親からの贈与を非課税に~住宅取得資金

2021年12月、自民党税制調査会は2022年度の税制改正大綱の主要な案を発表しました。

なんといっても再注目となったのは住宅ローン控除の改正。控除期間は伸びるものの、控除率が1%から0.7%に減額されるため、これから住宅を購入する方にとっては少し残念な改正となりそうです。

さて一方で、もうひとつ重要な制度の発表がありました。それが「住宅資金贈与の非課税期間延長」です。

親の援助で自宅を購入した、という話をよく聞きますが、実は手続きもせず単純にお金をもらってしまうと、たとえ親からでも贈与税がかかります(110万円の贈与税基礎控除を超えた分)。ただし、贈与税の優遇措置で「住宅取得のため」「学費のため」「結婚のため」など、特定の用途のための贈与には非課税制度が設けられています。

その中でも、「住宅取得のための贈与税の非課税制度」は2021年12月末までの契約締結まで、とされていましたが、期間終了直前に今回の税制改正大綱で延長が発表されました。(学費、結婚資金は今のところ2023年3月末まで)

これらの制度は若い世代の贈与税非課税というメリットと合わせて、親世代の将来の相続税軽減にもつながるため、資産税の軽減策としてぜひ押さえておきたいところです。

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相変わらず新築・築浅物件優遇が気に入りませんが、本来この年末で終了するはずだったことを考えれば、中古など通常の住宅でも基礎控除110万円を加えて年間610万円の非課税枠は、大きいと言えます。

また、意外と見落とされていますが、この制度は増改築にも適用されます。50代夫婦が子どもの独立を機に行うリフォーム資金を、70代の親からの贈与で賄う、という使い方も可能です。

贈与、相続はなかなか子どもから言い出すことが難しいのですが、お互いのメリットになるなら積極的に提案してみる価値はあります。事後報告をして「先に言ってくれれば、、」と機会損失するのはもったいないですよね。

「オヤジ、おれ、家買うから金くれ」ではなく、「来年子どもも小学校に上がるし、そろそろ家を買おうと思うんだよね」というような柔らかい口調で、紅白歌合戦を観ながらでも切り出してみてはいかがでしょうか。

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