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#19「妄想」デフレ脱却

一般家庭のキャッシュフローを作成すると、必ず将来に備えた貯蓄をしなければならないことが分かります。キャッシュフローは作成時から90歳ぐらいまでの収支を数値化し、グラフにしますので、お金が不足する時期が明確になり、その時期のために貯蓄しなければなりません。

なぜ貯蓄しなければならないかというと、年金だけでは生活できないためです(必要額は家庭の状況によります)。

将来が不安だから、極力お金を使わず、将来のために残しておくという行動に出ます。多少給与が上がっても、変わらないでしょう。

子育て世帯を考えた場合、子供の誕生から独立するまでの養育費・教育費、住宅の取得費・維持費、生命保険料の支払いなどの負担が大きくなります。さらに老後の生活資金についても考えなければなりません。

老後の生活資金は最も遠い話ですが、多額の資金が必要となります(年金の受給により負担が緩和されています)。

一方、会社員の賃金が上がるためには、景気が良くならなければなりません。株価が上がっても投資していない人にとっては無関係です。

賃金が十分に上がらない中、将来の不安があれば、お金を使うはずはありません。

大学無償化(現状は限定的な無償化)による教育費負担は家計にとっては助かります。完全に無償化すれば、収入を得る前に借金を背負う必要がなくなりますので、子の世代にとっては負担は軽くなるかもしれません。

しかし、退職後の生活資金に対する不安は残ったままです。景気が良くならなければ大学に行ったとしても必要なお金を稼げない可能性もありますし、親の世代は老後の不安がありますので、やはり貯蓄を続けるでしょう。

(妄想)「では、老後資金の準備から解放されたらどうでしょう。社会人になると、退職後に引き出せる2,000万円の老後資金が振り込まれ、年金と合わせると十分生活できると大きな不安が解消されたことになります。
こうなると、計画が立てにくく後回しになりがちな老後資金の準備が不要となり、住宅取得や教育、退職までの生活費を念頭に置き、貯蓄すればいいことになります。教育資金の準備は子供が誕生してから20年余りと中期的で予測しやすく、資金計画は老後資金と比べると立てやすいでしょう。奨学金自体、不要になります。」

キャッシュフロー表を作成すると、老後の資金準備がなければもっと楽な資金繰りになるのに・・・という妄想をしてしまいます。

景気をよくするためには、遠い将来の不安がなくなり、お金を使ってもそれを超える額のお金が入ってくる状況にして、貯蓄ではなく消費を促すような状態にしなければなりません。

年金は不安があるまま、大学費用は高止まり、消費税は増税・・・これでは財布のひもは緩まない。家計をやり繰りするにも限界があるんです。





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