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RFF Vol.5“Time film”の感想と個人的な日記のヤツ

正式タイトルとまえがき
Red Frame Factory Vol.5
“Time Film”
その感想と個人的な日記のヤツ

 この記事を書いてる2021/12/30日現在、有料のアーカイブ配信期間の為、ネタバレ込みの感想はまた後日書けたら。
 あと、久々に長文を書いて楽しくなっちゃって、全体的にとても個人的な話が多いので感想以外は読み飛ばしても良いくらい。
特に☆印は個人的な日記なので。

絵が描けたらば、漫画にして数枚の感想イラストに出来るのになぁ……。

あと、叱られたら消します。

キッカケ

旧校舎の取り壊しが決定し、
映画研究部の創設メンバーが集まる事に。
そして卒業時に埋めたタイムカプセルを掘り起こしたら
ある1枚のDVDが出てきて…
映画研究部ならではの青春が今蘇る
赤枠工場、今年最後の舞台はそんな【青春】がテーマです
Red Frame Factory Vol.5“Time Film” Webフライヤーより


 12/22(水)〜26(日) 阿佐ヶ谷アルシェという小劇場にて、Red Frame Factoryさん(以下 赤枠工場さん)という劇団さんが5日間9公演行っていた公演。
 僕はその最終公演、所謂千秋楽を観劇させて頂きました。

 今回の出演者に僕の劇団の先輩がいるのだけども、その方が直前まで出ていた舞台について「僕がただただ感想を喋るだけの会」というなんとも傍迷惑な会を開いていた際(その節はお付き合い頂きありがとうございました……)、
 たまたま目の前で今回の出演が決まり、ザックリと話のあらまし(といっても、ザックリ「現代劇」くらいの情報)を聞き、
直近で観させてもらった先輩出演の舞台がシェイクスピアの現代解釈的喜劇やファンタジー系朗読劇だったので、また違ったモノが観られるのかなぁという楽しみが勝り観劇するに到りました。


 しかしながら観劇を決めるまでに時間が掛かった。ここ暫く諸事情ありそこそこの金欠だったし、なんなら観劇当日も含めもう暫くそこそこ金欠なので。
 詳細の公式発表から1週間ほど悩んで、観に行く事を決めた記憶がある。

 兎に角、観劇を決めて更に1週間。赤枠工場さんがTwitterにて公開し(たそれを先輩がRTし)ていくWebフライヤーやキャスト紹介動画や舞台CMを観ながら、どんな作品になるんだろうと心を馳せていた。


あのこはだレイラ/エリックかけブトン

 いきなりおじさんの悪い癖である。何なのかは調べてくれ。調べなくていい。

 さて。
 上で観ていたというWebフライヤーとCMを何度か観ていて、何やら違和感に気付いた。


「ある人がいて」「ある人がいない


 誰がいる/いないについては自分で見つけて欲しいのだけど、それに気付いた時、僕はこんな事を思っていた。


「はっはぁーん、成程。
 これはあれだな——“青春ミステリー”だ」


 最初に断っておこう。完全に、オタク特有の深読みである。

 オタク特有とは言ったが、オタク/非オタク関わらず誰しもあるんじゃなかろうか。たったひとつふたつ拾い上げた情報を元に、芋蔓式に無い情報を自分の内で妄想・捏造・精製していく類のアレ。
 アレがそのまま真として口から出荷していくのは嫌いなので心内で精製してから不良在庫として溜め込むか棄てるんだが、どうしてもこれは言わねば消化不良を起こすので此処で吐き出しておくのだけど——それがどうしても気になってしまう。


 そして、CM終盤に出てきた男子と女子が何やら言い争った末のビンタ。あー、これはもうそうだよ、そうなんだ、もうそうだわ。

 最初に引用した粗筋にもある「あるDVDが出てきて…」なんて文言があれば尚更である。
 こんなモノは「旧校舎で起こった仲間内での事件を取り扱った青春ミステリー」だよ!


——ここでも断っておくが、これはオタク特有の深読みである。真か偽かは置いといて。



 それから、先の男女とは別の2人にも違和感が向く。
 その2人も映像中に確かにいるのだけども、いないのだ。
 これはもうそうだろ、本当に。そうじゃんよ、ねぇ?


……お気付きかは分からないが、書きながらだいぶ楽しくなっている。お叱りを受ける前に一旦止めておこう。


☆ある、けど、ない

(※完全に当日の個人的な日記なので別で書くかも考えたが、今回はもしかすると先輩含め誰とも感想等話す機会がないのでここに記しておく)


 当日は開場時間まで恐らく40分くらい前に初めての阿佐ヶ谷駅に降り立ち、駅と会場の間の商店街で少し時間を潰していたのだけど、それだけ時間を採っていたのには理由があった。差し入れのお菓子を買う為である。


 実は、前日まで差し入れするかどうか悩んだ末に取り止めたつもりだったのだが、別の目的で百均に行った際に本当に無意識でお土産用の小さい紙袋を買ってしまったのだ。
 ちなみに、その別の目的については百均では果たされなかった。

 紙袋を使うような用事は基本的に無く、家に置いても仕方ないので、何かしらお菓子詰め合わせやキャストさん・スタッフさん全員で食べられる安上がりなモノでもと思い、商店街のお菓子屋さんで見繕うつもりだった。

——しかし、目星を付けたお菓子屋さんが見つからない。
 出発前にスマホの地図アプリ等で確認した筈のお菓子屋さんが、ない。
 普段出先では地図を見ずに街を散策するのが趣味なのだが、仕方なくアプリを開いて位置を確認して周りを見回す。



……画面上にはある。だがしかし、周りにはない。


 暫し思案。
……なんだこれは。俺は今、何かしらのスタンド攻撃を受けているのか?
 疑心暗鬼になりながら元来た道を繰り返しキョロキョロ往来し、途中のコンビニで軽食を取り、再び劇場へ至る横道の前を往来。
 これにより、晴れて挙動不審の不審者おじさんの出来上がりである事に気付いて焦りは募る。


——お気付きかも知れないが「時間を潰していた」のではなく「時間が潰れていった」のだ。

後々、冷静に考えれば途中のコンビニで済ませればよかったのだが、当時の僕は焦りは募るし、今この状況を先に挙げた「オタク特有の深読み」と重なり出したし、加えて書き手として今ちょっと楽しくなってきている——これは不味い。


 アプリにはある、周りにはない、ある、ない、いる、いない……。


 そうして幾度もの往復を繰り返す内に開場時間が来てしまった。
 とうとう僕はお土産を購入する事が出来ないまま、鞄に入れた紙袋は未使用のまま、そしてもう少しだけ往来したいという阿呆みたいな気持ちに後ろ髪を引かれながら劇場へと向かう事にしたのだった。


……なんだこのセクション。


感想(ネタバレしないように)

 ある程度は僕自身のTwitterでネタバレしないように感想を呟いているのだけど、それをまとめる形になるかと。

===

 先の事件の後で劇場に入場して、ホーッとため息が漏れる。
 目の前には正しく、映画研究部の部室が広がっていた。

 上手側、部活の為の機材や思い出の品が飾られた棚と掃除道具入れの上から橋渡しのように引っ掛けられたスクリーンがぶら下げられて、赤枠工場さんによる過去公演のダイジェスト映像が映し出され、
 掃除道具入れとすぐ傍の壁には恐らく過去の部活で制作されただろう映画のビラ——ダイジェスト映像にもあった過去公演のタイトルもあって、コレはいい小ネタ——があったり、
 終演後に気付いたけど、棚の真ん中には役者が役として書いたと思われる寄せ書きが飾ってあったり等々……。
 この時点で既にちょっと引き込まれている自分がいて楽しくなってくる。


 ザックリと舞台を見渡しながら着席して、席に置かれたパンフレットに目を通すのだけど、そこでも僕のテンションが上がる。
 大概は○○役の××(役者)といった紹介があるのだけど、役のファーストネームが全て役者と同じなのだ。

 これはあれですよ、“ごく○せん”のメインキャスト以外の役のファーストネームが自分の名前と同じっていうアレだよ!
 心の隅にある「ここすき」要素を唐突に突かれて本当に楽しい。


 そして、パンフレットに別枠で載っていたあるキャストの名前。
——ははーん、この人か。今回のミステリー要素。
この人を軸に事件や話が展開していくんだなぁ、もうそうなんだろう?


 何度も言うが、この時点では「オタク特有の深読み」である。そして、粗筋にもあるがこの舞台は「青春」がテーマだ。


 そうこうしてる内に前説が始まる。
 漸くここまで辿り着いたのだけど、ここから先は多分実際に来場したり配信を観た人達の為の部分だと思うので、詳しい事は後日また別で書けたらと思いつつ、ここでは当たり障り無い範囲で書ければと。


 今回の舞台、多分今まで観た作品以上——といっても、劇団に所属しながらそんなに舞台を本数観てないのでこう書き記すのも烏滸がましいけど——にキャスト仲の良さが溢れ出る楽しい作品だったなと思いました。

 というのも、先に何度も書いたように舞台CMというモノがあり、舞台稽古以外にもそれの為に役になったまま1日掛けて映像の撮影をしていたそうで。

 上から目線みたいになってしまうかもだけど、多分稽古の中でも役との擦り合わせみたいな事を凄くやってるだろうし、それだけじゃなくて撮影の中で自然と友達・同級生・部活仲間・先輩後輩みたいな関係性の擦り合わせが出来上がって、
 その結果、なんだかみんな本当に実在する人達なんじゃないかっていうリアルさと没入感が凄かった。
 自分が観たのは本当に最後の公演だったから、余計に皆さんのリズムや息が合っていたからかも。

 そのせいか、公演中に思わず友達へするようなツッコミを客席から入れそうになって焦ったりしつつ、
 クライマックスのシーンや最後の挨拶では目に涙を浮かべている役者さん達の姿に胸が熱くなり……とても楽しくて幸せな時間を過ごす事が出来ました。


 今回出演された先輩始めとしたキャストの皆さん、スタッフさんには改めて感謝したいと思います。
 本当にありがとうございました。


……ここまで来て分かると思うが「オタク特有の深読み」についてはもう触れまい。


☆観劇後の個人的与太話

(これもまたただの個人的な日記なので読まなくて大丈夫です)

 この公演期間はクリスマス期間だったという事もあり、演目が終わった後でクリスマス抽選会なる催しがあった。
 開演前に置かれたパンフレット、その隅に書かれた数字を抽選番号としてキャストさんがランダムに読み上げて、該当番号を持ってる人にお菓子やらキャストさんが用意した何かやらをプレゼントするというモノだ。

 とても楽しかったあの作品のキャストさん達が、ホントにそのままそこにいて始まるのでテンションそのままにぶち上がる。
 しかし、この手の抽選会において僕はくじ運がないのか当たった試しが無いので、そんなに期待せず行く末を見守っていた。


 8、13、7……。
 周りの人に拍手を送りながら、一応パンフレットの数字を確認する自分。なんだかんだで期待してるのか。傍から見たら誠に滑稽だったろうさ。

 商品の紹介が毎度挟まり、次々コールされる数字、渡されるプレゼント、都度数字を確認しては拍手する自分。
 そうこうしてると、あるタイミングで自分の数字がコールされた為、パンフレットを持った右手を掲げた。

「おめでとうございまーす!!」

 なんと、当選したのだ。まさか、こう言った催しで当選するとは思わなかったので驚きながら目を丸くした。


 他の人達同様に拍手されながら、差し出されたのは———うどん。
 クリスマス抽選会に、乾麺タイプでそこそこ良さげな感じのうどんである。最終日は26日なので、年末年始に向けたプレゼントだろう。

 コール前にうどんが紹介された際は「あれ当たったらおいしい(ダブルミーニング)」程度に思っていたが、本当に当たるとは思わなかった。


……しかし、困った。
 実のところ、この翌日から1週間ほど実家へ帰省する事になっていたので、うどんを消化出来ないのだ。
 幾ら乾麺とはいえ自宅に1週間置いとくのは忍びない……と思ったが、よく考えたらこれをそのまま実家への土産にすれば良いではないか。

 当選の意を示す右手を掲げてからうどんを受け取るまでの数秒の間にそう気付いた僕は、堪らず左手も掲げる事で図らずも両腕で歓喜のガッツポーズを取る形となり、うどんを用意した役者さんも喜んでくれたのでとても良い結果となったのだった。


 このうどんで実家の家族と年を越します。赤枠工場代表の笠木さん、ありがとうございました。


===


 抽選も終わり、駅とは反対側の方で用事も済ませ、劇場への横道を一瞥して通り過ぎながら「楽しかったなぁ……」と余韻に浸りつつ、元来た道を歩いて駅へ向かおうと前を向き直る。
 その時、僕は視界の端で、横道から徒歩1分の所に堂々と店を構える例のお菓子屋さんの看板を見つけたのであった。

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