ドラフトルーキー9巡目 上川畑 大悟

<フォックストロットの野球語りたいラジオ1/30原稿>
167cm70kg 右左 遊二 50m6秒フラット、遠投110m NTT東日本出身

守備範囲の広いタイプの遊撃手。社会人では主に9番遊撃手。打撃力アップが課題だが、この人を語るにはやはり守備、と言うところはある。大学時代には中日京田と二遊間を組んでいた。
積極的に前に出ていくタイプというよりはまずしっかりと真正面に捉えて捕球するタイプで、頭の位置がぶれず、最後まで目線を切らないのを心掛けているように見える。その上で捕ってから投げるまでが非常に早く、スローイングも安定している。守備範囲、そして送球の速度も平均以上はあるように見えるので、社会人NO1ショートの評価もよくわかる。ゲッツーを取りに行く際の動きも滑らかで、安心感がある。
実際の動きを見ていると間違いなく上手いし、自信を持って動けている。放っておいても守備で通用するタイプなのは間違いない。

・となればファイターズとしては彼に求めるのはレギュラーを張っていけるだけの打力があるかどうか。それがあるなら開幕即レギュラーもやぶさかではない。
打撃フォームとしてはオーソドックスなタイプの、ややクラウチング気味のフォームで、ステップも小さめ、さほど身長の高くない彼らしく、センターから逆方向を念頭に置いて、バットを指一本ぶんくらい短くもって、上から叩いていくタイプの打撃。
懐大きく構えるタイプではなく、脇を絞って、バットが最短距離で出てくる。右の壁はかなりしっかり固めてあって、開いて距離を出そうとするのはインの低めの球を引っ張る時くらいだろう。そういう時は右中間を割るような大きな当たりも出せるパワーは備えている。
そういう意味では擦って飛ばすと言うような打撃よりは芯をしっかり捉える意識は高いように見える。当然と言っては失礼だが、いい当たりの時は低いライナー性の打球、基本的には叩きつけるゴロは多め、弾道は決して高くない。通常であればインコースに来た球を思い切り引っ張ってファーストの頭上を抜けていくような長打は期待できる。
となれば当然、一般的なショートによく見受けられる、HRのような大きな当たりがゼロという感じはしない。年間で二桁は届かないだろうが、継続して打席に立っていればたまの当たりが5本出る、くらいのことは期待できそう。
ただ、打撃のスタイルからしてポイントを前にして捉えるタイプではなく、しっかり見極める部類に入るのは間違いないので、変化球よりも速球への対応が課題になる。動画を見ても差し込まれ気味のファウルは多めで、それをいいように捉えれば1打席でしっかりと球数を放らせることはできるので、御多分に洩れずファイターズらしいショートストップと言える。
都市対抗・日本選手権通算の打率は.194、社会人通算の打率は36試合で.270、大学通算61試合で.274。盗塁はそれぞれ2、8、31とそこそこに足も速い方。

・数字やプレイを見ても上位打線というよりは下位で渋い活躍を見せる方が性に合っているようなイメージ。プロで.250打てればトップバッターにおいても面白いが、現状の期待値は良くて.220、7番か9番に座れるかな、といったところ。守備でしっかりと役目を果たしながらであればそれでもまあさほど文句はないかもしれないが、欲を言えば源田のようにプロに入ってから打撃が少しでも伸びるのを期待したい。

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