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第12回:輪廻転生 魂が巡る旅


魂の年輪:人は満年齢ではなく精神年齢で見るべき

空海の秘蔵宝鑰ひぞうほうやくには、こうある。
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりにくらし・・・。

これは暗に、輪廻転生について述べているのだ。
もし、人が今生一代の生ならば、何故同じ人間でありながら、人格や能力の差が出てしまうのだろうか。

答えは簡単である。
人間の魂の進化の過程には、「若い・老いた」といった年輪の差があるからだ。
若い魂は未熟であり、老いた魂は習熟している。
でなければ、空海やバッハ、ピカソ、アインシュタイン等の天才が、世に出てはこないだろう。

今の日本における天才といえば、将棋界の若き棋士である藤井聡太氏や、ボクシング界の井上尚弥氏等が、その典型に思える。
彼らは、過去世で各自将棋や武術の道を志し、精進を積み重ねて、それなりの段階に達した魂達だったに違いない。

古神道による帰幽者(死者)の行方と出雲幽宮

人はその生を終えると、死後、産土神(うぶすなのかみ)に導かれて、出雲幽宮(出雲神界)に行く。
恐らく、各分野で自身を磨きその能力に秀でた彼らの魂は、そこで司命神しめいしんに「生前その道を極めることができなかったので、来世もその道を極めたい」との旨を伝え、許可されての転生なのではないか。
更に、今生の努力も相まって斯界しかいで活躍し、才能が開花したのだろう。

出雲国一の宮 出雲大社 / 島根県
帰幽者は産土神に伴われ、大国主命により
生前の審査を受ける。それによって
死後の生活の快、不快が決まるのである。

進化した魂(総合的に老齢の魂・ある分野のみ能力が秀でた魂)

ただ、ここで問題になるのは、本当に老いた魂と、ある分野にだけ能力が秀でた魂とでは、意味合いが異なるということだ。

前者は霊格自体が全体的に上がった高度な魂であり、後者はある特定の分野の面にだけ能力が秀でた魂という違いがある。

そのようなことを踏まえた上で、霊的な年齢による考察を加えていかなくては、人間の「魂としての真の優劣の差」というものが見えてはこないだろう。
今回は西洋の秘教の霊的解釈ではなく、日本の霊的な消息から「輪廻」について考察を加えてみた。

霊格の高さは、澄んだ瞳の美しさとして映じられる

なお、霊格が向上した人の瞳は澄みきっており、大変綺麗である。
この清澄な瞳を持つ典型的な人物として、世界的にも有名なインドの三人の聖者の写真を以下に挙げてみよう。
この三人の聖者の共通点は、物質文明の大国欧米にインドの叡智を伝え、欧米人を霊的に感化したことである。

パラマハンサ・ヨガナンダ / アバター(大聖)

「愛の大師」といわれた有名な聖者。
インドでは、記念切手も発行された。
欧米にクリヤーヨガを伝える。

ラマナ・マハリシ / アバター(大聖)

「沈黙の聖者」としても知られた彼の瞑想は、
英国人画家のベンジャミン・クレーム氏にも
影響を与えた。

ジッドゥ・クリシュナムルティ / 4段階

若き日のクリシュナムルティ。
少年時代に世界教師の器として、
神智学協会内で英才教育を受ける。
後に、彼は霊的に覚醒し、
自身の「星の教団」を解散した。

彼らの相の美しさを見れば、もはや言葉は必要ないだろう。
相の美しさは、霊格の高さを表す。
特に、それはその人物の瞳に顕著に表れるものである。

残念ながら、今の日本の権力者の方々の相は、お世辞にも綺麗だとはとても言えない。
それは彼らが持つ利己的な財、地位、名誉、そして権力等の欲望からもたらされる心の醜さが、そのまま穢れた相となって現れているからだ。

さすがに私達凡夫には、聖者に至るほどの徳を積むことはできないが、日々の生活の中で「自身の姿を省みる習慣」を身に付けることは必要であろう。
それが「生きることに対して責任を持つ」ことに繋がるのだから。

なお、アバターとは、他天体から転生してきた霊的に高度な進化を遂げた存在である。
日本では大聖と呼んでいる。
彼らの目的は、地球の幼い人類を「霊的に導き進化させる」ことである。

霊的観点から鑑みる日本社会の年功序列の愚かしさ

この輪廻転生という霊的な理論から鑑みれば、日本人の「年功序列」といった考え方は、最も下らない考えと断言することができるのではないだろうか。
現に、全く仕事もできずにふんぞり返った上司が、社会にはクソ虫の如くあふれているではないか。
このクズ共・・・失礼、足りない人達はあからさまに、「私は霊格が低い未熟者です。」という生き方を、暗に態度で示しているに過ぎないのだ。

私は若い頃、このような社会の悪弊を目の当たりにし、「願わくば、歩合制に基づく欧米のような実力社会になれば良いのに。」と思いながら、右の拳を震わせていたものである。
当時は、若気の至りか怒りが堪えきれず、今となれば行き過ぎた行動を取ってしまい、周囲の若人から、冗談で「オヤジ狩り」と言われたこともある・・・。

しかし、歳を重ねた私も、年の功か丸くなり「欧米社会的って良くないよね。」という考え方になってきたから、人は変わるものである。
何故なら、欧米のような実力社会は資本主義の競争をただ煽るだけであり、利益追求の為に人倫は乱れ、結局は社会を壊してしまうからだ。
これでは人間の社会ではなく、悪夢のような地獄界と変わらないではないか。

そして、歳を重ね、私が行き着いた答えは「何をするにしても、人類はこの歪んだ資本主義社会を終わらせなければ、新しい秩序ある時代は築けない。」ということである。

西洋の霊学だけでは紐解けない民族性による霊的な特質

私から見て、秘教は非常に高度な霊学ではあるが、考慮しなくてはならない問題点もある。
それは「世界各国の種族には、特有の文化や風習がある」ということだ。

これらの各文化・風習は、その種族がもつ特有の想念形態を作り上げる。
その結果、西洋のキリスト教圏にはキリスト教の霊界があり、東洋の仏教圏には仏教の霊界がある。
同じく、日本には日本に応じた霊界があり、それは神道を基にした特有の霊界であるということだ。

このように、各種族の特有の文化・風習が、無意識のうちに想念形態となり、あの世での空間の形態を作り出すのだ。

秘教はどれほど高度な霊学でも、「霊的にはこうですよ」的な大まかな導線を示しているに過ぎず、各国の霊界の消息までは示してはいない。

そのため、日本人が秘教を志して学んでも、それだけでは霊的な理解を深めたとはいえず、日本に古くからある神道や仏教の世界観も、よく理解しなければならない。
でなくては、不完全な霊学研究で終わってしまい、実学の霊学にはならないのである。

参考文献:幽真界研究

著者:勅使河原大鵬 / 山雅房

古神道を真に深く理解するには、必読の書。
著者は、紫龍仙道人しりゅうせんどうじんの高弟である勅使河原大鳳てしがわらたいほう氏。
神仙道の世界を深く掘り下げて書かれているので、今までよく分からなかったところまで手が届く本である。
ただし、内容が濃すぎるので、古神道の初学者は、この本を読むまでに必要最低限の基礎を身に付けておく必要がある。中級者向けの本。
興味のある方は、絶版になっている学研のブックス・エソテリカシリーズの「神道の本」と「古神道の本」二冊を、古本で購入して学んでおくと良いだろう。

推薦図書:開運虎の巻

著者:天道春樹 / 鳥影社

表紙のポップなイラストとは打って変わって、中身は濃厚を極める内容となっている。
著者の天道春樹氏は、高知県出身の人相と易占の大家である。
この本は、人相の中で「八相」といわれる八つの相を元にして鑑定していく実践書であり、日常生活の中で活かせる相の押さえ方を享受している。

しかし、この本の内容はそれだけではなく、著者が霊的メッカの四国出身の方なので、霊のことについては非常に詳しい。
西洋の神智学のような高度な霊学や、ニューエイジ等のチャネリングでは説かれることのない「神社の眷属霊等の話」は、実学として知っておく必要がある。
興味を惹かれるのは、「著者が若気の至りで霊的な行者と揉め、大変なことになる話」で、この世界にいれば、自ずと身が引き締まる良い教訓談である。

人相と易占の大家である著者の天道春樹氏。
日本にも、相の綺麗な方は存在する。
それがこの本の著者、占術家の天道春樹氏である。
しっかりと自身の生き方に責任を持って生きて
いる人は、相が引き締まってくるものである。
それは、どの業種の人にもいえることである。