手が違う。そのちょっとした連携ミスから、お客様からお叱りを受けることもありました。依頼者のために!といいながら、依頼者に迷惑をかけるのはストレスですよね。

 1点1点なら、まぁ対処できるにせよ、それらが一気にきたときはつらい。「あぁ、おれ何やってんだろ。」ってなってしまうと、どうしても、臆病な自分が顔を出してきます。

 だいたいの悩みって、何かこれ!って点ではなくて、細かい点がどんどん重なって、線になってしまう、いわば複合的な理由が原因ですからね。

【5】自分が最下位と思って練習。試合は絶対負けないという気持ちで。

 資格試験を受験している最中は、やはり、目の前の問題を解けなきゃいけないから、「実務では絶対使わないよな」と思う知識もやらなきゃいけないという苦痛。それに、こんだけやったのに不合格だったらどうしようという恐怖。

 実務をしている最中は、実務に関係する勉強をすればいいけれど、改正や運用含め、追いかけるのはとても大変なこと。将来自分どうなるんだろうという、不確実性からくる不安。

 「辞める」なんて、自分ひとりならいつでもできる。でも、辞めたら依頼者とか身内とかどうなるんだろうとか、自分から行政書士とったら何も残らないなとか思う。

 だから、試験に受かるかどうか分からなくても、将来事務所がどうなるか分からなくても、今、自分にできることは、ひたすらテキスト読んで問題解くこと、目の前の依頼者の仕事を全力でこなすことしかできないな、と思ってからは、集中力は増したかもしれないですね。

 過去の自分を見返せば、いかにスペックの低い人間かわかる。日々、自分は業界最底辺のレベルだと思って、それこそ日々一緒に仕事させてもらってる弁護士さんや司法書士さんの5倍は練習しないと、到底、現役中に彼らには追いつけないよ。

 その代わり、試験会場やお客様と会うときは、自分ほどやってる人はいないと思って、思い切りぶつかることですよね。思うのは自由ですからね(笑)。それなら、納得できるから。

 そんなことを思った、彼との打ち合わせでした。

 本日も長くなりました。ありがとうございました!

 

 

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